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2026年5月22日 (金)

【金融・企業法務】もうすぐ株主総会を開催される会社が多くなる時期ですね。今回は昨年に引き続き有価証券報告書を総会前に開示する会社が増えそうです(^o^)

 黒沼悦郎先生の公開会社法入門」です。有価証券報告書についてはもう説明の必要のない読者が大半かとは思いますが、金商法において、事業年度ごとに発行者の事業及び経理の状況を記載した書面であり、事業年度終了後3か月以内に提出しなければならないものです。    

                          

 このブログでも何度か執筆したと思いますが、会社法上の計算書類・事業報告書と比較しながら説明がされることが多くて、本書もP225においてその説明がされています。

 以下引用してきますね。

 「有価証券報告書の記載事項は、財務情報と非財務情報に大別される。財務情報を構成する財務諸表等に何が含まれるかはすでに説明したが、有価証券報告書ではこれに企業集団の財務情報(連結情報)を示す連結財務諸表等が加わる。

 企業集団を構成している企業の財政状態や経営成績は、親会社や子会社の単体の財務諸表をみるだけでは判断できない。

 例えば、販売会社を子会社に持つメーカー(親会社)が、製品を子会社に販売した時点で親会社の売上高は増加するが、その製品が購入先に販売されなければ企業集団としては売上げがあったと認めることはできない。そこで、企業集団内の会社間の資本関係、債権債務関係、取引関係から生じた資産、負債、資本、損益等を相殺して、連結財務諸表を作成する必要がある。連結財務諸表に含まれているのは、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュフォロー計算書である。連結包括利益計算書は、資本取引によるものを除く純資産の増分(包括利益)とその内訳を示すものであり、投資者が企業全体の事業活動を評価するのに資する乗用となる。」

 「非財務情報とは、有価証券報告書中の経理の状況以外の記載事項を示す。これは会社法の事業報告の記載に対応するものであるが、事業報告よりも相当詳しい。事業報告との違いとして重要なのは、有価証券報告書では、一部の記載を除き、上場会社を頂点とする企業集団の状況を示すように連結ベースで各項目が記載されることである。他方、現代の企業は、企業集団により多様な事業を行っているため、連結ベースで記載すると、事業の部門別の状況がわかりにくくなる。そこで、非財務情報の多くでは、企業集団の情報をセグメント(部門)別に区分して記載することが求められている(セグメント情報)。なお、財務情報についても、連結財務諸表の項目について部門別及び地域別の金額等を注記することが求められている」

 また、計算書類・事業報告と有価証券報告書の一体的開示についても、「会社法は、株主から経営を付託された経営者が、株主に対し経営の結果を報告し、株主総会における議決権行使のための情報を株主に提供し、会社の取引先やその候補者に当該会社との取引を継続するか否か、新たに取引に入るか否かを決するのに参考となる情報を提供することを目的としている。

 金融商品取引法は、株主や社債債権者のような投資家が多数いる会社に対し、投資家が株式や社債を売買するのに資する情報を提供させることを目的としている。このように開示の目的が異なる以上、開示を要する情報が完全に一致することはありえない。たとえば、有価証券報告書中の経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュフォローの状況の分析や事業等のリスクは、投資者の投資判断にとって必要な情報であり、会社法の目的からは開示義務を導けないものである。企業の開示コストを減らすために二度手間を省くことは重要だが、一体的開示を強調するあまり、会社法又は金商法の目的から導かれる情報開示を交替させることがあってはならない。」

 有名な議論ではありますが、整理のために紹介させていただきました。

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