🚓 書籍紹介(交通事故)

🏩 書籍紹介(労働・労災)

🏠 書籍紹介(不動産・建築)

📚 書籍紹介(法律)

🚚 書籍紹介(流通)

« 2026年4月 | トップページ

2026年5月

2026年5月18日 (月)

【弁護士考】 これって、クライアントのためになるのかな?

 「自由と正義」4月号に、いつものように懲戒処分事例が公告されていました。

 その中で、あまり見ないようなケースが掲載されていました。

 被懲戒者は、2024年6月18日、申立人代理人を務めていた面会交流調停申立事件の期日の席上で、同席していた調停委員2名、及び調査官に対し「このままだと私が子どもをあやめます」「そして俺が死にます。前回期日後服薬したから」「調停委員も調査官も本気でやれ、お前らも俺と同じように服薬しろ」と発言した。

 また、被懲戒者は、同年7月3日、上記調停の期日において、上記の発言について担当裁判官Aから注意を受けたところ、同月4日、裁判所庁舎内の裁判官室前の廊下の床上に、市販の風邪薬の空き瓶が在中する外箱上蓋に、A裁判官充てに、一般服用した旨記した付せん紙を貼付したものを1個置いて立ち去った

 一瞬、被懲戒者である弁護士が当事者の事案かと思いました。当事者なので、感情が理性を抑えきれなくなったのかなと。。。

 しかし、代理人のようです。

 ここまで感情を高ぶらせておりますので、裁判所の対応にも何か問題があったのかもしれません。

 しかし、親子交流の調整ですので、子の利益を一番に考えて、どのような親子交流が子の利益になるのかと、冷静に裁判所を説得しなければなりません。

 代理人までは感情の赴くままに脅かすような言動は、やはり弁護士としての品位を損なうものといえます。

 

20260418_172719378
(福岡) 

 さて、4月号の登録取消に、小松陽一郎先生がお亡くなりになっていることが記載されていました。小松陽一郎先生は、我が国の知的財産権の分野での第一人者として評価されてきた弁護士です。20年以上前の日弁連法務財団が主催された大阪の知財研修会では大変お世話になりました。

 大変な勉強家でありながら、小松先生のご紹介で、知財研修の弁護士・弁理士の先生方と京都との茶屋を訪ねたことがあります。

 立命館大学法科大学院の法廷を利用した講義もありましたね😅

 ただし、結局、地方では知財の案件はほとんど相談がなく、結局、その分野ではほとんど携わることができずに終わってしまいました。

 あのころは30歳位の新進気鋭の弁護士だった田舎弁護士がもう還暦間近な老弁になりかかっているわけですので、時の流れの速さを感じます。

 ご冥福をお祈りいたします。 

2026年5月17日 (日)

【相続】 裁判例からみた祭祀承継の審判・訴訟の実務(日本加除出版)

 日本加除出版から出されている「裁判例からみた祭祀承継の審判・訴訟の実務」です。

 2015年に出版された書籍で、すでに持っていたのですが、オンデマンドとして2025年10月との記載があったので、最新刊かなと思って購入したところ、2015年のままでした😵

 皆さんも、気をつけて下さい。

 ところで、祭祀承継の指定ですが、田舎弁護士は30年近く弁護士をしておりますが、争われたケースは経験したことはありません。もちろん、遺産分割事件の際に揉めている案件なので念のために祭祀承継者を決めておくということはありました。

 現在は家制度が壊れており、また、家族葬、永代供養というのも増えておりますので、余りトラブルにならないのでしょう。

 ただ、オウム真理教松本元死刑囚の遺骨訴訟において、遺骨の所有者から保管者(国)に対する遺骨の引渡の請求が認められた裁判例はマスコミで報道されたので、まだ目新しいと思います

 1審も2審も国が負けています。

 国は最高裁の上告しております。権利濫用が認められるかどうかが争点です。

 なお、本書ですが4月5日時点でリーガルライブラリーには収録されていないようです。  

 

2026年5月16日 (土)

【流通】なぜ野菜売り場は入り口にあるのか (朝日新書)

 朝日新書から出版された「なぜ野菜売り場は入り口にあるのか スーパーマーケットで経済がわかる」を購読しました。

 最先端で且つ深いお話がわかりやすく解説されていました。

 (はじめに)「世界的な人口増加や新興国の中間層拡大が進んだ結果、食料資源の不足が懸念されている。地球温暖化防止やSDGs(持続可能な開発目標)の達成、ESG(環境・社会・統治)投資が叫ばれる中、スーパーマーケットにも持続可能性(サステナビリティ)経営が求められる。こうした課題に対応するため、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいる。AIを活用した在庫管理や需要予想の精度向上セルフレジの普及により、スーパーマーケットの運営効率は飛躍的に改善している。人手不足が深刻化する中、技術革新は生産性を向上させるカギであると東寺に、来店客に新たな購買体験を提供する。本書では、筆者の取材経験を基にスーパーマーケットの売り場が映し出す社会的・経済的な課題を描きつつ、食と健康、地域社会が抱える課題、生活者に求められる役割を考察する。特に、サステナビリティやDXの重要性を踏まえ、未来のスーパーマーケットが果たすべき課題解決の方向性を提言している。」P8

 (スーパーマーケットの売り場の秘密)「生活者の心理や行動を反映し、売り場作りを工夫することをインストアマーチャンダイジングと呼ぶ。たとえば、売れ筋商品や買ってもらいたい商品はゴールデンゾーンに並べるのが鉄則だ。ゴールデンゾーンとは、消費者の目線の高さに配置された陳列線のこと。」「ゴールデンゾーンにどんな商品を並べているかを見るだけで、その店の雛揃えレベルがわかる。繁盛店ではトレンドを抑えた新商品や人気商品、売れ筋商品などがならぶ」P40

 「店の中をくまなく巡ってもらえれば、商品に触れる機会が増え、売上につながりやすい。来店客を店の奥へ奥へと誘導するためのカギとなるのは、マグネット(磁石)と呼ばれる商品や戦略だ。特にインストアマーチャンダイジングではワンウェイコントロール(店内動線を管理することで来店客を効果的に誘導する)という考え方を重んじる。スムーズに来店客を誘導するために、各売り場にマグネットを配置するのだ。」P42

 (現代人の食生活6つのニーズ)「現在の生活者は、ライフスタイルや価値観の多様性に伴い、食生活に対するニーズも多様化している。これらのニーズに的確に応え、幅広い商品ラインナップを提供できなければ、これkらのスーパーマーケットが生き残るのは難しいだろう。現代の生活者の食生活ニーズの特徴は6つに分類できる。」「即食ニーズ」「準即食ニーズ」「買い足しニーズ」「簡単ニーズ」「手作りニーズ」「プチご褒美ニーズ」P46

 (スーパーのライバルとしてのドラックストア)「ピーター・ドラッカーは、構造変化はその産業の外にいる者に例外的というべき機会を与えるが、産業内にいる者には同じ変化が驚異と映る(イノベーションと企業家精神)。と指摘した。業界というものは、そこで長年働いている者には安定していて不変のように見える。だが、産業構造は意外にもろい。日本の電機業界を語るまでもなく、ときにあっけなく崩壊するのだ。スーパーマーケットが担っていた食品販売の主要チャンネルという役割を維持するためには、業態化の競争に品揃えやサービスで勝っていかなければならない」P131

 (2割のお得意客で利益の8割を稼ぎ出す)「価格だけではなく、ターゲットの顧客をどう設定するかも重要な要素だ。特売商品だけを買いに来るチェリーピッカーと呼ばれる客を相手にしていては、利益は上がらない。ドロシーレーンの法則のように価格や商品構成を上手にミックスする戦略が生き残りには欠かせない。こてと並行して注目したいのがパレートの法則だ。全体の20%の顧客で利益の80%を稼ぐという考え方だ。優良顧客に対して手厚いサービスをすることで、価格に関係なく幅広い商品を継続的に買ってくれるファンを育てる。それによって収益を確保することが生き残り戦略に必要なのだ」、「利益貢献度が高い上位20%の優良顧客に対し、それ相当のサービスを還元し、他店に流れないようにするための手段として、小売業ではFSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)という手法が知られる。」P147

(選択肢は多すぎると逆効果)「選択の科学で有名なコロンビア大学教授のシーナーアイエンガー氏は、選択肢が多いければ多いほど、顧客の購買意欲は低下するという研究成果を発表している」、「人間には自分の経験や記憶を基に、深く考えずにパパッと判断してしまう傾向がある。これは行動経済学でヒューリックティクスという決定行動だ」、「何か一点秀でたものがあったり、目立つ特徴があったりすると、それに意識が引きつけられて全体的な判断に影響してしまうこともある。心理学の世界ではこれをハロー効果」と呼ぶ。P149 

 (高級化で差をつけるライフ)「岩崎社長によれば、1953年に紀ノ国屋がセルフサービス方式を導入して始まった日本のスーパーマーケットの歴史は、2000年に西友が日本初のネットスーパを開業して第2世代を迎え、ビオラルのようなオーガニック系スーパーマケットが台頭して第3世代に突入した。恵比寿ガーデンプライス店は、第1世代から第3世代をシームレスにつないだ第4世代の確立を目指している」P197

 まさにスーパーは、日本社会の縮図ともいえると思います。

 さて、我が弁護士業界においてはどのような状態でしょうか。

 明治時代に出来た代言人制度が第一世代とすると、弁護士自治を獲得した戦後の弁護士業界が第2世代、長らくの間広告が禁止され、また、司法試験合格者も極端に少なかったことから、第2世代が長く続きました。ところが、30年近く前に司法改革の名の下で、広告が解禁となり、司法試験合格者の数も増加され、弁護士が市場競争の中に放り込まれることになりました。これが、第3世代でしょう。

 そして、今月からは、民事訴訟のITが完全実施され、デジタルを使いこなせない古いタイプの弁護士はそもそも法廷業務を取り扱うことはできなくなりました。いよいよ第4世代の到来です。

 このような状況で、地方のマチ弁が生き残り、それなりに発展するためには、何が必要かが問われています。

 裁判所の期日掲示板を見ても、代理人弁護士の名前が今治支部の弁護士ではないことが多くなっております。

 利用者のニーズとしては、①手軽さ、②誠実な対応、③希望している内容での解決、④費用の安価、⑤処理の速さであろうと思います。

 ただ、他方で、弁護士を依頼する方も、人生に1回か2回くらいしかないので、このニーズについては、体験知として得ることが困難だろうと思います。

 そうすると、これらのニーズについては、(1)HP等で広告で表示、(2)初回打合せでの雰囲気などで想像するしかありません。

 しかしながら、利用者の思いと実際は異なることが少なくないというのは言わずもがなです。

 そうなると、他の利用者が依頼した弁護士にどうだったのかということになると、グーグルの口コミなどが今後は大いに参考にされることになると思います。そこには他の利用者の体験知を得ることができますから。

 もっとも、弁護士の場合も医師と同じで、誠実に対応しても、評価が低い口コミを入れる方はいます。これについては、その口コミの内容や弁護士の説明等を見て判断することになろうと思います。

 田舎弁護士の場合は、ニーズのうち、④費用の安価は対応難しいですね。 交通事故、離婚、相続は、1件1件手作り案件となりますので。  

                         

2026年5月15日 (金)

【相続】 非典型財産の相続実務 

 新日本法規から出版された「非典型財産の相続実務」です。

 昔からある難儀な財産から、最新のあまりよくわかっていない財産まで、幅広く取り上げられています。

 最近のといえば、iDECO(個人型確定拠出年金)とか、暗号資産等は、散見されることが増えました。

 航空会社のマイルやクレジットカードのポイント等も財産分与の対象財産になるかというご相談を受けたこともあります。相続の関係ではマイルは対象となる可能性があるものの、クレジットカードのポイントは難しそうです。

 それと、田舎弁護士が生活している街は長い海岸があることから、小型船舶についての相続もあります

 漁船でない小型船舶については、まず小型船舶郎特原簿に登録を受ける必要があります。そして、相続ということになれば、日本小型船舶検査機構に必要な書類を提出して行います。

 漁船の場合は、漁船原簿に登録を受けたものでなければ使用できず、漁船の登録は所有者が死亡したときに効力を失います。従って、登録のとりなおしが必要になります。

 まあよくもここまで広く調べ上げたものです。 

                              

2026年5月14日 (木)

【離婚】 共同親権 エトセトラ 😅

 「家庭の法と裁判 61号」で掲載されている特集改正家族法施行と実務支援の在り方です。

 改正家族法施行を受けて、いくつかの書式の解説が掲載されていました。

 まずは、申立書は、夫婦関係調停、親権行使者指定、監護者指定、親権者変更、養育費、また、 事情説明書についても、親権行使者指定(在学関係)、親権者変更の書式と解説でした。

 さらに、Q&A形式の解説資料(民放編)と、(行政手続・支援編)についても、令和8年1月14日に改訂されていますので、その改訂版が掲載されていました。

 最近よくご相談を受ける「子連れ別居」についての解説は、個別具体的な事情によっては、父母相互の人格尊重・協力義務に違反すると評価される場合があると記載されていました。

 離婚後の親権者の指定についても、裁判所は、子の利益の観点から最善の判断をすることが求められると説明されているだけです。

 いずれにせよ、離婚後に共同親権ということになった場合は、親権の行使の方法を巡って両親で協議しなければならない場面は圧倒的に増えると予想され、また、その話合いも難しいことが想定されますので、家裁の仕事は爆発的に増えるのでは?と思っています。

 

                             

2026年5月13日 (水)

【弁護士考】 若林昌子さん

 「家庭の法と裁判」61号で連載掲載の「家裁のひとびと」第1回です。

 今回は、若林昌子さんです。昭和9年生まれで、地裁、家裁を経て、熊本家裁、福岡家裁の所長を歴任され、退官後は明治大学教授、日本女性法律家協会会長を務められた方です。

 NHKの「虎に翼」の「戦後の東京地裁で、寅子を募って一緒にお弁当を食べる秋山真理子という新任判事補」のモデルになった方でもあります。

 裁判官に任官されたのは、検察修習の雰囲気や弁護修習への失望、裁判所修習においての素晴らしい合議等裁判官の職務の在り方に感銘を受けたことによります。

 なお、離婚調停の際に、子どもが2人いる父母が一人ずつ親権者になるという意向だったのを、双方の代理人弁護士が兄弟は一緒に育つことが子の最善の利益という意見で、審判に移行して兄弟不分離原則が認められた審判をしたようです。依頼人をここまで依頼人を説得できる気骨のある弁護士は減少したように思います。「依頼人によりそう」ということが過度に強調されているように思っております。

 さて、「女に裁判官は務まらない」と司法研修所の教官が公言するような時代に生きてこられました。

 良い先輩に巡り会えて、裁判所に長く勤められたんだなと思いました。

 なお、難しい事件を多く経験すること、それが実務能力の充実となり、裁判官の重責を果たすことができるとアドバイスされていることについては、参考になろうと思います。

 さて、第2回目は誰が紹介されるのだろうか😅

 

                            

2026年5月11日 (月)

【離婚】有責配偶者である夫から妻に対する離婚請求につき、同居期間が27~28年に対し、別居期間が形式的に約7年9月~8年2月である場合において、別居期間中、夫婦が完全な別居状態あるいは夫婦関係が断絶した状態にあったわけではないなどとして、夫の離婚請求が信義誠実の原則に反し許されないとされた事例

 「家庭の法と裁判」61号掲載の大阪高裁令和4年8月24日判決です。

 第1審も、第2審も、夫Aが妻Bに負けています。

 第2審では、AB間の婚姻関係の破綻及びAが有責配偶者であることを認定した上で、

 同居期間が27~28年に対して別居期間が形式的に約7年9月~8年2月となっていることについては、Aが別居後も三男と夕食を共にするため、Bの不在時に自宅を週2回程訪ねていたこと、AとBは三男やAの母のことで連絡をとりあったり長男の家族との会食で一緒に参加したり二男の結婚式の際に一緒にあいさつをしたりAの母親の法要等に一緒に参加したりするなど、夫婦としての行動・対応も一定程度していたことなどの事実を認定し、前記別居期間中、AとBが完全な別居状態あるいは夫婦関係が断絶した状態にあったわけではないと評価し、

 さらに、別居期間による時間の経過によっても、Aの有責行為に対する社会的意味ないし評価が希薄化したとか、新たに保護すべき必要性の高い生活環境が形成されたなどということはできないと述べて、Aの離婚請求が信義誠実の原則に反し許されないと判断されました。

 全くの没交渉にしておれば、離婚が認められたかもしれませんが、三男との交流はなかったでしょうから難しいところです。

 

 

                              

2026年5月10日 (日)

【行政】 行政不服審査制度を勉強するにはどうする😅

 行政不服審査制度は、市民が受けた違法又は不当な処分に関する不服申立ての制度であり、行政機関に対して救済を求める制度です。例えば、営業許可の申請に対し拒否されるとその取消を求めたり、業務停止命令を出されたことに対する不服申立が典型的な例といます。

 行政不服審査法は、国・自治体の機関に関係なく適用される一般法です。

 違法だけでなく、不当性についても争うことができます。

 田舎弁護士は、行政不服審査制度を利用したことはほとんどありません。しかし、行政法務を携わる者としては勉強しておく必要があります。

 行政LMS基本争訟法務(信山社)第1部自治体行政不服審査は、コンパクトながらわかりやすく説明されているように思います。

 そこで、我が町である今治市の「審査請求」について見てみたところ、今治市のHPにわかりやすく纏めたものが掲載されていました。

  また、今治市の裁決例や答申例についても、総務省のHPで確認ができます。

  行政不服審査制度のメリットは、①訴訟の提起に伴う時間・弁護士費用など諸種の負担を減らすことができること、②本制度が簡易迅速な解決を狙うため早期の紛争解決につながりうることが挙げられています。

  不服手続としては、審査請求がメインとなります。処分庁が行った処分を処分庁でない審査庁が審理し裁決を行うという構造です。

  審査庁は、処分庁の上級行政庁となりますが、客観的な審理のために、審理員を指名することになっております。

  また、審理庁から諮問を受けた行政不服審査会が事案を審理して、その結果を答申によって公表し、それを踏まえて、裁決庁において裁決することになります。

  但し、審査会への諮問を行わないのは、令和元年のデータでは約80%となっております。

  今治市の裁決例では、情報公開条例関連が大部分を占めているようです。

  また、答申は、地方税法、市営住宅条例、情報公開の資料複写料に関するものとなっております。 

 

2026年5月 9日 (土)

【行政】行政LMS 公文書管理 自治体条例制定・文書管理保存実務

 令和5年に信山社から出版された行政LMS「公文書管理」自治体条例制定・文書管理保存実務 です。

   公文書を理解するためには、まず、公文書の種類として、①現用文書と②非現用文書を理解する必要があります。

 現用文書は、行政機関が組織的に共用している文書であり、保存・管理(整理)された状態にあるものであって、情報公開・個人情報保護制度に基づく開示等請求の対象となる文書をいいます。

 他方、非現用文書は、行政機関が組織的な共用を終え、行政機関又は公文書館等に移管され保存・管理(整理)された状態にあるものであり、歴史的意義を有する文書として第三者等からの利用請求(閲覧請求)に供する文書をいいます。

 国において公文書管理法が制定されたのは2009年です。他方、公用文書管理法は自治体に制度の一元化を求めていないために、個々に制度設計が行われている状態です。

 条例化までされているのは、令和4年4月現在で、1694団体中、都道府県が15団体、市町村が38団体にとどまっております。

 利用請求制度と審査請求との関係で言えば、現用文書であれば、情報公開制度では、行政不服審査法上、非開示決定の取消を求める審査請求が可能です。これに対して、非現用文書については、公文書管理法上は、審査請求があるものの、自治体においては同様とは言えない点に注意が必要となります。つまり、自治体によって公文書管理条例が制定されていないなど、当局の判断に法的根拠がない場合には審査請求ができないという結論となります。

  

 愛媛県では、平成30年に愛媛県公文書の管理に関する条例を定めております。ただ、利用請求制度の定めがないように思われます。

 宮城県では、利用請求権も、明確に定めております。

 

2026年5月 8日 (金)

【金融。企業法務】LPガス販売店のための法律Q&A 第6版

 一般的なマチ弁業務の弁護士にとっては、ほとんど目にすることはないノラ社の書籍です。

 2021年に発行されました「LPガス販売店のための法律Q&A」第6版です。

 大変マイナーな書籍のために、高いです。第5版でも9900円でしたが、第6版は、単行本では2万円近くします。

 ただし、類書がノラ社の書籍しかないんですよね。

   なお、この書籍を購入された方の特典として、「読者ページ」の閲覧ができます。最新の裁判例やQ&Aの追加を補充されています。

 弁護士が読者であれば、第2部の契約から読んでいくことになります。

 まずは、契約については、LPガス供給契約、設備貸与契約、また、解約(切り替え)については、「一週間ルール」、解約の申入、切り替え、設備の精算、切替の撤回、営業チラシなど盛りだくさんです。

 また、クーリンゴオフ、ガス料金滞納への対応等についても、わかりやすく、かつ、コンパクトに説明されています。

 LPガスを取り扱う顧問先や重要な取引先である弁護士は、購入して一読されていた方がよいように思います。

 

LPガス販売店のための法律Q&A第6版 [ 松山正一 ]

2026年5月 7日 (木)

【労働・労災】 職場のハラスメント相談と通報  対策ハンドブック

 今年の1月に出版された「職場のハラスメント相談と通報 対策ハンドブック」です。

 ハラスメントの解説は山ほどありますが、通報制度と関連して説明されているものは比較的少ないのでその意味では役に立ちそうです。

 特にパワハラ案件は通報件数のかなりの割合を占めていることが多いのではないかと想像しております。

 それと、最後の方に、レイハラ(人種、肌の色、宗教、国籍等に基づく不快な行為)に言及されていたのは、外国人労働者が増えている現状を考えると、今後の将来の新しいハラスメントとして規制されることになるのではないかと思いました。

 例えば、「日本語が上手だね」ということも、国籍についての差別的な発言として、パワハラの一種である精神的な攻撃と考えられていますと説明しています。

 もともと労働基準法第3条は、国籍を理由としての差別的取り扱いは禁止されていますので、なおさらです。

 いわゆる昭和の感覚は今では通用しないということを肝に銘じておく必要がありそうですね。

 

2026年5月 6日 (水)

【知的財産権】 はじめての知財法務

 弁護士知財ネットが編集している今年の1月に出版された「はじめての知財法務」を購入しました。

 知財を渦中押した企業担当者・知財初学者の必携書と説明のとおり、回答も1頁から2頁程度にとどめる等されており、コンパクトで読みやすいと感じました。

 弁護士知財ネットは昨年で創立20周年を迎えました。

 弁護士知財ネットが産まれたころ、田舎弁護士も法務研究財団の知財研修を受けに、東京や大阪の会場まで訪ねて講義を受けにいっており(始発の飛行機に乗り、最終便の飛行機で帰るというスケジュールでした。)、その縁で、当時創立されたばかりの知財ネットの四国地方を代表して理事に就任したことがあります。しばらくは、勤務弁護士に弁理士の資格をとってもらい商標の登録等もしておりました。ただ、知財の相談は年に数件程なく、そのころはちょうど過払い金バブルのころでもあったことや、複数の損保会社から依頼を受けた交通事故事案が急増していたために、次第に縁が薄くなり、数年前に知財ネットも退会してしまいました。

 先ほど知財ネットの愛媛で登録されている弁護士を確認しましたが、私が会員だったころを比べると半分くらいに減っていますね。

 時間がさらに経過し、過払いバブルがはじけて過払い金の案件はなくなり(現在は過払い金についても相談も受け付けておりません)、また、加害者側の交通事故事案もなくなり、他方で、企業や団体の顧問先が大幅に増えたために、ボツボツと、知財がらみの相談があります。

 ただ、圧倒的に、著作権関連が多くて、まれに商標とか意匠ですね。

 さて、本書は、200問の質問とコンパクトな回答でまとめられており、読みやすいと感じました。

 例えば、Q150共同開発契約「新技術の開発を他社で共同で行うことを予定しております。開発の結果、発明が完成した場合、特許を受ける権利はどうなりますか。また、契約書にはどのような事項を規定すべきでしょうか。」、Q151問製造委託契約「他社に製造を委託した商品について発明が創作された場合、その特許を受ける権利は誰に帰属しますか。また、製造委託基本契約書のチェックにあたって留意点を教えてください」などは、実務上参考になりました。 

 

2026年5月 5日 (火)

【金融・企業法務】 令和8年10月1日からカスハラ対策が義務化されます。

 令和8年10月1日から、改正労働施策総合推進法の施行に伴い、カスハラ対策が義務化されることになります。

 職場におけるカスハラの定義です。

 職場において行われる

 ①顧客等の言動であって、

 ②その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、

 ③労働者の就業環境が害されるもの

 であり、①~③の要素を全て満たすものといいます。

 ※顧客とは、顧客、取引の相手方、施設(駅、空港、病院、学校、福祉施設、公共施設等)の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係する者を指します。(今後商品の購入やサービスの利用等をする可能性もある者も含みます)

 ※社会通念上許容あれる範囲を超えた言動の例

  A 言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えるもの

    ・そもそも要求に理由がない又は商品・サービス等と全く関係のない要求

    ・契約等により想定しているサービスを著しく超える要求

    ・対応が著しく困難又は対応が不可能な要求

    ・不当な損害賠償要求

  B 手段や太陽が社会通念上許容される範囲を超えるもの

20251115_195853_20260408132501
(東陽町のイタリアン)
★★★カスハラの防止のために講ずべき措置
 
 ★事業主の方針等の明確化及び周知・啓発
  ①カスハラには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発する
  ②カスハラの内容及びあらかじめ定めた対処の内容を、労働者に周知する
 ★相談体制の整備
  ③相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知する
  ④相談窓口担当者が、適切に対応できるようにする
 ★事後の迅速かつ適切な対応
  ⑤事実関係を迅速かつ正確に確認する
  ⑥被害者に対する配慮のための措置を行う
  ⑦再発防止に向けた措置を講ずる
 ★対応の実効性を確保するために必要なカスハラ防止のための措置
  ⑧特に悪質と考えられるカスハラへの対処の方針をあらかじめ定め、労働者に周知し、当該対処を行うことができる体制を整備する
  
 ★そのほか併せて講ずべき措置
  ⑨相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、労働者に周知する
  ⑩相談したこと等を理由として不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知する
 
 以上は、厚労省のパンフレットからでした😅

 

2026年5月 4日 (月)

【労働・労災】 書式労働事件の実務 第2版

 書式労働事件の実務 第2版です。

 2回目の説明です。

 出張の際に、ざっと流し読みしました。

 この書籍は、400頁をこえますが、やはり、ざっと全体を見ておいた方がいいと思いました。

 例えば、普通解雇(能力不足・適格性欠如・勤務態度不良等)のケースでは、

 Ⅰ 訴訟として、1 訴訟物から始まり、2請求の趣旨、3要件事実、4附属書類、5管轄、6証拠関係、7上訴、8和解、Ⅱ仮処分、Ⅲ労働審判等、書式を含めて一通りの説明がされています。

 また、論点については余り触れられておらず、通説判例をベースに書かれている点も、使い勝手がいいように感じました。

  

2026年5月 3日 (日)

【金融・企業法務】 監査役になったら

 出張の時には、専門書を5~6冊ほど持参しております。ただ、現実には、2冊、多くても3冊くらいしか消化できません。

 今回の出張もそうでした。

 ただ、本を読まないといけないために、外出して日本酒バーにいくことは少なくなりました。

 食事も弁当をすませて、リーガ広島であればプールで泳いでということになります(一休のダイヤモンド会員であればプール利用が無料となります)

 今回は、商事法務から1月に出版された「監査役になったら。」を購入しました。また、ついでに、著者の監査法務研究会のメール登録会員の申請を行いました。

 当たり前のことが、わかりやすく、解説されているのが、経験を多少積んでいる田舎弁護士にとっても、立ち位置を再確認できるなど、反対に新鮮に感じました。

 監査役が取締役会の議決権がない理由については、P4にて説明がされています。

 「取締役は取締役会での議決権を有しておりますが、監査役は取締役会に出席して取締役(会)の職務を監視・検証するため、議決権を有しておりません。これは自己監査に陥らないようにするためです。」

 ふむふむ😅

 では、監査等委員会設置会社の監査等委員はどうなの?

 これについても、P23で説明がされています。

 「勘の良い方ですと、監査等委員は取締役なので、自ら監査するのか、自己監査になるのではないか という疑問があろうかと思います。

 たしかに自己監査になることは否めないかもしれませんが、少なくとも自己監督を軽減することは可能です。つまり、取締役会では経営の基本方針等の大きな決定を行い、具体的な案件の意思決定は経営会議等の業務執行会議体に任せるという方法があります。」

 それと、監査役の職務、アイデンティティとは?というcoffeeBreakがあります。

 株主から監査役に最も期待されている役割は、不祥事の発生を可能な限り防止する、あるいは発生時の損害を最小限にするための予防監査であると一言でまとめていますが、まさにそうです。

 会社業績は順調か、不採算事業の解決先送りはないか、M&Aや新規事業投資の検討プロセスと内容は妥当か、慢性的長時間労働や過大な退職者等の深刻な労務課題はないか、情報システムトラブルの予防策は十分か、内部統制システムは有効に機能しているか等々

 この役割を果たすためには、経営者と同じレベルの目線で会社をみることが重要だと説明しています。

 予防監査の環境整備が重要です。

 よい本に巡り会えると、幸せになりますね。

2026年5月 2日 (土)

【金融・企業法務】 6500号記念 業種別デュー・ディリジェンス実務ハンドブック 第2版

 本日で、「田舎弁護士の訟廷日誌」も、6500号となります。毎日執筆ということであれば約18年分になります。実は、田舎弁護士の息子ちゃんが、このブログの愛読者ということがわかりました😅 

 さて、今回は、中央経済社の「業種別デュー・ディリジェンス実務ハンドブック第2版」です。リーガルライブラリーにも収録されていました。

 業種別の中に、「第2章 小売業」が設けられております。その「はじめに」の中に、「令和4年3月1日、イオンの参加であるマックスバリュ西日本と中四国地方にて総合スーパー・マーケット等を運営するフジは、株式交換により、フジが親会社となり、マックスバリュ西日本が子会社となる持株会社体制への移行を完了した。」と紹介されています。

 さて、法務DDの具体的なチェックポイントの解説を少しみていきたいと思います。

1 事業

 (1)事業上の契約の類型

 →①商品の仕入れ契約、②商品の製造や加工を第三者に委託する業務委託契約、③配送センターおよび商品の各店舗への配送にかかる契約、④消費者との間で適用される規約を中心に検討

(2)仕入れ先・業務委託先との契約

 ア 取引保証金を預託する義務を負う契約の存在

 イ PB商品の製造委託における留意点

 ウ 配送センターおよび配送に関する契約関係

(3) 消費者との間の会員規約等

2 資産

(1)各店舗の権利関係

 →第三者から賃借している場合には、確認すべき点は多い。

(2)テナントとの間の賃貸借契約の確認

(3)テナントとの関係における名板貸責任

3 許認可・コンプライアンス

(1)管理体制

(2)食品衛生関連

ア 食品衛生管理状況

イ 食品衛生法の遵守状況

  →HACCP

(3)食糧法に基づく届出

(4)たばこ事業法

ア 小売販売業許可に付された条件の遵守状況

イ 定価販売義務

(5)酒税法・酒類業組合法

ア 酒類販売業の免許

イ 酒類販売管理者の選任等

(6)20歳未満のものへの対応

(7)商品券・ポイントサービス等に係る規制

(8)大規模小売店舗新設届出および都市計画法

(9)表示規制

ア 概要

イ 二重価格表示

ウ PB商品に係る表示の責任

(10)個人情報管理

(11)取適法

4 労務

(1)名ばかり管理職

(2)各店舗・各営業所

(3)均衡待遇・均等待遇

5 環境

(1)廃棄物処理法

(2)リサイクル関連法令

 

→ このような書籍があると、M&Aの視点が明確になるので、参考になりますね😅 

 

 

2026年5月 1日 (金)

【法律その他】 Q&A任意後見の実務と裁判例

 日本加除出版から22年5月に出版されました「Q&A任意後見の実務と裁判例」を購入しました。なお、リーガルライブラリーに収録されています。

 最近ですが、中高年や高齢の経営者の方から、事業承継のご相談やご依頼が増えています。

 やはり中心は、後継者への円滑な事業承継がテーマであるため、会社の定款等の変更、規程の作成、遺言書等のサポートが中心になります。

 また、円滑な事業承継を損なう事象は、死亡だけではありません。例えば、病気等により意思表示ができない場合にも、大きな問題が発生します。そのための制度として、任意後見という制度がありますが、あまりみたことがありません。弁護士や司法書士のサポートのない任意後見の場合は、受任者が委任者の財産を取り込んでいるというような事象もあるようです。信頼できる人間に託することが必要です。

 もっとも、「任意後見契約」の作成作りまで関与したことはなく、弁護士会の研修においては、法定後見の研修はあっても、任意後見の研修は田舎弁護士はきいたことはないため、知見が乏しい分野ともいえます。

 そこで、第一線で活躍された実務家の方が執筆されている本書を購入するに至ったわけです。

 

« 2026年4月 | トップページ

2026年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

🏦 書籍紹介(企業法務・金融)

無料ブログはココログ