【金融・企業法務】 ストーリーでわかる内部通報対応と事実認定(日本加除出版)
日本加除出版から先月「ストーリーでわかる内部通報対応と事実認定」が出版されました。
まず、ストーリー編として、①パワハラ、②セクハラ、③不正会計の3テーマを題材として、実務Q&Aと関連付けて、解説されています。
このストーリーの内容がいずれのテーマも面白いかったです。いわゆる「序破急」の展開です。ドキドキしました。
ネタバレになりますので、ここでは紹介しません😅
さて、実務Q&Aのうち、特に押さえておくべきと感じたQ&AのQを紹介します。
Q6(就業規則の確認)内部通報の調査を行う際に、就業規則上存在していると助かる条項等はありますか。もしあれば、事前に就業規則に規定しておきたいと思います。
Q14(不正の目的による通報)社内での立場を悪くさせようなどとの悪意を持って特段問題のない従業員に対し、内部通報が行われました。このように内部通報制度を悪用した通報者に対して、どのような対応をすべきでしょうか。
Q25(調査計画の策定)これから内部通報の調査を行うため、調査計画書を作成しようと考えています。どのような点に注意して調査計画を作成すればよいでしょうか。★「調査計画書のサンプル」有
Q29(従業員の自宅待機命令)内部調査の対象者が出勤して都合の悪い証拠を隠滅してしまうことが想定される場合、出勤停止にすることはできるでしょうか。また、その間の給料は支払わなくてはならないでしょうか。
Q33(質問事項リストの作成)内部調査において関係者にヒアリングを行う際、事前にどのような質問事項リストを作成しておくべきでしょうか。 ★「質問事項リスト」有
Q42(ヒアリング概要書の作成)ヒアリングを実施しましたが、聴取した内容をどのような形でまとめておくべきでしょうか。★ヒアリング概要書のサンプル有
Q50(パスワードの管理)当社では、各従業員が利用しているパスコンや携帯電話などの端末のパスワードを各従業員の判断に任せており、その内容を会社が把握しておりません。このような場合、どのような問題が生じ得るでしょうか。
Q51(私物の調査)内部調査において従業員の私物を調査することができるでしょうか。また、調査を行う場合には、どのような点に注意しなければなりませんか。 ★私物調査の同意書のサンプル
Q62(調査対象者の退職届)内部通報の調査対象者にヒアリングを行おうとしたところ、その調査対象者から退職届が提出されました。この退職届をどのように取り扱うべきでしょうか。
Q69(モニタリング規程の整備)当社には業務用に貸与しているパスコンや携帯電話の内容を随時閲覧・監視するということを明確に認める規程が存在しません。このような場合、内部調査においてどのような支障が生じ得るでしょうか。 ★モニタリング規程のサンプル 有
Q75(調査報告書の作成)内部通報の調査が終了し、調査報告書を作成しなければなりません。調査報告書には社内決裁や処分の決定のために必要となるのですが、どのような点に注意して作成すればよいでしょうか。 ★調査報告書のサンプル 有
Q89(役員に対する処分)取締役がハラスメント行為をしていた場合、会社は懲戒処分を下すことができるでしょうか。もしできないとすれば、どのような処分を行うことができるのでしょうか。 ★役員懲罰規程のサンプル 有
Q90(退職金の取扱)不正調査を行っていたところ、調査対象の従業員が辞めてしまいました。このような従業員に対して退職金を支給しなければならないでしょうか。 ★退職金不支給・減額に関する条項例のサンプル有
Q92(被害弁償に応じる場合)加害者が不正行為を認め、任意に損害の賠償に応じる場合、どのような点に注意して対応すべきでしょうか。★損害賠償に関する合意書のサンプル 有
その他、Q95証券取引所の対応、Q96監査法人対応、Q97適時開示の対応、Q98株価の影響、Q99追徴課税の可能性、Q100課徴金の可能性などについては、執筆者が弁護士資格だけではなく公認会計士の資格も有する法律事務所による執筆ならではの質問です。
これまで多数の内部通報の書籍を購読してきましたが、本書が一番面白く読めました😅
内部通報窓口ですが、1件通報があった場合でも、そのために対応する時間は延べ数十時間は必要なものが多いです。担当者の方も通報の対象分野が広いために負担は小さなものではありません。通報制度の機能強化は必要ですが、他方で、受付、調査、報告書作成等において効率的な仕組みも必要かと思います。
この書籍はそのような仕組みについても書式等を含めて提供されており、参考になります。
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