【金融・企業法務】 エア・ウォーターの不適切な会計処理
4月3日に、エアー・ウォーターは、損失計上の先送りなど不適切な会計処理をめぐり、外部専門家による特別調査委員会から受領した最終の調査報告書を公表しました。
公表版は枚数が多いので、概要版をみてみたいと思います。
まず、驚いたのは、調査妨害行為等がみられたということです。そのため、社内リニエンシー制度を導入しての調査ということになりました。
巨額の不適切な会計処理が認定されたわけですが、その原因として複数指摘されています。
第1は、売上・利益成長至上主義の目標設定、過度なプレッシャーの存在をあげています。
経営トップ又はその意向を受けたマネジメント層による業績への過度のプレッシャーは、業績目標自体が必ずしも当社グループの実力を反映しない過大な数値となっていた可能性があることを考え合わせれば、対象となる役職員に相当強い心理的負荷を与えるものであったといえ、当社グループで行われた不適切な会計処理の主要な原因であったと考えられると指摘されています。
第2は、人事権を背景にした経営トップへの権力集中をあげています。
幹部役職員の人事的処遇についてFg氏に実質的権限が集中していたことも、役職員が予算未達や赤字決算といった経営トップが望まない報告を行うことで人事的に不利な処遇を受けることを危惧して、不適切な会計処理を実行する原因になったと指摘されています。
第3は、成長/M&A戦略の歪み、管理体制の整備が追いつかない状況等
M&A投資の継続により、国内関係会社は181社、海外関係会社は80社にまで達していながら、グループ会社を管理する当社管理部門の組織人員は十分なレベルに達していませんでした。
第4は、経営トップによる不適切な会計処理の容認です。
第5は、経営トップに忖度したマネジメント層・管理部門責任者による不適切な会計処理への関与、内部統制の無効化です。
事業部門内部(第1線)、経理部門等当社管理部門(第2線)、当社内部監査部門(第3線)のいずれの段階でも内部統制が有効に機能していないと指摘されています。
第6は、経営陣の振るまいから不適切な処理が安易に正当化されてしまう不健全な企業風土、規範意識の鈍麻、上場会社グループとしての自覚とリテラシーの欠如です。
第7は、不適切な処理を可能とする業務フロー、事業部門における杜撰な在庫管理です。
第8は、当社管理部門によるモニタリング機能の欠如です。
第9は、当社内部監査部門によるモニタリング機能の欠如です。
第10は、取締役会による監視・牽制機能が不十分であることです。
第11は、監査役会による監査機能が十分に発揮されていないということです
その他縷々指摘されていますが、田舎弁護士も監査役をしている会社が複数ありますので第11のコメントは気になるところです。
公表版をみて、第11の監査役会による監査機能をみてみますね。
監査役会は、監査法人から報告を受けるのみで、監査が受動的なものになっていたこと、監査役と監査室との情報共有や連携体制が十分ではなかったこと、事業部門への監査はヒアリングが中心で現場での往査は積極的に行われていないこと、社内監査役と社外監査役との連携が十分ではなかったこと、監査役会として不適切な会計処理について監査法人から疑義を呈されていたにもかかわらず主体的な活動は行われなかったこと、以上から、当社の監査役会についても、本来期待されるべき監査機能が十分に発揮されていなかったとコメントされています。
取締役会についても、近時、取締役会において、社外取締役を中心にガバナンスに関する議論が一定程度行われている事実は見受けられるものの、全体としては、売上等の業績報告やM&A等の事業戦略に関する報告・審議が多くを占めており、Fg氏の経営方針や意思決定に対して、社内取締役から実質的な検証や異議、代替案の提示等がなされている事実はほとんど見受けられなかったとコメントされています。
(永納山城跡)
経営トップが内部統制を無効化にするというお手本のようなケースのように思います。













![井上 繁規: 時間外労働時間の理論と訴訟実務[第2版] ~判例・労災決定・学説にみる類型別判断基準と立証方法~](https://m.media-amazon.com/images/I/51HH10+k17L._SL75_.jpg)

![指宿昭一: 外国人労働者の法律実務 (最新テーマ別[実践]労働法実務 11)](https://m.media-amazon.com/images/I/41y1-S8Oi1L._SL75_.jpg)
![渡辺 輝人: 最新テーマ別[実践]労働法実務 5 残業代の法律実務](https://m.media-amazon.com/images/I/51vWMkAUqCL._SL75_.jpg)
![梅田 和尊: 最新テーマ別[実践]労働法実務 6 パワハラの法律実務](https://m.media-amazon.com/images/I/51oZE4TPMjL._SL75_.jpg)
![笠置裕亮: 労災におけるメンタル疾患の法律実務 (最新テーマ別[実践]労働法実務 13)](https://m.media-amazon.com/images/I/51YOPXNu-KL._SL75_.jpg)
![塩見卓也: 休職の法律実務 (最新テーマ別[実践]労働法実務 3)](https://m.media-amazon.com/images/I/41KQWAPOVUL._SL75_.jpg)

![竹村和也: 懲戒の法律実務 (最新テーマ別[実践]労働法実務 10)](https://m.media-amazon.com/images/I/41jL2xhwvKL._SL75_.jpg)





















































![: チェーンストアエイジ 2011年3月1日号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51YpQR-PogL._SL75_.jpg)




































































最近のコメント