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2026年3月23日 (月)

【労働・労災】 判別要件の一部としての対価性要件 日本ケミカル事件最判

 最高裁平成30年7月19日判決(日本ケミカル事件)は、最高裁判所が対価性要件を定立したものであり、薬剤師に対して支払われていた月給制の手当型の固定残業代である「業務手当」について、最高裁が初めて個別事件で適法としたものです。

 最高裁は、まず、雇用契約において、ある手当が時間外労働等に対する対価として支払われているか否かは、①雇用契約に係る契約書等の記載のほか、具体的事案に応じ、②使用者の労働者に対する当該手当や割増賃金に関する説明の内容、③労働者の実際の労働時間等の勤務状況などの事情を顧慮して判断すべきであると基準を定立しています。

 原審が示した対価性があると言えるためには、労基法37条が、④定額残業代を上回る金額の時間外手当が法律上発生した場合にその事実を労働者が認識してただちに支払いを請求することができる仕組み(発生していない場合にはそのことを労働者が認識することができる仕組み)が備わっており、⑤これらの仕組みが雇用主により誠実に実行され、⑥基本給と定額残業代の金額のバランスが適切であり、⑦法定の時間外手当の不払いや長時間労働による健康状態の悪化など労働者の福祉を損なう出来事の温床となる要因がない場合に限られる、というような事情が認められることを必須のものとしているとは解されないと判断しました。

 本件事案への当てはめです。

 第1は、以下の(ア)(イ)から、上告人の賃金体系においては、業務手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものと位置付けられていた。

 (ア)本件雇用契約に係る契約書及び採用条件確認書並びに上告人の賃金規程において、月々支払われる所定の賃金のうち業務手当が時間外労働に対する対価として支払われる旨が記載されていた。

 (イ)上告人と被上告人以外の各従業員との間で作成された確認書にも、業務手当が時間外労働に対する対価として支払われる旨の記載がされていた。

 第2は、業務手当は、1か月当たりの平均所定労働時間(157.3時間)を元に算定すると、約28時間分の時間外労働に対する割増賃金に相当するものであり、被上告人の実際の時間外労働等の状況と大きくかい離するものではない

 第3に、これらによれば、被上告人に支払われた業務手当は、本件雇用契約において、時間外労働に対する対価として支払われるものとされていたと認められる。

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(東陽町・おみたま)
 現在でも固定残業を採用する事業所は少なくありませんが、それを採用するに際しては十分な注意が必要だと思います

 

 

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