愛媛では、後見人名簿に登録している弁護士が不足しているようで、弁護士会としては、後見人名簿に積極的に登録するよう呼びかけをされていました。
令和6年1月~12月までの成年後見関係事件の概況によれば、約4万1000件の申立のうち、親族は約7000件、弁護士は約8700件、司法書士は約1万1000件、社会福祉士は約6800件となっています。
親族が後見人になっている割合は、約17%程度です。親族の中で、後見人になっているのは「子」が最も多くて約52%です。
親族外では、弁護士が約25%、司法書士が約34%、社会福祉士が約20%となつております。
田舎弁護士の感覚(少し古くなっているとは思います)が、弁護士が後見人に選任されるケースとしては、(1)親族による管理に大きな問題があった場合、(2)親族間で深刻な対立が生じている場合、(3)交通事故の賠償や遺産分割等の手続が予定されている場合であるとの認識です。
(1)については、後見人である弁護士と親族との間で深刻な対立が生じることが多く、(2)についても親族間での対立に巻き込まれるということも多いです。
とはいえ、(1)や(2)においては、紛争の処理になれている弁護士の関与が必要であり、弁護士が後見人に就任することについての異論はないと思います。
しかし、(3)交通事故の賠償や遺産分割等の手続が予定されている場合で、(1)や(2)のような事情がない場合には、親族後見を原則とすべきです。
一旦弁護士が後見人に就任した場合には特別なことがない限り本人が死亡するまで継続します。つまり、終身、弁護士後見の報酬を負担しなければならないことになります。親族の中には、強く不満を抱かれる方もおられます。
親族が後見を申し立てることが多いので、後見申立を躊躇するような事由は取り除かなければ、結局、本人の財産を護ることはできません。
他方、弁護士側としても、交通事故の賠償や遺産分割等の手続を担当しても、後見人(法定代理)ではなくて、任意代理で依頼を受けた場合と弁護士費用を考えると、後見報酬についててはかなり低額な費用となります。
弁護士にとっては、後見業務というのは、定期的な報酬が得られるというメリットはあるものの、仕事が大変なわりには報酬が低額であり、魅力がありません。
しかも、現在は、弁護士会の後見人名簿に搭載されなければ後見人として推薦されません。高額でない後見報酬であるにもかかわらず、その一部を弁護士会に納める必要があります。
田舎弁護士が弁護士に登録したころは、裁判所から後見打診が直接あったものです。
地方であれば、弁護士の性格や得手不得手等を裁判所は認識しております。
昔のように、裁判所から直接に後見打診されるシステムに変更し、また、さきほどの(1)や(2)の事情がなければ親族後見とするか、それが難しいとしても、家族が推薦する弁護士を後見人にすべきではないかと思っております。
(ガメラ岩)
親族後見の割合が20%を下回っているのは、後見申立てにとっての大きな障害です。そして、親族の意向に沿わない形での後見人選任は、(1)や(2)の場合に制限されるべきであると考えます。
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