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2026年2月 5日 (木)

【法律その他】消防署職員の消火活動が不十分なため残り火が再燃して火災が発生した場合と失火責任法の適用の有無 最高裁平成元年3月28日判決

 最高裁平成元年3月28日判決は、消防署職員の消火活動が不十分なために残り火が再燃して火災が発生した場合における公共団体の損害賠償責任については、失火責任法の適用があると判断しました。要は、軽過失は免責されるのかという議論ですね。

 事案は、以下のとおりです。

 ①原告は、訴外会社から本件建物を賃借し喫茶店を経営していたが、放火により本件建物倉庫部分から出火した。

 ②そこで、市の消防署員らが出動して本件建物倉庫部分及び店舗の北部分を放水消火し、出火から30分後鎮火したため引き上げた(以下、第1次出火)。

 ③ところが、右退去から1時間後、右倉庫付近から再び出火して本件建物を全焼し、その結果、原告経営の店舗内にあった什器・備品等を消失した(以下、「本件火災」)。

 ④原告は、本件火災は、第1次出火の際の残り火から再燃したものであるが、消防署職員は公権力の行使にあたる公務員であるのに、右倉庫部分の残り火の有無について的確な点検をせず、または、第1次出火が一応鎮火するや現場を引き上げて監視の継続をさせなかった重過失におり本件火災を惹起されたものであるから、市は原告が本件火災により被った損害を賠償すべき責任があると主張して、その賠償を被告市に求めた。

 ⑤第1審は、失火責任法の適用を認めた上で、重大な過失とは、通常人に要求される程度の相当な注意をしないでも、わずかの注意さえすればたやくす違法有害な結果を予見できた場合であるのに、漫然とこれを身すごしたような、ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態をいうものと解するのが相当であるとして、本件火災については消防署職員に重大な過失があったとは認めることはできないとして、原告の請求を棄却しました。

 ⑥第2審も、第1審の理由を引用して、原告の控訴を棄却しました。

 ⑦最高裁も、失火責任法の適用を認めました。

 この最高裁判例の前に、消防署署員の消火活動後の残り火が再燃した事案について公共団体の賠償責任が問われたケースで、最高裁昭和53年7月17日判決は同様の判断を示しております。

 これらの最高裁判決を前提にするのであれば、リスクについては火災保険等で対応するほかないように思います 

20260201_120137
(皿が嶺・風穴)

 

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