【労働・労災】使用者の労働時間把握義務につき、労働時間を労働者の自己申告で把握することは不適法であるとして、タイムカードに沿った時間外勤務時間を認めた事例 名古屋高判令和6年2月29日判決
判例時報No2637号で掲載された名古屋高判令和6年2月29日判決です。
労働時間管理における自主申告制の適法性については、以下のとおり判断しました。
使用者は、労働者の労働時間を適正に把握する義務を負っているが、その把握方法として、自己申告制が許容される場面は限定される。労働時間を労働者に自己申告させること自体、曖昧な労働時間管理となりがちであり、所定労働時間を超える労働時間の申告を躊躇させる方法に働くものだからである。
平成29年1月20日付厚生労働省労働基準局長「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」におても、自己申告制はやむを得ない場合の例外的な措置である旨が明記されている。
個々の事業場の実情に照らして自己申告制による労働時間の把握が認められる場合はあるが、Yの事業場において、敢えて自己申告制を採用すべき事情は何ら認められない。したがって、本件における自己申告制は不適法であって、Xらの労働時間はタイムカードによって把握すべきである。

(嫁ちゃんランチ)
なお、平成31年4月1日に施行された労安法66条の8の3は、「事業者は、厚生労働省令で定める方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない」と定め、同規則52条の7の3は、「厚生労働省令で定める方法は、タイムカードによる記録、パーソナルコンピューター等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法とする」と定めています。
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