【交通事故】速解交通事故判例調査 死亡逸失利益の算定
ぎょうせいから出版された「速解交通事故判例調査 死亡逸失利益の算定」を購入しました。
交通民集の平成23年~令和2年に掲載された死亡逸失利益に掛かる裁判例236件をまとめたものです。
第1章は、死亡逸失利益と最近の裁判例の傾向として藤村和夫弁護士の研究が掲載されています。
その中に、被害者が就学前男児のケースが紹介されています。
「ただ、ここには、就労開始時を22歳(大学卒業時)とし、就労可能期間を67歳までの45年間としたものが1件ある。時に、被害者の遺族(相続人=原告)から、この子(被害者)は幼い頃から極めて優秀である、あるいはこの子の両親、祖父母をはじめとする家族は全員大学卒業または大学院修了という経歴であって、この子も当然に大学進学を前提としており、また大学に入学する能力も備えていた、したがって、逸失利益も大学卒業を前提として算定すべきであるという主張がなされることがある。
本件(東京地判平成24年7月18日)の被害者は5歳7か月であるが、やはり、賃金センサス産業計・企業規模計・男性労働者・大学卒・全年齢平均賃金を基礎収入とすべきであるとの主張がなされた。本判決は、この原告らの主張を受け容れたものであるが、その理由に留意しなければならない。すなわち、裁判所は、原告らが主張する逸失利益(額)は、就労可能時を18歳とし、基礎収入を賃金センサス第1表産業計・企業規模計・男性労働者・学歴計・全年齢平均賃金とした場合の逸失利益の額よりも控えめな数字(金額)となることに照らして、その主張を受け容れたのである。被害者遺族の心情として、大学卒業を前提としての逸失利益算定にこだわる姿勢も理解できないではないが、その心情を優先するか、あくまでも具体的な金額を優先するのか、当事者としては悩みどころである。」
また、小学生男子のケースとして、「時に、生活控除率につき、被害者は、将来結婚して一家の支柱となり、家計の担い手となることがほぼ確実であるから、30%とすべきであるとの主張がなされることがあり、この点については、蓋然性により判断されることになるが、この主張を認めさせることは容易でない。ましては、この年齢の被害者の場合は、いかに重厚な主張が展開されtも認められることは望めないといってよいであろう」と解説されています。
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