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2026年1月 5日 (月)

【労働・労災】 松山大学女子駅伝部元監督の停職処分事件

 先日、松山地裁において松山大学女子駅伝部元監督に対する停職処分が無効とする裁判所の判決があったことについては、このブログにおいても、少し執筆をさせていただきました。

 報道によれば、懲戒処分は、大学が規則で定める学部教授会や意見を経ずに決定されたことについて、手続に重大な瑕疵があると判断されたものです。

 他方、松山大学のHPによれば、手続に瑕疵はないというコメントが掲載されていました(12月31日時点ではリンク先が見当たらなくなりました。)。

 手続の瑕疵については、比較的容易に判断できるために、何らかの手違いがあったのではと想像しておりますが、現時点では判決文が確認できませんので、正確なところはわかりません。

 この論点について、旬報社から昨年10月に出版された「実践労働法実務10 懲戒の法律実務」P91においては、以下のように解説されています。

 まず、「就業規則や労働協約に賞罰委員会、懲戒委員会での協議等が定められていることもある。この手続を遵守しなければ、やはり手続的相当性は否定され、懲戒処分は無効となる」と一般論を指摘しております。

 その上で、松山大学の事案と類似している国立大学法人愛知教育大学事件(名古屋地判令和3年1月27日)が紹介されています。

 「本件は、大学教授の学生に対するハラスメントを理由とする停職処分の有効性が問題となった事案において、教授会の手続を重視する判断を示した。

 同決定は、教職員の懲戒の場合に、教育研究にかかる事項については、教授会の議を経ることを要する旨を定めた懲戒規程の趣旨は、重要な機関である教授会の構成員に当該懲戒処分について意見を述べる機会を保障し、その意見を法人が懲戒処分を行うか否かについての判断材料とすることにあるとして、

 この手続を経ることもせず、重要な機関である教授会から意見を述べる機会を奪い、その意見を判断材料としないままに本件処分を行っているのであるから、教授会の議を経ることなくされた本件処分には、手続上の重大な瑕疵があるとして、処分を無効とした。

 判決は、複数のハラスメント行為を認定したうえで上記のとおり認定しており、適正手続が独立した価値を有していることを示している。」

 松山大学の事案と共通する部分も相当程度あるのではないかと思います。

 

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(火災後の笠松山)
 手続面での瑕疵があると、懲戒事由があったとしても、懲戒処分が無効になってしまいます。ですので、通常は、手続面での瑕疵の指摘はされないように保守的に運用されているはずです。
 正確な事実関係を知るために裁判例の専門誌への早期の掲載を望みたいと思います。

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