金融財政事情研究会から3月に出版された「保証の手引き」です。二昔前は、金融機関からよく連帯保証人への請求事案の民事保全や民事訴訟等の依頼を受けていました。
今は、ほとんどなくなりましたね。
そのため、保証についての知見がどんどん古くなっておりましたので、これじゃいかんと思って、本書を購入しました。
(高知神田・和霊神社)
とはいえ、仕事柄気になるのは、古典的な論点です。そうです。保証債務と消滅時効です。
まずは、原則論ですが、主債務が履行されなかった場合は保証債務の履行請求も可能となるので、保証債務の履行請求も可能となるので、保証債務の消滅時効の起算点は主債務の消滅時効の起算点と一致し、原則として債権者が保証債務の履行請求ができる時から5年間が消滅時効期間となります。
そして、保証の時効管理は、保証債務よりもむしろ主債務に着目し、まず主債務との関係で時効の完成猶予・更新の措置を講じていくことが大前提となります。
つまり、主債務者からの支払いがまったくなされなかった一方で保証人からは分割での支払いが継続されていても、保証人は主債務についての消滅時効を援用できるので、全く安心できないことになります。
従って、大原則どおり、主債務との関係で時効の完成猶予・更新の措置を講ずるとの原則を忘れてはならないことになります。
また、令和2年の民法改正前においては、連帯保証人に対する履行の請求は主債務の時効の完成猶予や更新の効力を有していたものの、民法改正以降は履行の請求は絶対的効力事由から外されてしまったので、注意が必要です。但し、銀行であれば、契約条項の1つとして、「連帯保証人の一人に対する履行の請求は、主債務者に対しても、その効力を生ずる」旨の条項が設けられているのが通例であるため、このような条項があれば、従前どおりの対応が可能となります。
第2に、主債務者が複数口の債務(期限の利益喪失済み)を負担し歩書湯人もそれら複数口の債務を保証している場合において、主債務者から一部弁済がなされたものの主債務者からの充当指定はなくその充当が1口の債務に集中しているとき、複数口債務全体の承認(時効の更新)となるかが問題となります。
最高裁令和2年12月15日判決は、各元本債務のすべてについて時効の更新となると判断したわけですが、債務者が複数口のうち1口の債務のみ充当指定した場合には結論が変わってくる可能性もあると解説されています。
第3に、主債務者が破産終結・免責した場合の保証人に対する時効管理です。一般的には、主債務者の破産終結や免責後は、保証人は主債務の消滅時効を援用することができなくなるために、債権者としては、主債務についての消滅時効の管理は必要なくなるとされています。しかしながら、破産手続終了⑤に清算すべき財産が存在する場合や、株式会社の清算結了登記がされている場合でも会社財産が残存する場合には、注意が必要と解説されています。
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