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2025年12月

2025年12月31日 (水)

【感謝の声】 令和7年も残り少なくなりました。

 令和7年も、いよいよあと1日となりました。

 あらためて振り返ってみると、今年も本当にいろいろな出来事がありました。

 年末を迎え、ありがたいことに、たくさんの方からご挨拶をいただく機会にも恵まれました。

 先日には、10年ほど前に当事務所に勤務していた元勤務弁護士である I 弁護士の奥様が、素敵なお菓子をお土産に、久しぶりに北海道から訪ねてきてくださいました。約1時間ほど、当時の懐かしい話や近況について、和やかにお話を伺いました。I 弁護士ご本人は、今回は病院で当直勤務とのことで残念ながらお会いできませんでしたが、退所後は旧帝大医学部に進学され、現在は脳神経外科の医師としてご活躍中とのことです。弁護士登録もそのまま継続されているそうで、まだ30代の医師兼弁護士として、今後ますます地域のために力を発揮されることを心から願っています。

 そのようなお話をしている折、今度は20数年前の元クライアントの方が、素敵なお菓子と珈琲、そして近況を綴ったお手紙を持参してくださいました。その方にもお話に加わっていただき、場はいっそう和やかに盛り上がりました。

 さらにその最中、宅配便で、別の元クライアントの方から「鯛の浜焼き」が届きました。中には、丁寧にしたためられた感謝のお手紙も同封されており、胸が熱くなりました。

 また先日には、5年前の元クライアントの方が、ご夫婦でご挨拶に来られ、出身地である宇和島のかまぼこを届けてくださいました。

 このように、かつてご縁のあった方々が次々と事務所を訪ねてくださり、田舎弁護士夫婦として、言葉に尽くせないほどのうれしさを感じた一日となりました。

 夜には、家族ぐるみで長くお付き合いのあるクライアント親子と、楽しい食事の時間を過ごしました。

 事件が終わった後も、こうして今なお直接感謝の言葉をいただけることは、弁護士として本当にありがたく、身の引き締まる思いです。

 来年も、現在のお客様はもちろん、これから出会う未来のお客様にも、事件が終わった後に「ありがとう」と言っていただけるような仕事を、誠実に積み重ねていきたいと考えております。

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(来島海峡大橋)

2025年12月30日 (火)

【離婚】 家庭の法と裁判 59号 非行少年に関わる児童福祉の対応、改正家族法の要点と解説

 「家庭の法と裁判第59号」が送られてきました。

 特集は、非行少年に関わる児童福祉の対応として、児童相談所における非行相談対応について(触法少年の事例を中心に)は、①通告・送致、②受理、③調査、④診断、⑤判定・援助((1)指導、(2)児童福祉施設入所措置、里親等委託措置、(3)児童自立生活援助事業の実施、(4)家庭裁判所送致)、⑥家庭裁判所からの児童相談所長送致、⑦保護処分としての児童福祉施設入所、⑧一時保護、⑨児童の権利擁護の各段階の概要及び、具体的な事例でわかりやすい説明がされています。 

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(朝倉野々瀬古墳8号)
 特別企画は、親子交流をとりあげています。
 
 P41からの親子交流の主文例は参考になろうかと思います。
 家事関係裁判は、①共同相続人の一人が生命保険契約に基づき保険金受取人として受領した被相続人の死亡保険金について、民法903条の類推適用による特別受益に準じた持ち戻しを否定した事例(東京高裁令和6年8月29日決定)がとりあげられていました。
 
 「保険金額が遺産総額の少なくとも3分の1を超える状況にある事案においては、特段の事情を肯定する方向で検討をする必要が生じる」ようです。
 もう1つは、昭和33年に都立産院で発生した新生児の取り違え事件につき、当該産院を設置管理していた東京都に対し、分娩助産契約に基づく調査義務の履行として、取り違えによって生き別れの状態にある生物学上の親を調査してその経過及び結果を報告することを求めた原告(当時新生児)の請求を認容した事例です(東京地裁令和7年4月21日判決)。
 生物学上の親調査義務を分娩助産契約の付随的な義務として認めている驚きの裁判例でした。
 

2025年12月29日 (月)

【弁護士考】 法曹就職事情 青田買いと大量採用の功罪を考える

 商事法務No2409号(12月15日)のスクランブルです。

 概ね以下のとおりの内容と理解しました。

 弁護士就職難時代といわれることもあるが、特に企業法務の法律事務所の採用ニーズが強く、若年かつ成績優秀な学生は複数の法律事務所間の取り合いになっているのが実情。そのため、大手法律事務所だけではなく、中堅・新興の法律事務所も参戦して早い段階から人材獲得競争が行われている。

 旧司法試験の時代とは大きく異なっている。

 そして、5大法律事務所への入所者は約300名であり、およそ6人に1人の割合で、5大法律事務所に入所している。そのため、他の法律事務所、裁判所、検察庁の採用が難しくなっている。

 他方で、弁護士就職難の時代をもいわれる今日では、毎年数百人の修習生の働き成長する場を提供しているのは、5大法律事務所の一種の貢献という見方もある。

 現在では、司法試験は、生活を保障するものではなく、それぞれ大きく成長するためのステップに過ぎないという理解ができるかと思います 

 

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(朝倉・野々瀬古墳14号)
 来年5月から民事訴訟が完全にデジタル化します。地方では、仕事のパイが減少する中で、都会の法律事務所が地方の仕事を取りに来ているというのが現状です。
 そのような環境の中で、田舎弁護士のような街弁が生き残っているためには何が必要かが問われる時代となっております。
 とにかく、アンテナを拡げて、質の良い情報を得て、いろいろと考えなければならないと思います。

 

2025年12月28日 (日)

【金融・企業法務】 美容師が使用者との間で締結した退職後の競業避止義務に関する合意に違反して、退職後に近隣の店舗で美容師として勤務した事案において、使用者の損害賠償請求を一部認容した事例 令和7年3月26日付東京地裁判決

 判例時報No2634号で掲載された令和7年3月26日付東京地裁判決です。

 タイトルからすれば、珍しく使用者を勝たせているなという印象を受けました。

 争点のX(原告)とY1(元勤務美容師)との間の競業避止義務に関する合意が公序良俗として無効であるか否かについては、①美容師が退職時にXの顧客情報等を使用して顧客を転職先の店舗に移すことによってXの利益が害させることを防ぐためには、近接する場所での競業を禁止するのは合理的な方法であるといえる、②競業避止義務の範囲は、退職後1年間東京都内に限定されているから、退職後に美容師として就労することができなくなるわけではなく、前記の目的に照らして合理的なものといえるとして、代償措置がないことを考慮しても、公序良俗に反するとはいえないと判断しました。

 但し、損害額については、Xは800万円弱の請求をしておりましたが、裁判所はわずか6万円です。

 使用者は一部勝訴しておりますが、その金額はわずか万円です。

 裁判所は、Y1及びXを退職して競業をしていない美容師3名の再来失客(退職前1か月間にXが運用する店舗で当該美容師を指名した顧客)のうち当該美容師の退職後は同店舗を利用していない顧客の割合)を参照して、競業禁止避止義務違反による顧客の減少による逸失利益を算定しました。

 具体的には、Y1の退職前1ヶ月間のY1の指名客数が135人であること、Y1の再来失客率が97%であること、退職後に競業行為をしていない美容師3名の再来失客率(88%、66%、60%)からすれば同店舗の美容師が退職した場合には競業をしていなくても概ね90%の顧客が来店しなくなることもあり得ることを認定し、これらの事情を基礎として、Y1が競業をしたために同店舗に来店しなくなった顧客の数は約10人であるとして、この人数に顧客一人当たりの単価を乗じて、競業避止義務違反による顧客減少による逸失利益を6万円としました。 

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(朝倉・野々瀬)
 この結果に、使用者であるXは、落胆されたのでしょうか。それとも、競業避止義務違反は認められたので溜飲を下げることができたのでしょうか。

2025年12月27日 (土)

【金融・企業法務】 保証債務と消滅時効

 金融財政事情研究会から3月に出版された「保証の手引き」です。二昔前は、金融機関からよく連帯保証人への請求事案の民事保全や民事訴訟等の依頼を受けていました。

 今は、ほとんどなくなりましたね。

 そのため、保証についての知見がどんどん古くなっておりましたので、これじゃいかんと思って、本書を購入しました。 

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(高知神田・和霊神社)
 とはいえ、仕事柄気になるのは、古典的な論点です。そうです。保証債務と消滅時効です。
 まずは、原則論ですが、主債務が履行されなかった場合は保証債務の履行請求も可能となるので、保証債務の履行請求も可能となるので、保証債務の消滅時効の起算点は主債務の消滅時効の起算点と一致し、原則として債権者が保証債務の履行請求ができる時から5年間が消滅時効期間となります。
 そして、保証の時効管理は、保証債務よりもむしろ主債務に着目し、まず主債務との関係で時効の完成猶予・更新の措置を講じていくことが大前提となります。
 
 つまり、主債務者からの支払いがまったくなされなかった一方で保証人からは分割での支払いが継続されていても、保証人は主債務についての消滅時効を援用できるので、全く安心できないことになります。
 従って、大原則どおり、主債務との関係で時効の完成猶予・更新の措置を講ずるとの原則を忘れてはならないことになります。
 また、令和2年の民法改正前においては、連帯保証人に対する履行の請求は主債務の時効の完成猶予や更新の効力を有していたものの、民法改正以降は履行の請求は絶対的効力事由から外されてしまったので、注意が必要です。但し、銀行であれば、契約条項の1つとして、「連帯保証人の一人に対する履行の請求は、主債務者に対しても、その効力を生ずる」旨の条項が設けられているのが通例であるため、このような条項があれば、従前どおりの対応が可能となります。
 第2に、主債務者が複数口の債務(期限の利益喪失済み)を負担し歩書湯人もそれら複数口の債務を保証している場合において、主債務者から一部弁済がなされたものの主債務者からの充当指定はなくその充当が1口の債務に集中しているとき、複数口債務全体の承認(時効の更新)となるかが問題となります。
 
 最高裁令和2年12月15日判決は、各元本債務のすべてについて時効の更新となると判断したわけですが、債務者が複数口のうち1口の債務のみ充当指定した場合には結論が変わってくる可能性もあると解説されています。
 第3に、主債務者が破産終結・免責した場合の保証人に対する時効管理です。一般的には、主債務者の破産終結や免責後は、保証人は主債務の消滅時効を援用することができなくなるために、債権者としては、主債務についての消滅時効の管理は必要なくなるとされています。しかしながら、破産手続終了⑤に清算すべき財産が存在する場合や、株式会社の清算結了登記がされている場合でも会社財産が残存する場合には、注意が必要と解説されています。
 
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(マルナカ)

2025年12月26日 (金)

【金融・企業法務】譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律が成立しました。

 譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律が令和7年5月に成立し、それほど遠くない将来に施行が予定されています。

 恥ずかしながら、「自由と正義」12月号で初めて知りました。

 田舎弁護士の時代では、譲渡担保や所有権留保というのは、明文の法律がなく、判例法理に依拠してきましたが、この法律により、法律上の根拠を有する契約となりました。

 第1に、譲渡担保とは、金銭債務を担保するため、債務者などが財産(動産、債権など)を債権者に譲渡する契約です(法2条1号)。債務者が債務者を完済すれば、担保の目的財産は債務者に返還されます。債務者が債務を返済できない場合は、債権者は目的財産から優先的に返済を受けれます(法3条)。

 譲渡担保の最大の特徴は、譲渡担保を設定した後も、債務者は担保の目的物を引き続き使用・収益できる点です。

 第2に、所有権留保とは、売買契約などにおいて、代金が完済されるまで売主が目的物の所有権を留保する旨の定めがある契約です(法2条16号)。譲渡担保と同様、買主は代金完済前でも目的物を利用できます。そのため、実務で広く活用されています。

 第3に、譲渡担保法制定の背景と目的ですが、先の述べたとおり、実務で広く活用されている譲渡担保と所有権留保は、民法に直接規定はありません。その法的効力や実行方法は、判例によって形成されてきました。しかし、これにより以下のような課題がありました。

 まず、民法に譲渡担保・所有権留保の規定がないことの弊害として、以下の弊害が指摘されてきました。

 ⚫ルールの不明確さ: 判例で確立されていない論点が多く、法律関係の予見可能性が低い。

 ⚫公示性の不足: 特に占有改定による動産譲渡担保は、外部から担保の存在を認識しにくく、取引の安全を損なうおそれがある。

 ⚫事業再生への影響: 担保権の実行が短期間で完了するため、債務者の事業再生のための時間的余裕が確保されにくい。

 譲渡担保法は、これらの課題を解決し、法的安定性と公示性を高め、企業の円滑な事業継続と不動産担保と個人保証に頼らない資金調達を促進することを目的としています。

 第4に、譲渡担保法の主な内容ですが、譲渡担保法は、これまでの判例法理を明文化・明確化するとともに、一部の規律を合理化しています。

①担保権の対象範囲
 対象となる財産は、動産、債権、その他の譲渡可能な財産が譲渡担保契約の対象です(法2条1号)。ただし、不動産など抵当権の対象となる財産は、原則として対象外となっております。

②譲渡担保権者(債権者)の権限
 目的財産から他の債権者に優先して弁済を受ける優先弁済権が明文化されます(法3条)。また、目的財産の売却代金や保険金など、目的財産に代わる金銭や物にも権利が及ぶ物上代位が認められます(法9条)。さらに、権利行使が妨害されている場合、その排除などを請求できる物権的請求権も明文化されます(法30条)。

③譲渡担保権設定者(債務者等)の権限
 目的動産を引き続き使用・収益できることが明文化されます。 後順位の譲渡担保権の設定(法7条)など、余剰価値の活用が可能であることも明確化されます。

④根譲渡担保権に関する規律
 被担保債権を特定せずに、債権者と債務者の間で、継続的に発生する債権を一括して担保とする根譲渡担保権に関する規律が設けられます(法13条)。 元本の確定前における譲渡や分割譲渡が認められ、その登記制度が整備されます。 元本確定事由が明確化されます。

⑤集合動産譲渡担保・集合債権譲渡担保に関する規律
 倉庫内の在庫をまとめて担保の目的とする集合動産譲渡担保等に関する規律(法40条)が設けられます。 動産の場合は、種類と所在場所等を指定することで譲渡担保の範囲を特定します。

 債権の場合は、発生原因と発生時期等などを指定することで譲渡担保の範囲を特定します。

 設定者の処分権限や、担保価値維持義務についても規定が整備されます。

⑥担保権の順位決定ルールと公示性の向上
 同じ財産に複数の担保権が競合した場合、対抗要件(引渡し、通知・承諾、登記など)を具備した時点の先後によって順位が決まることが明文化されます。

 占有改定(担保設定者が目的物を引き続き占有しながら、以後は担保権者のために占有する旨を合意すること)による譲渡担保権は、外部から認識しにくいため、登記された譲渡担保権など、より公示性の高い対抗要件に劣後することが明記されます。これにより、動産に新たに担保を設定しようとする者が、既存の担保権の有無を正確に把握しやすくなります。 

 目的動産との牽連性がある金銭債務(例えば、売買代金債務)を担保する譲渡担保権は、他の担保権に優先する特則が設けられます。

⑦担保権の実行方法の合理化
 譲渡担保権者が裁判所の手続によらずに担保権を実行する「私的実行」ができることが明文化されます。私的実行の方式として、①帰属清算方式と②処分清算方式の2つを定め、具体的な手続が明文化されます。 私的実行の開始から完了まで、債務者の事業再生を考慮し、原則として2週間の猶予期間が設けられます。

 また、動産譲渡担保権については、民事執行法に基づく動産競売など、裁判所の手続による実行も選択可能であることが明確化されます。 動産譲渡担保権の実効性を確保するため、価格減少行為の禁止などの保全処分や、目的物の引渡しを命じる引渡命令といった簡易な裁判手続が新設されます。

⑧倒産手続における取り扱いの明確化と合理化
 譲渡担保権が、破産手続、民事再生手続、会社更生手続において、原則として質権と同様に扱われることが明文化されます。これにより、担保権実行手続中止命令や担保権消滅許可制度の対象となります。裁判所は、事業継続のために特に必要があると認めるときは、譲渡担保権の実行手続の禁止命令や取消命令を発令できる制度が新設されます。これは、債務者の事業再生を支援するための重要な措置です。

 集合動産・集合債権譲渡担保権が実行された後、1年以内に債務者について倒産手続が開始された場合、目的財産の価値の10%を倒産財団に組み入れる制度が導入されます。これは、一般債権者の弁済原資を確保するためのものです。

 倒産手続開始後に取得された動産や債権には、原則として譲渡担保権が及ばないことが明確化されます。

 以上が譲渡担保契約法の内容でした。 


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(HITO病院)
 自由と正義さん ありがとうございました😅

2025年12月25日 (木)

【弁護士考】 民事裁判のデジタル化 備忘録

 民事裁判のデジタル化 備忘録 です。 令和7年12月25日現在

 弁護士等の皆様の備忘録として活用下さい。また、有益な情報があれば、コメントを利用して情報提供をお願いします。

(裁判所サイト)

 ◆ mintsトップ画面

 ◆ mintsの概要等

 ◆ 改正民事訴訟法・改正民事訴訟規則の概

 ◆ 民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引

 ◆ ミンツ操作画面 (動画)

    新規申立(簡裁一括申立)、新規申立(基本編)、記録一覧のダウンロード・閲覧・印刷、システム送達等

    アップロード編、招待キー機能編、受領書提出編、サインアップ編

 ◆ 民事訴訟手続のデジタル化説明動画 (動画)

 ◆ フェーズ3法廷等用機器説明動画 (動画)

 ◆ 手数料額早見表

 ◆ 民事訴訟フェーズ3で使用する書式

   ◎システム送達を受ける旨の届出

   ◎システム送達を受ける旨の包括届出

   ◎電子情報処理組織を使用を担当する訴訟代理人の届出

   ◎閲覧等制限申立書

(日弁連)

 ◆ 日弁連eラーニング 民事訴訟のデジタル化、もうすぐ全面施行~変わる訴訟手続き、変わる弁護士業務 (約3時間)(12月10日掲載)

 ◆ 日弁連主催   法務省及び最高裁判所担当者による民訴法等改正法の全面施行(民事裁判手続デジタル化)に向けた説明(3月27日掲載)

 

(書籍)

 ◆ 司法書士のための民事裁判デジタル化ハンドブック(7月2日)

 

【労働・労災】 ハラスメント・ハラスメント(ハラハラ)が職場に及ぼす影響とその防止策

■ ハラハラとは何か
 近年、「ハラスメント・ハラスメント(ハラハラ)」という言葉を耳にする機会が増えています。現時点で法的な定義は存在しませんが、一般的には、自身が感じた不快感を過剰に「ハラスメントだ」と主張したり、「パワハラですよ」と脅すような言動、あるいはハラスメントとして相談窓口等に訴える行為を指すものとされています。
 意図的に相手を困らせるケースもあれば、ハラスメントへの理解が不十分なため、誤った認識のもとで訴えてしまうケースも見られます。


■ 背景と増加の要因
 ハラハラが生まれた背景には、パワハラやセクハラなどを防止するための法改正が相次いだことが挙げられます。これにより「ハラスメント」という概念が社会に広く浸透し、誰もが敏感になりすぎる傾向が生じました。増加の主な要因としては、①ハラスメントの定義や判断基準のあいまいさ、②管理職による訴えへの的確な対応の難しさ、③高い業績目標によるストレスの増大などが挙げられます。


■ 経営現場への影響
 ハラハラが発生すると、管理職にとっては業務負担が増すだけでなく、マネジメントへの自信を失い、メンタル不調を引き起こす恐れがあります。また、企業全体においても、職場環境の悪化や組織成長の停滞など、深刻な悪影響が生じかねません。


■ よくある事例
進捗確認のケース
 上司の「仕事は順調に進んでいるか?」という確認に対し、「急かされた」「非難された」と訴える。→ 職務上当然の確認であり、ハラハラといえます。


遅刻への注意のケース
 遅刻を注意された従業員が「言い方が厳しかった」「注意で落ち込んだ」と主張する。
 → 指導の範囲内であればハラハラといえます。

ノルマ設定のケース
 成長を期待して高めのノルマを設定したところ、「過重な要求だ」と訴えられる。
 → 部下の能力に応じた仕事の割り振りに対するクレームはハラハラといえます。

■ 防止のための取組み
 ハラハラを未然に防ぐためには、①ハラスメントの基準を明確化し、②従業員に周知・啓発を行い、③相談窓口と対応体制を整備し、④管理職向け研修を実施するといった段階的対応が有効です。また、⑤悪質なハラハラ行為を懲戒の対象とするなど、社内ルールとして明確化しておくことも重要です。

■ 対応時のポイント
 ハラスメントとして訴えられた場合、自身に非がある場合は誠実に謝罪するべきです。
 一方で、非がないと判断できる場合は安易に謝罪せず、客観的な証拠(記録・メモ・メールなど)をもとに冷静に説明することが大切です。謝罪がかえって問題を拡大させるリスクもあります。
 対応に迷う場合は、早めに弁護士へ相談し、専門的な助言を得ることをお勧めします。法的観点からの適切な対応が、職場の信頼関係を守る第一歩となります。

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(高松駅の青鬼君)

2025年12月24日 (水)

【学校】 松山大駅伝部 監督アカハラ処分無効 地裁判決 「手続きに重大瑕疵」

 本日の愛媛新聞の見出しです。

 松山大学駅伝部の監督のアカハラ行為に対して、松山大学が停職45日の懲戒処分を行ったことについて、処分を受けた元監督が停職処分の取消と慰謝料等の請求を求めたという事案です。

 当時の女子部員9人が監督らの処分を求めて大学のハラスメント防止委員会に申し立てたということですから、大学としても重く受け止めたであろうということが容易に想定される事案だと思います。

 裁判所は、審理の結果、トレーニングに使うダンベルを地面にたたきつけるなどの行為4件は懲戒事由に該当すると判断したものの、経済学部教授会が懲戒案の内容や理由の説明を求めていたにもかかわらず大学側はそれに応じずに処分を決定したことが会規則に反したとして、瑕疵を認めて、停職処分の取消を認めました。なお、他の報道だと「弁明」をさせずにとなっているものもありました。

 いずれにせよ、懲戒手続に重大な瑕疵が認められると判断されており、そのため、懲戒事由が認められながら手続違反で懲戒処分が取り消されるという最高学府である大学としてはいかがなものかと世間から思われる結果になっております。

 そもそも、懲戒処分については、①懲戒事由があるのかどうか、②懲戒事由にみあった懲戒処分なのか(量定)、③手続違反はないかという3項目は、慎重に検討されているはずです。

 特に手続違反については、懲戒事由があったとしても懲戒処分が取り消されてしまうために、保守的に運用されていることが通例だと思います。

 松山大学においては、最近も、残業代未払事案のケースで、裁量労働制について、労働者の過半数の代表者と協定を結んだとは認められる違法だとして未払残業代などの支払いを命じた松山地裁の裁判例がありますが、これらの第Ⅰ審裁判例を前提とする限り、今回のケースのように手続面の瑕疵というコンプライアンスにかかわるミスが続いているように世間からは捉えられます。

 松山大学は中四国の名門大学ですので法務の担当者や顧問弁護士も優秀な方が就任されていると思いますが、それにもかかわらず、大学としても大変残念な結果となっております。

 このようなことが連続しますと、大学のガバナンスが気になるところです。 

 この裁判例に対する松山大学のコメントです

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(笠松山復興作業)
 話が変わりますが、松山大学の女子駅伝部、素晴らしい結果(優勝)を出してくれたんですがね。廃部は愛媛県民の一人として残念です。
 

【労働・労災】カスタマー・ハラスメント

 「解決・防止 職場のハラスメント」(水谷英夫弁護士)の中で取り上げられていた「カスタマー・ハラスメント」です。

 最近は、カスハラについては頻繁に取り上げられることが増えました。

 そして、来年10月1日から、企業にカスハラ対策を義務づけることになりました。

 さて、水谷ハラスメントを紹介していきたいと思います。

 第1に、カスハラについては、近年増加増えており、パワハラやセクハラ等と並んで企業や従業員を悩ますことになっていること、本来顧客等からのクレーム等は商品やサービス、接客態度等への不平不満を訴えるものであり、それ自体は問題とはいえずむしろ業務改善や新たな商品、サービス開発の可能性をもつものであるものの、昨今のような不当。過剰なクレームは、従業員に過度な精神的ストレスを与え、通常業務に支障をきたし、その結果企業や組織に多大な損害を与えていることが明確になっています。そこで、事業者の防止措置義務を指針で課すということになりました。

 第2に、カスハラといっても、実に様々なものがありますが、最も多いのが、継続的な、執拗な言動、次いで、威圧的な言動、精神的な攻撃、明らかに業務と関係のない顧客等からの言動となっております。そして、これらのハラスメントの被害は、医療、福祉、生活関連サービスの卸、小売りや電気、ガスなどのいわゆるエッセンシャルサービス分野に集中的に現れています。

 第3に、カスハラの事例については、その判断基準として、①顧客等の要求内容に妥当性があるか、②手段、態様が社会通念に照らして相当な範囲内かどうかということによって判断されることになります。

 第4に、対応例としては、録音・録画・対応記録・時間の計測など検証可能な証拠を収集し、悪質性が高いと疑われる場合には、単独での対応をせずに複数名で対応します。現場での対応 電話での対応、それぞれポイントがあります。

 例えば、電話での対応については、苦情を専門に受け付けるため専用電話を設置して録音ができるようにしておく。基本的には、第一受信者が責任を持ち、たらい回しをしない。丁寧な言葉使いで、相手がゆっくりと理解できるように説明する。顧客の発言内容と齟齬がでないようメモをとりながら話を聞き、復唱して確認する、対応できることとできないことをはっきりさせ、相手に過大な期待を抱かせない。即時回答できない内容については、事実を確認してからおって返事をする。途中で電話を中断するときは、社内での相談内容が漏れないように必ず電話の保留機能を利用する。

 最後は、名札の氏名表示義務廃止の動きが紹介されています。 

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(横倉山)

 カスハラの研修依頼に備えて勉強しておきたいと思います。

2025年12月23日 (火)

【消費者法】(速報)LPガス設置費用は、請求不可 最高裁

(事案の概要)

 LPガス販売事業者である原告は、住宅販売業者が販売する戸建て住宅にLPガスの配管等の設備(以下「本件ガス設備」という。裏面参照)を設置し、その後、上記住宅を購入した被告らとの間でLPガスの供給等に関する契約(以下「本件供給契約」という。)を締結した。本件供給契約には、LPガスの供給が開始された日から10年が経過する前に被告らによる解約等によって本件供給契約が終了した場合、被告らは、本件ガス設備の設置費用として、所定の算定式に基づいて算出される金額を原告に支払う旨の条項(以下「本件条項」という。)があったが、本件供給契約はいずれも10年以内に終了した。

 本件(6件)は、原告が、被告らに対し、本件条項に基づき、本件ガス設備の設置費用等の支払を求める事案である。

 これに対し、被告らは、本件条項は、消費者契約法(令和4年法律第59号による改正前のもの。以下同じ。)9条1号にいう「当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項」(以下「違約金等条項」という。)に当たる上、原告には同号にいう平均的な損害(以下「平均的な損害」という。)はないから、本件条項は、その全部が無効になるなどと主張して争っている。 

(原判決及び争点)

 ①原判決のうち3件は、本件条項は、本件ガス設備の設置費用の支払いについての合意であって、違約金等条項に当たらないなどとして原告の請求を認容した。他方、原判決のうち3件は、本件条項は違約金等条項に当たり平均的な損害はないなどとして原告の請求を棄却した。

 ② 本件の主な争点は、本件条項の解釈等である。 

(最高裁)

                   主文
原判決を破棄する。
被上告人の控訴を棄却する。
控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。

                   理由
上告代理人難波幸一の上告受理申立て理由(ただし、排除されたものを除く。)について
原審の適法に確定した事実関係等の概要は、次のとおりである。
⑴ 被上告人は、液化石油ガス(以下「LPガス」という。)の供給等を業とする株式会社である。
⑵ 被上告人は、令和元年頃、株式会社東栄住宅が販売する戸建て住宅(以下「本件住宅」という。)にLPガスの消費設備に係る配管及びガス栓(以下、併せて「本件消費設備」という。)を設置したが、本件消費設備の部品代金や設置費用、給湯器やそのリモコンの設置費用等(以下、本件消費設備と給湯器等を併せて「本件消費設備等」といい、本件消費設備等の設置費用等を「本件設置費用」という。)を東栄住宅に請求しなかった。
⑶ 上告人は、令和元年6月、東栄住宅から本件住宅を購入した。その際、東栄住宅は、上告人に対し、東栄住宅が指定するLPガス販売事業者である被上告人からLPガスの供給を受ける必要があるなどと説明した。
⑷ 上告人は、令和元年7月、被上告人との間でLPガスの供給等に関する契約(以下「本件供給契約」という。)を締結し、本件住宅へのLPガスの供給を受けるようになった。
⑸ 本件供給契約に係る契約書には、次のような条項がある。 
ア 被上告人が本件住宅にLPガスを供給する期間は、供給開始日から10年以上とする。
イ 被上告人が負担した本件設置費用は21万円(消費税込み)であり、上告人が被上告人から本件住宅へのLPガスの供給を受けている間、被上告人はこれを請求しない。
上告人は、供給開始日から10年経過前に本件住宅へのLPガスの供給を終了させる場合、本件設置費用に関し、被上告人に対し、次の算定式で得られた金額(以下、当該算定式で得られる金額を「本件算定額」という。)を、供給終了後、直ちに支払う(以下、この条項を「本件条項」という。)。
(算定式)
21万円-{21万円×0.9×(供給開始日から供給終了日までの経過月数/120)}
⑹ 本件消費設備は、本件住宅に付合しており、本件供給契約が締結される前から上告人がこれを所有している。
上告人は、令和3年6月、被上告人に代わって日本瓦斯株式会社から本件住宅へのLPガスの供給を受けることとし、被上告人からの供給は終了した。

本件は、被上告人が、本件条項は、本件設置費用に関し、上告人に本件算定額の支払義務があることを定めた合意である旨主張し、上告人に対し、本件算定額である17万3775円及び遅延損害金の支払を求める事案である。

 上告人は、本件条項は、消費者契約法(令和4年法律第59号による改正前のもの。以下同じ。)9条1号にいう「当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項」(以下「違約金等条項」という。)に当たり、本件供給契約と同種の消費者契約の解除に伴って被上告人に生ずべき平均的な損害は存せず、その全部が無効になるなどと主張して争っている

原審は、前記事実関係等の下、本件条項は、10年間にわたって上告人から被上告人に対して支払われるガス料金の中から回収することが予定されていた本件設置費用について、その未回収分を上告人において支払う旨の合意であって、違約金等条項に当たらないと判断し、被上告人の請求を認容した。

4 しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。 その理由は次のとおりである。

⑴ 被上告人は、本件住宅に本件消費設備等を設置しながら、東栄住宅に対して本件設置費用を請求しておらず、上告人は、本件住宅の購入に当たって東栄住宅より被上告人からLPガスの供給を受ける必要がある旨説明を受けていた。このことからすると、被上告人は、東栄住宅の協力の下に、本件住宅を購入した者との間で優先的にLPガスの供給契約の締結について交渉することができる事実上の地位を確保するため、自らの判断で本件設置費用を東栄住宅に請求しなかったということができる。また、被上告人は、上告人と本件供給契約を締結するに当たり、上告人が被上告人からLPガスの供給を受けている間は上告人に本件設置費用を請求しないこととするとともに、本件条項により、上告人が供給開始日から10年経過前に本件供給契約を終了させる場合は、経過期間に応じて本件設置費用に関して支払われるべき本件算定額を逓減させることとしていたが、これらは、本件供給契約を締結するように上告人を誘引し、併せて本件供給契約が短期間で解約されることを防止し、本件供給契約を長期間維持するためのものであったといえる。このような本件供給契約の締結に至るまでの経緯及び本件供給契約の内容からすると、本件設置費用は、本件供給契約を獲得し、これを長期間維持するために先行投資された費用ということができる。


 また、本件条項は、一見すると、本件消費設備等の設置の対価として本件算定額の支払義務を定め、上告人が10年間にわたって被上告人に支払うガス料金から本件設置費用を回収することを予定するものであったようにもみえる。 しかしながら、本件供給契約上、本件算定額は供給開始日から10年が経過するまでの間において1か月ごとに一定額ずつ減少するとされているものの、10年経過後には上告人が被上告人に支払うべきガス料金が減額されるという定めはなく、本件設置費用とガス料金との関係は明確にされておらず、本件設置費用がガス料金から回収されることになっていたのかも明らかではない。このような本件供給契約の内容に加え、被上告人が、本件供給契約と同種のLPガスの供給契約を多数締結しているLPガス販売事業者であることからすると、被上告人においては、既に消費設備の設置費用の回収が終わっている契約者に対し、従前と同様のガス料金を設定するなどし、他の契約者の消費設備の設置費用を負担させることができるような料金体系となっていて、実際には、上告人のみならず、契約者全体から得られるガス料金から本件設置費用を回収する仕組みとなっていたことがうかがわれる。これらのことからすると、本件算定額が本件消費設備等の設置の対価といえるものかどうかは明らかではないといわざるを得ない。
 

 以上からすると、本件条項は、本件消費設備等の設置の対価を定めたものではなく、本件供給契約が供給開始日から10年経過前に解約されるなどして被上告人がその後のガス料金を得られなくなった場合に本件算定額の支払義務を負わせることで、短期間の解約が生ずることを防止し、本件供給契約を長期間維持することを図るとともに、併せて先行投資された本件設置費用に関して被上告人が被る可能性のある損失を補てんすることも目的の一つとするものというべきであり、実質的にみると、解除に伴う損害賠償の額の予定又は違約金の定めとして機能するものということができる。したがって、本件条項は、違約金等条項に当たるというべきである。
以上と異なる見解の下に、本件条項が違約金等条項に当たらないとした原審の上記判断には法令の解釈適用を誤った違法がある。


本件条項が違約金等条項に当たることからすると、本件算定額の全部又は一部が、本件供給契約と同種の消費者契約の解除に伴い被上告人に生ずべき平均的な損害、すなわち、一人の消費者と被上告人との間で、本件供給契約と同種のLPガスの供給契約が解除されることによって被上告人に一般的、客観的に生ずると認められる損害の額を超えるものである場合、本件条項は当該超える部分について消費者契約法9条1号により無効となる。そして、この点について、本件条項の目的の一つが、先行投資された本件設置費用に関して被上告人が被る可能性のある損失を補てんすることにあることからすると、LPガスの供給契約が解除されてそれ以降のガス料金を得られなくなると、被上告人において先行投資費用として負担した消費設備に係る設置費用の未回収分の損害が生じたようにみえなくもない。
  

 しかしながら、上記のとおり、供給開始日から10年が経過しても上告人が被上告人に支払うべきガス料金が減額されることになっておらず、本件設置費用とガス料金との関係が不明確なものとされていたという本件供給契約の内容等からすると、被上告人において、ある契約者に係る消費設備の設置費用は、契約者全体から得られるガス料金から回収する仕組みとなっていたものというべきである。

 このことに加え、本件供給契約と同種のLPガスの供給契約においてLPガスの価格に法令上の規制がなく、LPガス販売事業者は自由にガス料金を設定することができることも併せて考慮すると、被上告人としては、解除時点では消費設備に係る設置費用の全部を回収できていない契約者が一定数生ずるという事態が起きることを見越し、利益が確保できるように契約者全体のガス料金を適宜設定し、設置費用が未回収となったことの負担を他の契約者に転嫁することが可能になっていたといわざるを得ない。そうすると、上記事態が起きたとしても、被上告人に上記未回収分の損害が生じたとはいえないというべきである。

 そして、他に、本件供給契約と同種の消費者契約の解除に伴い被上告人に生ずべき平均的な損害に当たり得るものは見当たらない。

 以上からすると、本件供給契約と同種の消費者契約の解除に伴い被上告人に生ずべき平均的な損害は存しないというべきである。
したがって、本件条項は、その全部について消費者契約法9条1号により無効となるというべきである。


5 以上によれば、原審の上記違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであって、論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。そして、以上に説示したところによれば、被上告人の請求は理由がなく、これを棄却した第1審判決は是認することができるから、被上告人の控訴を棄却すべきである。よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する

なお、裁判官林道晴の補足意見がある。
裁判官林道晴の補足意見は、次のとおりである。
 私は、法廷意見に賛同するものであるが、補足して若干意見を述べておきたい。本件は、かねてからLPガス販売事業において「無償配管」や「貸付配管」と呼ばれていた商慣行(以下「無償配管の商慣行」という。)に関する法的問題点のうち、消費者契約法に関するものについて判断を示したものである。無償配管の商慣行とは、戸建て住宅の建築の際、建設業者等が、提携しているLPガス販売事業者に当該住宅の消費設備に係る配管(以下「屋内配管」という。)の工事を無償で行わせ、当該LPガス販売事業者は、当該住宅の購入者等(以下「家主」という。)とLPガスの供給契約を締結する際に、屋内配管の設置費用を一括して請求せず、当該家主が所定の期間内に当該供給契約を解約するなどの場合に、当該設置費用の精算を求めるというものである。無償配管の商慣行については、本件のように、ガス料金と設置費用との関係が不明確なものとされていることが多く、そのことによってガス料金が不透明なものとなっている上、家主が短期間で解約しようとすると高額な設置費用を一挙に支払うことを余儀なくされるため、LPガス販売事業者を選択する自由を阻害するおそれがあるなどの問題点のあることが指摘されており、これまでその是正に向けた取組が経済産業省や公正取引委員会等によって種々行われてきた。そして、令和6年7月2日に改定された液化石油ガスの小売営業における取引適正化指針において、今後、無償配管の商慣行を行わない方向で取り組んでいくことが望ましい旨が明記されるに至ったものの、本件条項と同種の条項の法的性質やその効力をはじめとする複数の重要な法的問題点(本件では、被上告人は、屋内配管が本件住宅に付合し、上告人がその所有権を有することについて争っていないが、屋内配管が戸建て住宅に付合するか否かなども上記法的問題点の一つといえる。)について、いまだその解釈等が定まっていなかった。
 本判決は、無償配管の商慣行を巡る上記現状に鑑み、本件条項が、違約金等条項に当たり、消費者契約法9条1号により全部無効となるとする判断を示したものである(なお、最高裁令和6年(受)第1373号同7年12月23日第三小法廷判決は、屋内配管が原則として戸建て住宅に付合するものであることなどについて判断を示している。)。もっとも、本判決が消費者契約法9条1号の平均的な損害について述べたところは、大量取引を前提とした継続的なLPガスの供給契約において、LPガス販売事業者が、供給契約全体で発生するリスクを計算してガス料金を適宜設定できる立場にあるということのみならず、屋内配管の設置費用とガス料金との関係をあえて不明確なものとすることで、ある契約者に係る設置費用を当該契約者からだけではなく、契約者全体から回収するという仕組みを構築していたことに着目してなされた判断である。そして、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則16条15号の7(令和6年経済産業省令第32号(令和7年4月2日施行)による改正後のもの)は、LPガス販売事業者に対し、基本料金、従量料金及び消費設備等に係る費用の三つに整理してガス料金等を請求するという、いわゆる三部料金制を採用することを義務付けているところ、LPガス販売事業者が、屋内配管の所有権が家主に帰属することを前提として、三部料金制の下、家主が月々負担すべき設置費用の額を基本料金及び従量料金と区別して請求するような場合には、本判決の射程は当然には及ばなくなるものと解される。LPガス販売事業者においては、今後、三部料金制を徹底するなどし、ガス料金の透明化を図ることが望まれるところである。
(裁判長裁判官 林 道晴 裁判官 渡辺惠理子 裁判官 石兼公博 裁判官平木正洋 裁判官 沖野眞已)

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(朝倉野々瀬古墳2号)

【学校】多様な人材が活躍する教育・研究環境の構築に向けたSAKURA制度と東京農工大学の挑戦をWEBで受講しました。

 国立大学法人愛媛大学にて開催されました「多様な人材が活躍する教育・研究環境の構築に向けたSAKURA制度と東京農工大学の挑戦」をWEBで受講しました。 

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(高知・程野)
A 教育・研究環境整備のための取組
 ①ライフイベント支援における取組 ⇐ アンケートを実施して時代にあわせてアップツーデート
   学内保育所の設置 ⇒ 府中キャンパスでは一時保育も実施
   保育支援制度   ⇒ 夜間・早朝、休日又は病児・病後児保育についても利用料の一部を支援(男性研究者、大学院生にも拡大)
   研究支援員制度  ⇒ 出産・育児・介護期の研究者(博士後期課程学生)(男女)を対象に女性未来育成機構所属の研究支援員を派遣 この制度により支援したライブイベント期の研究者において、継続的な成果が認められ、研究アクティビティの停滞を防ぐ効果が認められている
 ②裾野拡大における取組
   学生相談員(メンター)制度  =女子大学院生がメンターとして、女子学部生の学生生活、研究生活、進路に関する相談に応じる学生相談員制度を実施
   発展型メンター制度 =男女博士学生がメンターとして、男女修士学生の学生生活、研究生活、進路に関する相談に応じる学生相談員制度を開始
   女性教員メンター制度
   キャリアパスセミナーの開催 =産業界等で活躍している卒業生を講師としてお招きし、学部生、大学院生へロールモデルを提示
   女子学生への整理支援 ⇐女子学生のニーズを受けて導入
   女子中高生の理系進路支援
⇒ 東京農工大学の女子学生比率の推移 女子学部・修士・博士学生の高い在籍率
⇒ キャリアパス接続支援を好循環させる仕組みの確立
B 女性研究者の研究力およびマネージメント力向上のための取組
  科研費獲得講座   科研費調書作成のABC
  外部資金獲得支援策
  外部資金獲得チャレンジ研究費制度
  共同研究発掘勉強会
  管理職候補者育成研修
  管理職候補者の育成に関する取組
  
C 女性研究者の上位職への積極登用に向けた取組
  女性活躍推進セミナー
  ダイバーシティセミナー
中高生から、学部、院生(修士、博士)、教員など、幅広く取り組んでいることについて驚きを感じました😇

2025年12月22日 (月)

【IT関連】 第一法規セミナー・生成AI×弁護士実務 デモで学ぶ! 明日から使えるAI活用術をWEBで受講しました😁

 加茂翔太郎弁護士による第一法規セミナー・「弁護士業務における生成AI活用セミナー デモで学ぶ!明日から使えるAI活用術」をWEBで受講しました。 

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(炭焼うな富士)
 まず、はじめに。「AIを使える弁護士が、AIを使えない弁護士を淘汰する」時代が到来しました。法制度が整ってから学ぶでは遅きに失し、デジタル化に乗り越えると実務家としての競争力を失いことになります😖
 AIは、第1に、法律相談に活用できます。錯綜した事実関係を綺麗に整理します。
 AIは、第2に、契約書レビューに活用できます。リスク検出と品質の均質化はお手の物です。
 AIは、第3に、訴訟業務に活用できます。相手方主張の弱点を突いたり、勝訴への道筋を描くこと、準備書面の骨子を作成すること、判例検索後の精密分析、反対尋問シナリオさえ生成することも可能です。
 このためには、優れてプロンプトが必要となります。
 プロンプトは、①構造化:指示はマークダウン(#、ー)で見やすく整理したか?
        ②4要素:「役割」、「背景」、「タスク」、「出力形式」の4つは揃っているか
    
        ③具体性:タスク指示は、誰が読んでも同じ解釈ができるくらい具体的か? 曖昧な表現はないか?
        ④形式指定:表、箇条書き、メール形式など、欲しいアウトプットの形を明確にしたか?
 この4つは、プロンプト作成のチェックリストとされています。
 田舎弁護士も誤解していましたことがあります。AIは全てを正確に記憶しているという幻想 これは事実ではありません。AIは情報を暗記しているのではなくて、あくまでデータ内のパターンを学習しているだけです。また、AIは使うたびに賢くなるというのも誤解。会話履歴を参照して文脈を維持しているに過ぎません。さらに、AIは、グーグルのように検索しているというのも錯覚であり、データベースではなく、文章生成機に過ぎないということです。
 主要なリスクとしては、①情報漏えい、②ハルシネーション、③著作権侵害があり、対策が必要になります。
 
 いずれにせよ、有効活用するためには、プロンプトエンジニアリングが大切です。さて、これをどう取得していくかですね。
 田舎弁護士も、年内には、活用するLLMを決めて、来年からは、生成AIを活用していきたいと考えております。 

 

2025年12月21日 (日)

【金融・企業法務】 対談 「あらためて考える新規上場と監査役等ー経営者の旅の良き伴走者として」 月刊監査役782号

 月刊監査役782号の対談記事です。

 IPOって、地方には需要がないのではないかと思う弁護士も多いのではないかと思いますが、愛媛では新規上場を考えている経営者の方は想像しているよりは多いように感じております。

 そして、地方の弁護士は、どちらかというと、現場に近い形で、顧問弁護士や社外役員という形で入ることが多いように思います。

 このブログでも、IPOについては時折に取り上げていると思います😁

 なお、月刊監査役という専門誌ですが、IPOを目指している会社の監査役であれば入会した上で月刊監査役を購読されていると思いますが、非常勤の社外監査役の弁護士はどの程度購読されているのでしょう。大昔に四国の上場会社の社外監査役に就任されていた弁護士さんが、弁護士会の集まりの際に、時間があるときに月刊監査役を読んでおられたのを見たことがあります。田舎弁護士も、もう15年位は継続して読んでいます。 そのころは、四国では、社外役員をしている弁護士はほとんどいなかったんじゃないかな。今は、ちらほら、散見するようになりました。

 四国という過疎地域にいながらも、最先端の監査役の知見を得るためには、月刊監査役は必要なアイテムです。

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(マリオット名古屋)
 さて、IPOを巡る昨今の動向としては、3点挙げられています。
 第1点は、企業の業績や成長性について対外的な説明責任が一層重視されているという点です。今年の9月26日から、グロース市場の上場維持基準も見直しがされて、上場後5年経過後の時価総額の上場維持基準が40億円以上から100億円以上に引き上げられる方向で調整されています。
 
 第2点は、組織運営・内部統制の脆弱性が依然と顕著であるという点です。IPO直線に形式的な駆け込み整備を迫られているからでしょう。
 第3点は、上場スケジュールの不確実性です。スケジュールが遅れたという点よりも、どの問題が企業の成長にとって重要で、どの問題から優先的に対応すべきかという観点から建設的に関与することが認められています。
 それと、上場承認の前後において、上場準備会社からの内部通報や会社外部からの市場関係者からの情報提供が増えているようです。中には、競合他社からのリークと推測されるようなケースも一定数存在するようです。
 上場の際には、自社の商品やサービスに強みや差別化があり、自社が持続的に成長できるのかを徹底的に問われることから、自社の強みが本物であることが早く上場するよりも本質的であることはいうまでもありません。
 監査役の任務として、この企業が上場後も社会から信頼され続けるための基盤を備えているかという視点での評価は重要といえます。企業の未来を健全な形で導くというのが監査役の役割です。
 というようなことが書かれていました😁

2025年12月20日 (土)

【建築・不動産】 (公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催の令和7年度紛争処理実務研修会に参加しました😁

 毎年恒例のといえばですが、(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター主催の「令和7年度紛争処理実務研修会」に参加しました。 

 住宅の紛争は取り扱う案件としては、田舎弁護士にとっては、数年に1回程度であるにもかかわらず、専門性を有する訴訟であり難易度が高く、訴訟においても数年に及ぶことが少なくないために、住宅紛争審査会のような専門のADR機関、しかも、紛争処理委員であれば無料で住宅についての専門的知見を得られる機会をいただけるのは大変ありがたいことです😇

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(名古屋)

 メインは、第3部の「参考判例についてのパネルディスカッション」です。

 第1例が、「不同沈下による損害賠償請求」を例にとっております。

 戸建分譲住宅の売買契約における建物の不同沈下です。

 ポイントについては、次のとおり説明されていました。

 「①建物の基礎は、地盤の沈下等に対して構造耐力上安全であることが大原則(建築基準法施行令第38条第Ⅰ項)。そのため、(1)第一段階として、まず地盤調査をした上で、地盤の許容応力度及び基礎杭の許容支持力を定め(建築基準法施行令第93条、国土交通省告示第1113号)、②第2段階として、第1段階の結果を踏まえて、基礎構造を選定し設計する(建築基準法施行令第38条第3項、国土交通省告示第1347号)という手順で、構造耐力上の安全性を確認する。

 ②土地の履歴や地形を事前調査し、元々造成地なのか、元田・畑なのか、水路であったか等、地歴・地形を調べて、その取りの沈下などの危険性を予測することも有用である。

 ③住宅建築のための地盤調査には、SWS試験が広く用いられるが、限界があり、自沈層の分布等に問題がある場合は、必要に応じボーリング・動的貫入試験等で、土質の確認等、SWS試験だけでは分からない点を補う必要がある。

 ④地盤調査を踏まえ、建築基準法施行令第38条の性能要件(荷重の安全な伝達、沈下・変形に対する安全)を満たすことを前提に基礎を設計する。基礎形式・地盤改良工法の選定は国土交通省告示第1347号に定めがあるが、最低の基準であり、地耐力に問題がなくとも、沈下量等に問題が生じる可能性があるため、地質や軟弱層に厚さや深さ、孔内推移、有機質土の有無、N値などを確認して総合的に検討を重ね基礎を設計する必要がある。」

 第2例は、中古マンション浴室リフォームの例です。

 ポイントについては、次のとおり説明されていました。

 「①注文者の指図が認められると、請負人の契約不適合責任が免除されるという大きな効果が生じる。このため、容易には認めない方向で制限的に解釈されている。

 ②建築の瑕疵について慰謝料が認められるためには、瑕疵修補によって財産的損害が賠償されてもなお填補されない精神的苦痛を被ったというような特段の事情が必要と解されている。」

 第3例は、新築住宅における基礎及び換気システム等の瑕疵の例です。

 ポイントについては、次のとおり説明されていました。

 「①本件建物引渡し後の点検・検査により基礎の一部にかぶり厚さ不足は発見されたが、既に補修がされているので、瑕疵ではない。

 ②本件建物内に想定されていたどおりの空気の流れが存在しないことが認められ、当該換気システムの採用自体に設計上の瑕疵が存在する。損害は当該換気システムの設置費用である。

 ③注文主と請負業者との間に本件建物引渡し後のメンテナンスの合意はなく、建物完成後、請負業者に本件建物の基礎におけるかぶり厚等の定期的な検査義務はない」

 今回は、日程の都合上で、名古屋会場を利用しました。

 WEBの研修会だとみに入らないこともあるので、このような専門的な研修会は対面の方がいいですね😇

 

2025年12月19日 (金)

【IT関連】 日弁連eラーニング・企業内弁護士の実務上の諸課題 企業内弁護士と法律事務所の協働 AIは両者の関係をどう考えるのか? 第1回 Contract Lifecycle Management(CLM)の現状地と近未来像(渡部兼尚弁護士、明石幸大弁護士)を受講しました。

 日弁連eラーニング・企業内弁護士の実務上の諸課題 企業内弁護士と法律事務所の協働 AIは両者の関係をどう考えるのか? 第1回 Contract Lifecycle Management(CLM)の現状地と近未来像(渡部兼尚弁護士、明石幸大弁護士)を受講しました。

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(高知・南嶺)

 CLMは、契約ライフサイクル全体を一元管理しての最適化するためのリーガルテックです。契約を必要とする案件の発生からのプロセス、具体的には、契約の締結前(案件受付。ドラフト作成・審査等)、締結、締結後(期限管理・ステータス管理、データ活用等)の管理であり、①契約等の業務効率化・ビジネススピードのアップ、②法務部や法律事務所の知恵(ナレッジ)の集約・活用を図れるという効果があります。

 CLMは、システムにおいて、一元的に受付を行うことから、管理職においても、ダッシュボードを用いて案件数、担当者、進捗状況がデータとして把握することが容易になります。

 そればかりか、CLMを共有化することによって外部の法律事務所への配転や、法務部担当者がシステム上でナレッジを検索参照してドラフトを作成、また、定型的な契約については自社のプレーブックに基づいて契約条項の分析を行い、問題点を指摘・修正案の提示が可能にもなります。

 加えて、締結済み契約書データがCLMにて一元管理されていれば、リスクマネジメントにも資することや、戦略法務への活用やM&A案件もスムーズな契約DDに活用することが可能です。

 法律事務所との強力関係も、CLM共有による外部弁護士のオンボーディングコスト低下というメリットも出てきます。

 そして、事業部や経理部等の他部署の基幹祠宇テムとの接続、法務特化の汎用AIの可能性、CLMのプラットフォーム化の可能性等、発展的な近未来が予想されます。

 受講して感じるのですが、現在組織内弁護士の先生方が、今後大きく発展するために様々な対応を一生懸命考えているということです。ところが、地方では、そのような息吹をまだ感じることができません。

 chatGPTに質問したところ、田舎弁護士のような業態、地方では最も多い業態だと思いますが、敵は「何でも屋でいる自分自身」ですと回答されていましました。交通事故、離婚、遺産分割は既に完全な飽和市場です、しかも、地方ほど過当競争が激しく、収益性は悪化しており、これは構造的な必然とまで評価されています。

 ただ、65歳で引退という情報を入れると、絶対やってはいけないことは、新規分野への大規模投資、何でも屋継続(ただ消耗して終わる)とのことのようです。

 さてさて、どうしたものか😖 

2025年12月18日 (木)

【交通事故】 むち打ち損傷で、後遺障害14級、12級 ??

 賠償科学54号が送られてきました。6月7日にAP浜松町で開催された日本賠償科学会第85回研究会シンポジウム「むち打ち損傷問題の現在」に、田舎弁護士も長男と共に参加しましたが、そのときの講演録が収録されていました。

 島田浩樹弁護士の「むち打ち損傷後遺障害に関する近時の裁判例の状況について」は、大いに参考になります。

 判例時報、判例タイムズ、交通事故民事裁判例集については3年分、自保ジャーナルについては1年分を対象として、むち打ち損傷の後遺障害について、14級か12級かが争点となった75件を取り上げていました。

 むち打ち損傷で、12級13号が認められるようなケースは、田舎弁護士においても数える程しか経験したことはありません。

 島田弁護士によれば、12級13号が認められるためには、a他覚的所見の存在、b事故と他覚的所見の因果関係(あるいは事故前に無症状であった既往の他覚的所見が事故に起因して有症化したこと)、c他覚的所見と神経症状の関係との因果関係、これらはすべて事実認定される必要がありますと解説され、このうち、bの「事故前に無症状であった既往の他覚的所見が事故に起因して有症化したこと」、いわゆる引き金型については、14級9号にとどまるのか、12級13号が認められるのか争いがあるところですが、裁判例も認めた例と認めなかった例の双方がいずれも複数見られました」と説明されています。

 引き金型のうち、札幌地裁令和6年7月19日判決(12級)では、既往の他覚的所見については、加齢に伴うものとして、素因減額をしていませんが、京都地裁令和3年12月7日判決(12級)は、なんと50%の素因減額をしております。

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(朝倉BB バナナジュース)

 なかなか難しいものです😵

 

 

2025年12月17日 (水)

【法律その他】 世間から猛烈な非難を受けた猟友会の判決

 判例タイムズNo1537号で掲載された札幌高裁令和6年10月18日判決です。

 札幌高裁は、

 銃刀所持許可取消処分が銃刀法11条1項1号の要件を充足しているかについては、発射行為当時、ヒグマの位置と市道との間には高低差が3㍍程度しかなく、ヒグマの背後の高さ約8㍍の土手があったとは認められず、ヒグマの背後の斜面は緩やかな斜面に過ぎなかったこと、

 被控訴人が、発射位置より標高が5㍍程度高い地点で立ち上がったヒグマに対して、ライフルを上方に向けて発射しており、発射行為による弾丸は、ヒグマを貫通した後、赦免の地面に接触しなかったか接触したとしてもその入射角がごく小さく、斜面にとどまることなく跳弾することは容易に推認することができ、現に弾丸はヒグマより市道側にいたBの猟銃に当たって貫通していること、

 建物とヒグマがいた地点との間に強固な構造物はなかった上、本件建物のヒグマがいた位置と至近距離にあったこと、

 高速ライフル弾は小枝等に触れただけでも跳弾になりやすいとされる中、斜面には草木が繁茂していたほか石も散乱し、跳弾が起こりやすい状況であったことを考慮すると、周囲建物5件に向かってする猟銃行為に当たると判断しました。

 その上で、本件処分が公安委員会の裁量権の逸脱・濫用に該当するかについては、逸脱濫用に該当するとはいえないと判断しました。

 この札幌高裁の判断過程は、処分を取り消した札幌地裁判決よりは、理論的であると言えます。

 ただ、昨今の道内でのヒグマによる被害多発している状況に鑑みると、結論としては議論があり得るところです。

 法律家としては悩ましいところです。

 その意味では、札幌地裁は、社会通念を根拠として判断しておりますので、大岡裁きに近いような印象を受けました。 

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(横倉山)
 四国でもツキノワグマの話題が最近出ていました。
 嫁ちゃんからも、登山する際には、熊にも注意してねと最近言われるようになりました。
 以前は、スズメバチ、マダニ、マムシ、イノシシだったのですが、最近は、熊も入るようになりました。
 石鎚山系には、生息しているのか、していないのか。。。。はて?

 

2025年12月16日 (火)

【交通事故】 裁判所が自動車保険契約の人身傷害条項の被保険者である被害者(X)に対する損害賠償の額を定めるに当たり、民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用して被害者に対する加害行為前から存在していた被害者の疾患をしんしゃくし、その額を減額する場合における上記条項に基づき人身傷害保険金を支払った保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲 最高裁令和7年7月4日判決

 判例タイムズNo1537で掲載された最高裁令和7年7月4日判決です。

 判決文によると以下の事実を前提としています。 

 Xに生じた人的損害の額(弁護士費用相当額を除く)は、合計941万2961円

 Xは、加害者(Y)の任意社から、80万円の支払いを受けました。

 Xは、人傷社から、666万3789円の支払いを受けました。

 素因減額として3割の減額をすると、658万9073円となります。

 そして、2割の過失相殺をすると、過失相殺後の金額は、527万1258円となります。

 前述のとおり、Xは、任意社から80万円の支払いを受けているため、既払い金を控除した後の残額は、447万1258円となります。

 人傷社は、人傷保険金666万3789円と過失相殺語の損害額527万1258円の合計額1193万5047円から、素因減額後の損害額を控除した残額である534万5974円の範囲で、損害賠償請求権を代位取得するので、人傷社は、損害賠償請求権の全部を代位取得したことになるため、Xの請求を棄却すべきものと判断しました。

 Xは、素因減額と過失相殺を同様に扱うべきであるという主張ですが、林道晴裁判官の補足意見にあるように、「素因減額は、基本的には、被害者に対する加害行為と加害行為前から存在していた被害者の疾患とが共に原因となった場合における損害額の発生そのものに係る局面の問題であり、発生した損害額について公平な分担のための調整を図る過失相殺の問題とは局面が異なるのである。」と説明されているとおり、同じように考えることはできないことになります。

 人傷社が、素因減額が疑われるような場合に、限定支払条項に基づいて、それを考慮した保険金の支払いにするのかは悩ましいところです。

 なぜなら、お客様である契約者と対立すること必至であるからです。

 田舎弁護士としては、素因減額が疑われるような場合に、人傷社が限定支払条項を理由に保険金支払いを減額しているのかどうかを知りたいものです。 

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(フジグラン今治からみた今治市街)

2025年12月15日 (月)

【IT関連】日弁連eラーニング 企業内弁護士の実務上の諸課題 企業内弁護士と契約レビュー AIは企業内弁護士の仕事をどう変えるか? 第4回 企業内弁護士の未来とキャリアデザインをWEBで受講しました。

 日弁連eラーニング・企業内弁護士の実務上の諸課題 企業内弁護士と契約レビュー AIは企業内弁護士の仕事をどう変えるか? 第4回 企業内弁護士の未来とキャリアデザインを、WEBで受講しました。

 講師は、松尾剛行弁護士、福岡充希子弁護士です。 

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(朝倉BBの🍕)
 今後のキャリア戦略についても、お二人の先生から、貴重な示唆をいただきました。
 法務業務のうち、従来は、法的アドバイス等の提供、具体的には、契約書をレビューする、法律相談に応じて法務見解を提出する等の法的処理等を伴う業務を、中心的に捉えてきましたし、現状もそれで運用しております。
 しかしながら、今後明るい未来の展望のためには、legaloperationsに軸足を変えていく必要がありそうです。具体的には、社内顧客(営業部門等)により効果的に法的アドバイス等を提供できるようにするための一連のビジネスプロセス・活動や専門家。例えば、戦略立案、プロジェクトマネジメント、テクノロジー等の専門知識を提供する業務を担当できるようになることが必要です。
 そして、将来のキャリアは、自分でデザインをして、その方向に向けて研鑽を積むという時代になりました。
 そういえば、田舎弁護士の元勤務弁護士達は、華麗なキャリアデザインを計画し、それを実現しております。
 田舎弁護士も、老骨に鞭打って励んでいきたいと思います。
 えっ 「老害になるなよ」ですか😁
 
 

2025年12月14日 (日)

【IT関連】 日弁連eラーニング 企業内弁護士の実務上の諸課題 企業内弁護士と契約レビュー AIは企業内弁護士の仕事をどう変えるか? 第3回 企業内弁護士が生き残るためには?をWEBで受講しました。

 日弁連eラーニング・企業内弁護士の実務上の諸課題 企業内弁護士と契約書レビュー AIは企業内弁護士の仕事をどう変えるか? 第3回 企業内弁護士が生き残るためには?をWEBで受講しました。

 講師は、明石幸大弁護士と上野陽子弁護士です。 

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(高知・鷲尾山)
 リーガルテックが企業内弁護士に与える脅威としては、①仕事がなくなる、②やりがいがなくなる、③育成・トレーニングの機械の低減・喪失、④専門家としての倫理観の低下・喪失、機械としては、①重要なこと・新しいことに注力できる、②AIが得意な作業についてはミスが大幅に減る等が挙げられています。
 
 他方、AIが力を発揮するのは過去事例が多く学習が進んでいる分野においてであり、正解がない領域、データがない領域において、契約書のドラフトやレビューを通じて、当該取引における本質的なリスクを機会を発見し、これらのリスクを管理し機会を活用するスキルは以前と重要なままです。
 また、業務を始める端緒(入口)と、問題点を把握し必要な法的調査分析等を行った上でビジネス側に対してどのようにして返すか(出口)については、現時点ではAIを活用できる業務の外側にあるため、社内における認知や意思決定、コミュニケーションに関するスキルの重要性は低下しません。
 
 そこで、入口、出口に必要な能力をどうやって身につけていくのかが、企業内弁護士の生き残りのためのポイントなっています。
 そして、新たなキャリアの可能性を試行していくため法律以外の分野についても興味を学ぶ、自分で新しいキャリアや働き方を創出していくという意識も重要です。
 以上は、田舎弁護士にとっても相当あてはまりそうです😅 
 

2025年12月13日 (土)

【交通事故】 MIC主催の「画像診断の世界」第2回「脊椎の画像診断」をWEBで受講しました。

 MIC主催の「画像診断の世界」第2回「脊椎の画像診断」(堀江仁志医師)をWEBで受講しました。 

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(嫁ちゃんランチ)
1 脊椎の解剖
  ※腰椎レベルでは脊髄はありません
  ※Cは上の2から Lは下の5から 数える
2 頚椎の外傷性病変
  ※むち打ち    頚をしならせる  頚部捻挫 頚部痛以外に頭痛、目眩、耳鳴り、嘔気などバレリュを生じる 症状はピンポイントで。
           頚部痛はほとんどない
           後遺障害認定されること少ない 14級
  ※椎間板ヘルニア 神経根型 脊髄型
           好発部位 L5-S1 L4-L5 C5-C6
           伸展、圧迫が生じている神経根に、炎症が生じると痛みが誘発される場合がある
           神経根症状 初発は神経根痛 支配筋の局所痛み その後、上肢の温度感覚障害 筋力低下 一側性のしびれ 支配筋の腱反射の低下~消失 下位レベルは正常反射 臨床的には症状と神経支配は必ずしも一致しない
           C7とT1は、C8神経根 
3 腰椎の外傷性病変
  ※圧迫骨折は、11級7号(脊柱の変形障害)を獲得しやすい
4 脊椎領域の後遺障害認定ポイント 
 
  ※C6神経症症状を疑うのでMMT腱反射知覚の所見を明記 
 入門的な内容でしたが、勉強になりました。

2025年12月12日 (金)

【IT関連】日弁連eラーニング・企業内弁護士の実務上の諸課題・企業内弁護士と契約書レビュー AIは企業内弁護士の仕事をどう変えるか 第2回 法務部門が生き残るためには?を、WEBで受講しました。

 日弁連eラーニング・企業内弁護士の実務上の諸課題・企業内弁護士と契約レビュー AIは企業内弁護士の仕事をどう変えるか? 第2回 法務部門が生き残るためには?(田中努弁護士、吹屋響子弁護士)をWEBで受講しました。 

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(フジグラン今治)
 生成AIが法務部門の業務にもたらす変化としては、第1に、契約書作成レビューという分野においては、契約条項の一般的なリスクの取りこぼしが減少する、自ら過去事例と照合する作業が減少する、AIに学習sあせ、AIに指示し、生成物を検証する業務が発生する、第2に、リサーチという分野においては、契約書作成・レビューにあたって必要となる文献、判例調査がAIの質問のみで済ませることが可能となる、紙の書籍や判例集を保管するスペースを減少させ、どこからでもリサーチ業務が可能となることになります。
 他方、負の影響としては、法務部門の予算・人員削減の可能性は十分にありうるということです。
 そうすると、法務部門が生き残るための視点としては、①データ化できない、データ化されていない情報に着目する、②データ化できない、データ化されていないところで人間ができることを探すということになります。
 これは、アウトソーシングという形で企業等から法律顧問契約を締結している弁護士にとってもいえることではないかと思います。
 契約書のチェックについては、1週間に数件程度きている状況ですが、契約書レビューの専用のAIをなかなか弁護士一人事務所では費用対効果にみあわないので、導入しづらいですね😵
 

2025年12月11日 (木)

【IT関連】 日弁連eラーニング・企業内弁護士と契約レビュー AIは企業内弁護士の仕事をどう変えるか? 第1回 生成AIとリーガルテック最前線を、WEBで受講しました😅

 日弁連eラーニング・企業内弁護士と契約レビュー AIは企業内弁護士の仕事をどう変えるか? 第1回 生成AIとリーガルテック最前線を、WEBで受講しました😅

 

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(楢原山登山道)
 非常に興味深いお話をうかがいました。
 生成AIにより、契約書レビューについては、それ以前と異なり、①修正案の自動生成・反映、②自社の過去例に基づく修正案の自動生成・反映、③根拠文献を示した上での質問回答(リーガルリサーチ)、④チャットを通じた契約関連の多様なコンテンツの生成などが可能になります。
 生成AIが実相された契約書レビューAIについては、例えば、チェックリストに基づくものであれば、契約書にに対して自動的機械的な突合を行うに加えて、契約条項の表現に一定程度合わせた形で修正案を自動的に生成表示したり、表示した修正案を契約書の該当部分に自動的に反映したりすることが可能となります。
 生成AIの強みとしては、データが多ければ多いほど、計算環境が強力であればあるほど、性能が向上し、今後も性能向上が見込まれます。
 他方、限界については、田舎弁護士も気付いておりますが、生成物は論理的な正しさ(法的三段論法)ではなく、統計的な確からしさに基づいていること、また、生成物の精度は学習データの量質範囲に依存しているという点です。
 とはいえ、AIが現状できないことをもって将来のできないはずと結論づけることは誤りであるし、また、鳥の飛び方を再現しなくても飛行機を飛ばすことができると同じで、AIは法的三段論法を使えなくても十分に正確な法的アドバイスができるようになるかもしれません。さらに、これがもっとも怖いことですが、旧来の技術で成功している既存プレーヤーが新興の技術の成長可能性を見誤り、新興の技術の採用などの対応に遅れた結果、当該技術が真に脅威であると気付いたときには手遅れとなり、没落するということも想定されます。
 弁護士業は永年にわたり紙と対面での業務でしたが、そのスタイルのままでは生き残りは難しくなっているようです。

2025年12月10日 (水)

【金融・企業法務】 (公社)商事法務研究会会員解説会「公開買付制度・大量保有報告制度の見直しのポイントー金融商品取引法と関係政府令等の改正等を踏まえて~公開買付制度~をWEBで受講しました。

 (公社)商事法務研究会会員解説会・「公開買付制度・大量保有制度の見直しのポイントー金融商品取引法と関係政府令等の改正等を踏まえて~公開買付制度~」をWEBで受講しました。

 20251130_115205                             (朝倉のピザ屋さん)

 公開買付制度は、会社支配等に影響を及ぼすような証券取引の「透明性・公正性」を確保する観点から、そのような証券取引については公開買付けを強制し、①事前の情報開示と②株主の平等取扱いを求めるものであり、その観点から、公開買付けが強制される場合には、4つの開示規制と5つの実体規制に服することになります。

 4つの開示規制は、公開買付開始公告、公開買付届出書、意見表明報告書、対質問回答報告書、5つの実体規制は、買付期間の制限、買付価格の均等性、別途買付の禁止、買付条件変更の制限、撤回の制限です。

 公開買付制度の対象取引を、市場内取引に拡大しました。

  取引の透明性・公正性を確保するために、市場内取引(立会内)を3分の1ルールの適用対象とする

  企業支配権に重大な影響を与えるか否かの閾値を、議決権行使割合や諸外国の水準を踏まえ、議決権の3分の1から30%に引き下げ

  あとは、難し😅

2025年12月 9日 (火)

【法律その他】 民事事件の「特別上告」

 特別上告は、高等裁判所が上告審としてした終局判決に対して認められています(民訴法327条1項)。特別上告の理由は、原判決に憲法解釈の誤りがあることその他憲法の違反がある場合に限られています。

 この点で、通常の上告が法律審への不服申立てであるのに対して、特別上告は憲法審への不服申立てであるといえます。

 但し、その審理の過程で法令違反を発見した場合には、職権で破棄判決をすることができるとされています(法327条2項、325条2項)。

 特別上告の手続には、その性質に反しない限り、上告に関する規定が準用されています(法327条2項、規204条)。

 特別上告の提起により、原判決の確定は妨げられないが、裁判所は執行停止の仮の処分を命じることができます(法403条1項1号)。

 適法な特別上告であることが必要になります。

 例えば、①上告理由の記載が適式でないとき(法316条)、②上告理由書が期間内に提出されないとき(法327条1項)は、高裁においても決定で却下が可能とされています。

 記載の内容に特に問題がなければ、最高裁にて審理がされます。

 その上で、最高裁は、上告却下、上告棄却、原判決破棄自判、原判決破棄差戻しの判断をします。 

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(鈍川温泉)

2025年12月 8日 (月)

【IT関連】日弁連eラーニング・これで分かる!民事裁判のIT化の現状と将来像をWEBで受講しました。

 日弁連eラーニング・これで分かる!民事裁判のIT化の現状と将来像(2024年)をWEBで受講しました。 

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(笠松山)
 まず、裁判手続等のIT化の主な内容としては、3つのeの実現に整理ができます。
 
 1つめが、e提出です。主張・証拠をオンライン提出に一本化する、手数料の電子納付・電子決済を可能とする、訴訟記録を電子記録に一本化するということです。
 2つめが、e事件管理です。主張、証拠への随時オンラインアクセス、裁判期日をオンラインで調整、本人代理人が期日の進捗・進行計画を確認するということです。
 
 3つめが、e法廷です。ウェブ会議・テレビ会議の導入・拡大、口頭弁論期日(第Ⅰ回期日等)の見直し、そして、争点整理段階におけるITツールの活用です。
 次に、Teams の特徴です。各事件毎に裁判所と双方代理人がグループ(チーム)を作り、当該チーム(事件番号で特定)において、裁判所から双方を呼び出し、毎回の期日を実施するというものです。
 ※フェーズ2(なつかし)
 (1)当事者双方が電話会議、ウェブ会議により和解期日及び弁論準備手続期日に参加することを可能とする改正(法170条、89条)
    ⇒遠隔地要件及び一方当事者出頭要件を削除
 (2)ウェブ会議による口頭弁論期日を実施することを可能とする改姓(法87条の2)
  
    口頭弁論 ウェブ会議  ⇐ 公開との関係で電話会議はできない つながらないばあいには、弁論準備に切り替え
    審尋期日 電話会議又はウェブ会議
 ※フェーズ3 (いよいよ来年)
   〇申立て等がオンラインで行う
   〇電磁的記録の送達  システムを用いた送達 システムを用いない送達 公示送達
   〇ウェブ会議による尋問
   〇記録の閲覧等
   〇手数料の電子納付への一本化、郵便費用の手数料への一本化
   〇mintsについて
  
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(楢原山・子持ち杉)
 第2部は、パネルディスカッションでした😅

2025年12月 7日 (日)

【子ども】Q 子どもが高校・大学へ進学したことを理由とする養育費について

 Q&A養育費婚姻費用の事後対応(新日本法規)によれば、私立高校進学や大学進学を理由とする養育費の増額については、算定表において考慮されている学校教育費は、公立の幼稚園から高校までのものであるため、私立高校進学や大学の学費等は考慮されていませんので、私立高校や大学への進学については養育費の増額事由に該当する可能性があると解説されています。

 また、例えば養育費の金額が小学生のころに決めているのであれば、0歳から14歳と、15歳以上の子の生活費指数が異なるために、子が15歳以上になった場合には、養育費増額についての事情の変更が認められることになります。

 これを踏まえると、公立の高校に進学した場合には、基本的な養育費の金額が増加される可能性があるということになります。

 これに対して、私立の高校や大学に進学した場合には、特別な費用として、別途加算計算されることになろうかと思います。

 もっとも、特別な費用として別途加算計算されるためには、義務者の推定的承諾が必要です。

 また、費用加算される対象としては、入学金、授業料等の学納金のほか、交通費、部活動費がありますが、後者によっては、他の書籍の記載をみても、考え方がわかれており、本書においても、事案に応じて裁判所の裁量によりますと説明されています。

 具体的な負担割合については、義務者が負担すべき学費不足額については、①公立学校教育費相当額を控除する方法、②子の生活費指数のうち教育費が占める割合を用いる方法等が紹介されています。

 学費不足額についての父母の負担割合についても、①父母それぞれの基礎収入に応じて超過教育関係費を負担する方法や、②父母が超過教育関係費を2分の1ずつ負担する方法などがあり、いずれも、事案に応じて裁判所の裁量によりますと解説されています。

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(横倉山・杉原神社)

 結局、大まかな方向性はわかるが、裁判官次第ということのようですね

2025年12月 6日 (土)

【IT関連】日弁連eラーニング 初心者のためのITツールの上手な活用法~法律事務所のIT化・各種ITツール利用の初歩~ 第7回弁護士の情報セキュリティ対策の初歩をWEB受講しました。

 日弁連eラーニング 初心者のためのITツールの上手な活用法~法律事務所のIT化・各種ITツール利用の初歩~ 第7回弁護士の情報セキュリティ対策の初歩をWEB受講しました。講師の先生は、本田正男弁護士です。 

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(横倉山自然の森博物館)
 日弁連の弁護士情報セキュリティ規程が、昨年6月1日から施行されています。規程3条2項は、「情報セキュリティを確保するための基本的な取扱方法」(キホトリ)を作成することが求められています。
 当事務所もキホトリは策定しておりますので、近く、事務所のHPでも掲載したいと思います。
 なお、日弁連eラーニングでも、キホトリについての実務研修が行われているようです。
 なお、日弁連会員のみ限定の「弁護士業務生成AIの利活用等に関する注意事項」が9月に公表されています。
 これは参考になりますが、日弁連会員のみ限定ですので、ここでは説明いたしません😁

2025年12月 5日 (金)

【IT関連】日弁連eラーニング 初心者のためのITツールの上手な活用法~法律事務所のIT化・各ITツール利用の初歩~第6回弁護士業務に生成AIを活用してみよう~生成AAI(LLM)の使い方の初歩~をWEBで受講しました。

 昨日に続きます。第6回弁護士業務に生成AIを活用してみよう~生成AI(LLM)の使い方の初歩~を、WEBで受講しました。講師は、篠島正幸弁護士です。 

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(浅尾の沈下橋)
1.生成AI・LLMの初歩的な知識
  生成AIは、自分で回答を作り出すことができるAI 大量の学習教材+膨大・複雑なプログラム(数理モデル)により初めて達成可能
  大規模言語モデル(LLM)は、膨大な言語データを学習し、人間のような言葉でやりとり(自然言語処理))できる生成AI ⇐弁護士業務に特に使えそう
  テキスト(言語)生成系、画像・動画生成系、音声生成・変換系、業務特化型など、さまざまなものがある。
  生成AIのメカニズムは、①数理モデルに多層ニュートラルネットワークを採用、②ディープラーニング(深層学習)で大量のデータを統計的に解析し、③パラメーターを調整して最適化したものに、④インプット(プロンプト)に対し、統計的に人間の回答に近いアウトプットを生成している。
2.生成AI(LLM)にできること
  chatーGPTは、chat式LLM
  ⇒回答が人の思考の産物に見える
   しかし、既存データに基づく統計的予測の結果であり、AIそれ自身の考えはない
3.生成AI(LLM)利用の際の注意点
  物理的技術的制約、データの解析応用という機能上の制約(倫理的判断×、著作物をマネする)、学習教材の質と量による制約、人的介在による制約、誤情報を生成する(ハルシネーション)
 (利用の際の注意点)
  アウトプットに著作権侵害のおそれ
  プライバシー侵害・機密情報漏洩のおそれ
  アウトプットに公正性が欠けている可能性
  ハルシネーションのおそれ
  ① 指示(プロンプト)  個人・機密情報の入力はないか
      ↓
  ② AI          規約やポリシー、設定が適切か
      ↓
  ③ 生成結果       各種権利侵害はないか、嘘がなく適切か
 (2025年9月日弁連から弁護士業務における生成AI利活用等に関する注意事項
  ①秘密保持義務を負う情報や個人データの入力
  ②他人が著作権を保有している情報の入力
  
  ③出力内容(生成物)の利用についての責任・注意事項
  ④知識等の取得
  ⑤事務所内の利用体制の構築整備
4.生成AIを使う準備
  仕事を使うのであれば、有料サービスへ
5.生成AIの一般的な利用方法
  プロンプト入力すれば回答がくる  要望を詳細に組み込めば回答はより精緻に
  画像ファイルや音声ファイルも読み取るサービス(マルチモーダル機能)
  利用規約や設定を確認
6.生成AIを仕事で使ってみる
  向いている作業
   文書の下書き、アイデア出し、翻訳や置き換え
   文書などの要約やアポイント抽出
 
   知らない事項の事前調査、下調べ
   〇業務委託契約書のドラフトの提案
   〇労務問題に関する法令等調査
   〇相続分の計算と遺産分割協議書の提案
 
   〇訴状案
  
  
 

2025年12月 4日 (木)

【IT関連】日弁連eラーニング 初心者のためのITツールの上手な活用法 法律事務士のIT化・各種ITツール利用の初歩 第5回ウェブツール・ITツールを利用した事務職員業務の効率化をWEBで受講しました。

 今回は、第5回「ウェブツール・ITツールを利用した事務職員業務の効率化」をWEBで受講しました(講師は根本好文氏)。

 

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(浅尾の沈下橋)
 この講座は、法律事務で必要な情報を得るためのウェブツールやITツールのお話でした。
 利用しやすいようにしばらくブログのトップにしておきたいと思います。
第1 不動産登記の調査業務の効率化
  ⇒一般的に「住所」として認識されているところの住居表示と、登記所が不動産を管理するところの地番とを対照して、物件を特定する必要がある。
  ⇒従来はブルーマップで確認
        ↓
 ① 登記情報提供サービス  地番検索サービス
 ② ブルーマップ電子版
     
    なお、ニフティビジネスにもゼンリンの住宅地図出力サービスはありますが、ブルーマップの提供はされていないようです。
 ③ 地番と住居表示の対照が劇的に向上  NTTの地番検索サービス
   (2)不動産チェッカー
第2 会社・法人登記の調査業務の効率化
   会社・法人の商号(名称)や本店(所在地)の一連の変遷を順を追って調査する沿革調査
   ① 2012年5月21日以降、会社法人等番号が変更されなくなった
     ⇒会社法人等番号により、会社・法人の同一性の確認が可能になった。
     2015年10月5日以降は、法人番号の付番により、会社・法人の商号(名称)や本店(所在地)の変遷をオンラインで確認可能
   ②法人番号13桁の先頭の1桁を除いた12桁の番号が、会社法人番号 
   ③ T+法人番号=適格請求書発行事業者登録番号
第3 その他業務で活用できるツール
   但し、車両の登録番号+車体番号全桁 が必要
   インターネット上に存在する様々なウェブサイトの過去の内容をみることができるアメリカの非営利団体が運営するサービス

2025年12月 3日 (水)

【刑事】 呆れた判決

 本日のネット配信の埼玉新聞の記事です。

 今年1月にタクシーの乗車料金を支払う意思や能力がないにもかかわらず、タクシーに乗車して運転走行させ、乗車料金8200円分の不法な利益を得たとして、詐欺罪に問われた無職男性(〇〇)の判決公判が1日、さいたま地裁であり、〇〇裁判官は無罪(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。

 男性は今年1月27日、越谷市の南越谷駅からさいたま市岩槻区の岩槻駅までタクシーに乗車した。当時の所持金は149円で、被告がタクシー乗車時に支払う能力がないことを認識していたかどうかが争点となった

 検察は男性が生活保護を受給しており、所持金がわずかであったことを認識した上で乗車したと主張していた。

 〇〇裁判官は判決で、男性が目的地到着後にバッグから封筒様のものを取り出して確認し、運転手が交番に行こうとタクシーを離れた際にもタクシー車内にとどまっていたことなどから、「乗車料金を支払う能力がないことを認識していたと認めるには合理的な疑いが残り、詐欺の故意は認められない」と無罪判決を言い渡した。

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(柏尾山・月石)
 生成AIによれば、南越谷から岩槻までは約20㎞です。実際もタクシー料金は8200円という高額な料金になっています。乗車するために所持金が不足しないか財布と相談しながらタクシー利用を判断するのが通常です。そして、所持金が149円ということですから、概ね財布の現金が乏しいという認識は有していたと考えるのが自然です。
 バックから封筒様というのもその場で取り繕ったような印象を受けますし、逃げなかったということは観念していたのではないかとも思います。
 これで詐欺罪に問われないのは呆れるばかりです。
 こんな判決がでてしまうと、警察や検察も今後対応に困ってしまいます。
 是非とも、控訴して、判決の誤りを訂正していただきたいと思います。
 

【IT関連】日弁連eラーニング・初心者のためのITツールの上手な活用法~法津事務所のIT化・各種ITツール利用の初歩~ 第4回リサーチサービス

 日弁連eラーニング・初心者のためのITツールの上手な活用法~法律事務所のIT化・各種ITツール利用の初歩~ 第4回リサーチサービス(潮秀隆弁護士)をWEBで受講しました。 

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(スカイツリー)
  リサーチサービスとしては、①法令、②判例、③雑誌、④その他文献が対象となりますが、やはり横断的なサービスが強く求められていると思います。
 法令リサーチについては、無償のe-gov法令検索があります。田舎弁護士では、昔はぎょうせいのネットの法令検索を利用しておりましたが、数年前に廃止されてしまいました。
 
 判例リサーチについては、裁判所の判例情報サイトなどがありますが、民間サービスも多数あるように思います。田舎弁護士は判例秘書を利用しておりますが、交通事故関係の判例に弱いように感じます。
 雑誌については、判例リサーチに付随するものが多くみられるように思います
 その他、オンライン上で書籍を提供するものもあり、田舎弁護士も一時期利用しましたが、やはり紙媒体で読むという永年の癖があるために、すぐに解約してしまいました。
 最近は、Aiを利用されたリーガスサービスも出てきております。
 IT技術は日進月歩のため、常にアンテナを伸ばしておく必要があります😇
 

2025年12月 2日 (火)

【IT関連】日弁連eラーニング 初心者のための上手な活用法~法律事務所のIT化・各種ITツール利用の初歩~ 第3回 法律事務所・業務支援サービスをWEBで受講しました。

 日弁連eラーニング 初心者のための上手な活用法~法律事務所のIT化・各種ITツール利用の初歩~ 第3回 法律事務所・業務サービスをWEBで受講しました。講師は岡村庸泰弁護士です。 

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(さめうらダム)
 
 業務支援サービスとしては、①文書管理の業務私選ソフト、②顧客管理・事件管理支援ソフト、③汎用データベースにわけて説明がされています。
 ①の文書管理の業務支援ソフトの特徴としては、例えば、「弁護革命」では、複合機からスキャンしたした文書をソフトに取り込むとPDFに仮タイトルを自動でつけてくれる、主張書面・書証・資料のタブが横軸で切り替え、PDFの番号、タイトルが行で表示される、表示スピードは体感でかなりはやいという特徴があります。また、甲、乙、頁番号の付番を自動で付記する機能、OCR(文字認識)の性能が良く、読み込んだ膨大なデータの中から気になる用語を的確に拾い上げる、Aiを用いた要約など付加的な機能もあります。
 ②顧客管理事件管理支援ソフトについては、legalwin等を例として取り上げていますが、ここの部分は、田舎弁護士が利用している「護」と余り大きな違いは感じられませんでした。
 法曹業界はIT化が遅れていたということは否定できない事実だと思いますが、最近急速にIT化が進みつつあります。
 裁判所を訪ねるということも、ほとんどなくなりました。
 スタッフの嫁ちゃんも含み、もっと、もっと勉強しないといけませんね。

2025年12月 1日 (月)

【IT関連】日弁連eラーニング 初心者のためのITツールの上手な活用法~法律事務所のIT化・各ITツール利用の初歩~第2回契約書レビューツールをWEBで受講しました

 日弁連eラーニング初心者のためのITツールの上手な活用法~法律事務所のIT化・各種ITツール利用の初歩第2回契約書レビューツールをWEBで受講しました。講師は、鶴山昴介弁護士です。 

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(世田山登山道)

 第2回目は、契約書レビューツールの概観です。

 契約書のレビュー結果につては、成果物への反映という形で、使えるものはそのままコピペでも使えますし、また、AIが指摘し損ねている不十分な部分を補充するという形になります。新旧対照表は必要になることが多いでしょう。

 いずれにせよ、弁護士側にとっては、契約書業務の時間短縮にもつながり、法人顧客側からみると事実上のダブルチェック体制をアピールすることも可能です。

 導入するために検討するポイントとしては、①導入コスト、②AIデビューの対応累計、③レビューの網羅性や内容の充実度、④周辺機能やサービスの内容を検討することになります。

 これも30分程で終わりましたね。

 

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