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2025年11月23日 (日)

【金融・企業法務】日弁連総合研修サイト やり直し会社法 会社法の制定と改正のポイント 第3回 取締役、取締役会及び代表取締役並びに取締役の義務及び責任

 日弁連総合研修サイト やり直し会社法 会社法の制定と改正のポイント 第3回 取締役、取締役会及び代表取締役並びに取締役の義務及び責任です。講師は、神田秀樹東大名誉教授です。 

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(愛媛大学学園祭)

第1 取締役・取締役会・代表取締役 (主として、監査役会設置会社を念頭に置く)

株式会社の「業務執行」と「代表」(そして「代理」)  (特則)株式会社と取締役の間の訴訟の場合における株式会社の代表権

■■取締役と取締役会
■取締役会の権限(重要)(会社法362条・399条の13【監査等委員会設置会社】・416条【指名委員会等設置会社】)

意思決定――取締役会で決定しなければならない事項(会社法362条4項等)★

 (注意1)「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制」(業務適正確保体制)⇒「会社法上の内部統制システム」「リスク管理体制」と呼ぶことがあるので注意!

 (注意2)業務(←主語は会社)執行権限を有する者=代表取締役・業務執行取締役(※)  (参考)指名委員会等設置会社では※は執行役
 (注意3)職務の執行」(←主語は人)という概念との違い

・監督

■取締役会の招集と決議(1人1議決権決議取消しの訴えなどの制度はない
■特別取締役制度(実務では使われない)

■議事録(株主総会との違い)

■■代表取締役(※※)
・選定/終任(解職を含む) ・権限(代表権と業務執行権限)・「表見代表取締役」(法的には、代表取締役でない)
・代表取締役の不法行為責任と株式会社の不法行為責任

■代表取締役に関するその他
・権限に違反した対外的行為の効力――判例理論  ・(近年の実務での話題)「執行役員社長」

■(参考)指名委員会等設置会社では、上記の※※は代表執行役

■■〔株式〕会社の使用人(会社法総則に規定あり)―支配人とその他の使用人
   (注意)「使用人」という概念=「従業員」とほぼ同じ
・使用人の代理権
・(ついでに)「表見支配人」

■(参考)
・「商法」の適用範囲
・会社の「商人」性――会社は「商人」か?★

■登記(その1)
■登記の効力(公示力)〔会社法908条1項・商法9条1項
●登記前――登記の消極的公示力登記するまでの間は、善意の第三者に対抗することができない(会社法908条1項前段)(商法9条1項前段)。
●登記後――登記の積極的公示力登記後は、善意の第三者に対しても登記事項を対抗することができる(会社法908条1項前段)(商法9条1項前段)。ただし、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、登記事項を対抗することができない(会社法908条1項後段)(商法9条1項後段)。

■外観信頼保護規定との関係〔会社法の規定についてとりあげる〕
●会社法908条1項の適用範囲(その1)――訴訟行為など
●最判昭和43年11月1日民集22巻12号2402頁)
民事訴訟上誰が当事者たる会社を代表する権限を有するかを定めるにあたっては、平成17年改正前商法12条〔会社法908条1項に相当〕の適用はない〔内紛が生じている同族会社で、株主が未登記の清算人の訴訟上の会社代表資格を争った事例〕。
●会社法908条1項の適用範囲(その2)
●最判昭和35年4月14日民集14巻5号833頁
選任登記前の代表取締役による手形振出……会社が商号を変更し代表取締役を選任したが未だそれらの登記がなされないうちに、その代表取締役が会社名義で手形を振り出した場合、手形所持人に対し手形上の責任を負うのは会社自身であって、代表取締役個人ではない。
・本件でYが勝つという結論に異論はない。理論構成は?

■■登記(その2)
■外観信頼保護規定との関係〔続き〕
●会社法908条1項と民法112条との関係
 ●最判昭和49年3月22日民集28巻2号368頁代表取締役の退任および代表権喪失につき登記がなされたときは、その後はもっぱら平成17年改正前商法12条〔会社法908条1項に相当〕が適用され、民法112条を適用ないし類推適用する余地はない。
●正当事由
 ●最判昭和52年12月23日判例時報880号78頁
 昭和43年12月28日に代表取締役の資格喪失および取締役退任の登記がなされ、遅くとも昭和44年1月7日か8日には同登記事項につき登記簿を閲覧することが可能であった場合には、同年2月上旬にその者が会社名義で振り出した約束手形の受取人は、その代表資格喪失を知らなかったことにつき平成17年改正前商法12条〔会社法908条1項に相当〕の正当事由があるとはいえない。
●理論構成
(1)会社法908条1項は民法に勝つが会社法13条や354条に負ける(=理論なし)。
(2)正当事由を弾力化(服部栄三博士)
(3)積極的公示力(悪意の擬制)を否定(浜田教授)
(4)登記すべき事項と登記を見ればわかる事項を区別(大塚教授)

■登記(その3)
不実の登記〔会社法908条2項・商法9条2項〕
故意または過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることを善意の第三者に対抗することができない(会社法908条2項・商法9条2項)。これは、不実の登記を信頼した者を保護するための規定である。
●判例
●最判昭和47年6月15日民集26巻5号984頁
「不実ノ事項ヲ登記シタル者」とは、当該登記を申請した商人を指すが、その不実の登記事項が取締役への就任であり、かつその就任の登記につき取締役とされた本人が承諾を与えた場合は、同人もまた不実の登記の出現に加功したものというべく、平成17年改正前商法14条〔会社法908条2項に相当〕を類推適用して、同人も、故意または過失があるかぎり、当該登記事項の不実なことをもって善意の第三者に対抗することができない
●最判昭和62年4月16日判例時報1248号127頁
・評釈:塚原朋一・ジュリスト897号77頁、藤田友敬・ジュリスト960号77頁
●最判昭和63年1月26日金融法務事情1196号26頁
上記最判昭和47年のルールが適用されるのは、は、株式会社の取締役を辞任した者が、登記申請権者である当該会社の代表者に対し、辞任登記を申請しないで不実の登記を残存させることに明示の承諾を与えていた等の場合に限る。
●分析(学界)
会社法908条2項をクッションとして会社法429条1項の取締役の対第三者責任を認めるという理論構成は妥当とはいえないのではないか。

第2 取締役の義務と責任

■■取締役の会社に対する一般的な義務
○善管注意義務(330条・民法644条(取締役以外にも適用あり))
○忠実義務/法令定款遵守義務(355条)
○善管注意義務⇒①監視義務/②「体制」構築・運用義務
 ・違反した場合⇒対会社責任(会社に対する損害賠償責任)

■■取締役の義務
■会社法の規定
・一般的な義務として、善管注意義務(330条・民法644条)と忠実義務(355条)
昭和45年最高裁判決は、忠実義務は善管注意義務をふえんし高度化したものという

善管注意義務から次の2つの義務が出てくる⇒監視義務明文の規定なし、判例理論)、「体制」構築義務もともと判例で認識、会社法で明文化★〔指名委員会等設置会社は平成14年改正で明文化〕

忠実義務を具体化した予防的「事前」規制として、次の3つ
競業取引の規制利益相反取引の規制報酬規制

・善管注意義務は取締役が職務を行うにあたり適用されるが(プライベートな場面での行為には適用されない)、忠実義務は、すべての場面で適用される(たとえば、プライベートな場面であっても会社から土地を購入すると自己取引となる)。


■■企業の不祥事と取締役の責任など
●不祥事の類型
 ○会計不正(不正ないし不適切な会計処理)
 ○不正行為(会社資産の不正ないし不適切な使用)
 ○法令違反行為
●「体制」ないし「内部統制システム」
 ○金融商品取引法(金商法)上の内部統制システム
 ○会社法上のいわゆる内部統制システム(=「体制」)

●コメント
○金商法違反の有無にかかわらず、会社法として、体制構築義務の違反があったかどうかを判断する。

 体制構築義務の違反の有無⇒善管注意義務違反の有無とするのがこれまでの判例

  なお、善管注意義務違反の有無を判断する際は、「任務懈怠+過失」という2元的には考えない(善管注意義務違反があると判断すると過失の有無は問題にしない=過失の有無も善管注意義務違反のなかで判断するのがこれまでの判例)。

○取締役の責任が問われる2類型

 ①取締役会で決定(いわゆる会社ぐるみ)

  ⇒アパマンショップ事件【百選4版48事件】と野村證券事件【百選4版47事件】〔独禁法違反+過失〕が典型例。

 ②行為をした者(取締役または従業員)と他の取締役とが別日本システム技術【百選4版50事件】、日経新聞社【百選なし】が典型例)

  ⇒他の取締役の責任は「監視義務」(従業員の行為の場合は「監督義務」と呼ぶことが多い)または規模の大きい会社では上記の「体制構築義務」(後者の義務違反の有無の判断については、「体制構築義務の違反の有無⇒善管注意義務違反の有無」)。

日本版経営判断原則(取締役の善管注意義務違反の有無に関するルール)
 子会社の株式を高値で買い取った事例として、最判平成22年7月15日判例時報2091号90頁【百選4版48事件】〔アパマンショップ事件〕

 ⇒日本版経営判断原則

 ⇒次の要件を満たした場合は善管注意義務違反なし

:①当該行為が経営上の専門的判断にゆだねられた事項についてのものであること

 ②意思決定の過程に著しい不合理性がないこと

 ③意思決定の内容に著しい不合理性がないこと〔アメリカは①②だけで責任なしとされる〕)

■■取締役の行為に係る事前規制(取締役の忠実義務違反防止のための特別規定)
競業取引
・要件/手続/違反した場合の行為の効力/違反した場合の対会社責任
・356条+365条+423条(とくに2項3項4項)+428条+369条2項5項
手続ルールに違反した場合の取引の効力は、解釈問題

利益相反取引(取締役・会社間の取引)
・直接取引/間接取引
・要件/手続/違反した場合の行為の効力/違反した場合の対会社責任
・356条+365条+423条(とくに2項3項4項)+428条+369条2項5項
・手続ルールに違反した場合の取引の効力は、最高裁判例(相対的無効説)

報酬の規制【令和元年改正あり】
・361条/404条3項

①株主総会決議がないと取締役の報酬債権や退職慰労金債権は発生しない(上記の最判昭和39年12月11日参照)。ただし、株主総会決議なく退職慰労金が支払われた場合には、その後、退任取締役にその返還を求めることは、信義則違反ないし権利濫用となる場合がある(最判平成21年12月18日判例時報2008号151頁)。

②株主総会の決議によって取締役の報酬が具体的に定められた場合には、その報酬額は、会社と取締役間の契約内容となり契約当事者を拘束するから、その後、株主総会が当該取締役の報酬を無報酬とする旨の決議をしても、当該取締役は、これに同意
しないかぎり、報酬請求権を失わない(最判平成4年12月18日民集46巻9号3006頁)。また、退職慰労金について、退職慰労金に関する内規を廃止したとしても、その廃止の効力をすでに退任した取締役に及ぼすことはできない(最判平成22年3月16日判例時報2078号155頁)。そして、株主総会決議がされた場合に、取締役会決議によって退職慰労金を減額することは、内規に反し許されないとされた事例がある(東京高判平成20年9月24日判例タイムズ1294号154頁)ほか、退職慰労金を減額する取締役会決議において議長であった代表取締役の不法行為責任が肯定された事例がある(宮崎地判令和3年11月10日+福岡高宮崎支部判令和4年7月6日金融商事判例1657号35頁)。

■■役員等の損害賠償責任
○「役員等」とは(423条1項)
会社に対する責任(423条1項)・・民法の債務不履行責任の特別規定
○会社以外の第三者に対する責任(429条1項2項)・・会社法による特別責任。民法の不法行為責任と共存(併存)する

■■役員等の対会社責任(423条)★
○423条1項の要件
・・任務を怠ったこと(任務懈怠)/損害因果関係
・・過失があったこと(423条1項に書かれていない要件)
(=過失がなかったことを役員等が立証したときは責任を負わない)
(=428条1項の反対解釈)

○423条2項――取締役の競業取引

○423条3項4項――取締役・会社間の取引

○428条(無過失責任)――取締役・会社間の取引(自己のための場合)
○消滅時効・遅延損害金の法定利率
・・平成29年民法改正

○問題となる行為をした者以外の者の責任
・・取締役会決議で賛成した取締役
・・監視義務に違反した取締役等

■■対会社責任の免除と軽減(条文上は「一部免除」)
○免除(全部免除)(424条など)
○軽減(一部免除)(425条・426条・427条)
・対象となる責任
・重過失の場合を除く
・監査役(監査等委員・監査委員)全員の同意が必要
・「最低責任限度額」(報酬等の2年分・4年分・6年分)を超える部分のみ免除可
・3つの類型
・・事後の株主総会決議(425条)
・・定款+事後の取締役会決議(426条)(取締役2人以上の場合のみ)
・・定款+事前の責任限定契約(427条)(「非業務執行取締役等」のみ)

■■役員等の対第三者責任
○429条1項と2項
○429条1項の要件―「職務を行うについての悪意または重過失」  損害/因果関係
○429条1項の責任の性質―昭和44年最高裁大法廷判決 ※最大判昭和44年11月26日民集23巻11号2150頁
○「直接損害」「間接損害」という概念
○主要な判例⇒体系書等を参照 ○近年の傾向⇒体系書等を参照
○登記簿上の取締役の責任・最高裁の判例は、会社法908条2項をクッションとして会社法429条1項の取締役の対第三者責任を認める。
○429条2項に基づく責任

第3 株主代表訴訟、会社補償制度

■■株主代表訴訟(847条)
○意味と呼称(責任追及等の訴え)
■対象=条文上は<「発起人等」の会社に対する責任「等」>
○取締役等(条文上は「発起人等」)
○会社に対する責任「等」
・条文上は限定されているが、それより広い(最判平成21年3月10日民集63巻3号361頁<百選4判64事件>)
■原告適格
○規律○原告適格の継続(851条)★ ○旧株主(847条の2)【平成26年改正】
■請求できない場合
■手続
■会社の被告側への補助参加
■判決の効力
■訴訟上の和解
■■多重代表訴訟(847条の3)【平成26年改正で導入】
○意味と呼称(最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え)
■対象――特定責任
■原告適格
■その他
■■違法行為等の差止め(360条・422条)
■要件/その他
■■検査役による調査(省略) 

■■会社補償制度(令和元年改正後の会社法430条の2)
【改正前】
・会社補償制度は存在しなかった。
【改正後】
・会社補償制度が新設された。
【趣旨】
・取締役に対する適切な職務執行のインセンティブの付与
【補足】
・会社補償というのはわかりにくい言葉であるが(英語ではcompemsationではなくindemnificationという)、取締役が職務執行に関連して支出した費用や受けた損害を一定の範囲と条件のもとで会社が支払うことを意味する。
・改正法は一定の場合について一定の手続を経て補償契約を締結して補償を実施する道を新設した(公開会社は事業報告における事後の情報開示も求められる)。
・補償契約という契約を会社と役員等(会社法423条1項)の間で締結して、それに基づいて補償がされる場合について、手続等の規律が新設された。

・補償とか会社補償というのは、日本語としても、わかりにくい概念である。ここでは、役員等にその職務の執行に関して発生した費用や損失の全部または一部を会社が事前または事後に負担することを意味する。改正前会社法には会社補償に関する規定はなく、この問題は解釈にゆだねられていた。たとえば、役員等が第三者から責任追及に係る請求を受けた場合において、その役員等に過失がないときは、その役員等が要した費用について、同法330条および民法650条に基づいて補償が認められるという解釈があった。しかし、どのような範囲において、どのような手続により、会社補償をすることができるかについての解釈は確立していない。
・改正法は「補償契約」を定義し、会社が補償契約の内容の決定をするには、取締役会設置会社では取締役会(非取締役会設置会社では株主総会)の決議を要するとする(株主総会参考書類の記載事項につき、会社法施行規則74条1項5号等)。「補償」の対象は、(ア)役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、または責任の追及に係る請求を受けたことにより要する費用と、(イ)役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における損失であり、(イ)は次の二つである。(ⅰ)損害を役員等が賠償することにより生ずる損失、(ⅱ)損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、役員等がその和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失。

・監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社では、取締役会は補償契約の内容の決定を取締役または執行役に委任することができない。このことは、監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社以外の取締役会設置会社においても、取締役会は上記の決定を取締役に委任することができないことを前提としている。
・補償契約を締結している場合であっても、補償することができない費用・損失が次のように規定されている。(ア)費用のうち通常要する額を超える部分、(イ)会社が損害を賠償するとすれば役員等が会社に対して423条1項の責任を負う場合には、損失のうち当該責任に係る部分、(ウ)役員等がその職務を行うにつき悪意または重大な過失があったことにより対第三者責任を負う場合には、損失の全部。
・なお、役員等が不当な目的をもって職務を執行していたような悪質な場合であっても、会社の費用で防御費用が賄われることとなると、役員等の職務の適正性を害することが懸念される。そこで、会社が、事後に、役員等が自己もしくは第三者の不正な利益を図り、または会社に損害を加える目的をもって職務を執行したことを知った場合には、役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。
・補償契約の内容の決定には取締役会設置会社では取締役会決議(非取締役会設置会社では株主総会決議)が必要であるが、補償契約に基づき補償を実行する際には、これらの決議が必要であるとはされていない。ただ、事案によっては、補償契約に基づく補償の実行は「重要な業務執行の決定」(会社法362条4項等)に該当することはあり得ると考えられる。
なお、補償契約の締結およびそれに基づく補償の実行について、利益相反取引規制(会社法356条)は適用されず、平成29年改正後の民法108条の適用もない。
・公開会社における事業報告での情報開示に関する規律が整備された(会社法施行規則121条参照)。

■■役員等のために締結される保険契約(改正後の会社法430条の3)
【改正前】
・会社法には規定が存在しなかった。
【改正後】
・手続等の規律が新設された。
【趣旨】
・取締役に対する適切な職務執行のインセンティブの付与
【説明】
・役員等賠償責任保険(いわゆるD&O保険)について、会社法上、手続等に関する規律が新設された。
・改正法の規律の対象となる役員等賠償責任保険の内容を会社が決定するには、取締役会設置会社では取締役会(非取締役会設置会社では株主総会)の決議を要する(株主総会参考書類の記載事項につき、会社法施行規則74条1項6号等)。なお、利益相反取引規制(会社法356条)は適用されず、平成29年改正後の民法108条の適用もない。
・対象となる保険契約について、改正法は「役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を?補することを約する保険契約であって、役員等を被保険者とするもの(法務省令で定めるもの(会社法施行規則115条の2)を除く。)」と定義している。
・監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社では、取締役会は役員等賠償責任保険契約の内容の決定を取締役または執行役に委任することができない。このことは、監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社以外の取締役会設置会社においても、取締役会はこの決定を取締役に委任することができないことを前提としている。
・公開会社における事業報告での情報開示に関する規律が整備された(会社法施行規則119条2号の2・121条の2)。

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