【相続】 死亡前の預金口座からの出金
判例タイムズNo1536号で掲載された東京高裁令和5年8月3日判決です。
高裁は、夫Yが、亡妻Aの生前に、妻が管理していた妻名義の預金を引き出したことについて、当該預金の出捐者は専ら夫であり、口座名義及び管理状況のみをもって当該預金が妻に帰属していたものと認めることは困難であるとして、妻の子Xが相続したと主張する妻の夫に対する不当利得返還請求を認めませんでした。
これに対して、原審は、本件預金は、YとAとの婚姻生活の中で、AがYからYの給与収入や自営業の利益を預かり、これを家計等に充てたりした後、余剰を自らの名義で貯蓄してきたものであり、Yの包括的な同意のもとで、A名義で形成されたものであるから、名義どおりAに帰属しているとして、Xの請求を認めました。
高裁は、前記事情の下で、他方、Aは自営業を手伝うほかには就労等をしていなかったことから、本件預金出捐者は専らYと認定しました。
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