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2025年10月25日 (土)

【消費者法】日弁連総合研修サイト 消費者問題に関する連続講座 基本法編 第3回特定商取引法

 日弁連総合研修サイト 消費者問題に関する連続講座 基本法編 第3回特定商取引法を受講しました。講師は、澤田仁史弁護士です。

第1 特定商取引法とは(第2~第8の7つの類型が特定商取引)

 1 特定商取引7類型  ①民事効に関する規定(取消・解除・無効) ②行政処分に関する規定(禁止行為)

 2 差止請求権

 3 雑則(ネガティブオプション含む)

 4 罰則    

第2 訪問販売

 1 訪問販売とは(法2条1項)

  (1)営業所等以外での申込み・契約

    ①販売業者・役務提供事業者(販売業者等)が

    ②「営業所等」以外で売買契約・役務提供契約(売買契約等)の申込みを受け、若しくは、売買契約等の契約を締結して(申込み等受けて)

      ※「営業所等」とは?

         法2条1項1号 ⇒ 営業所、代理店、その他主務省令で定める場所

         省令1条(通達も参照)

          営業所(1号)、代理店(2号)、露店屋台その他これらに類する店(3号)

  (1~3号以外で)一定の期間にわたり、商品を陳列し、当該商品を販売する場所であって、店舗に類するもの(4号)

             ⇒展示会商法

  (1~3号以外で)一定の期間にわたり、購入する物品の種類を提示し、当該種類の物品を購入する場所であって、店舗に類するもの(5号)

         自動販売機その他の設備であって、当該設備により売買契約又は役務提供契約の締結が行われるものが設置されている場所(6号)

    ③行う商品の販売・役務提供(販売等)をいう。

  (2)キャッチセール

     販売業者等が「営業所等」において、営業所等以外の場所において呼び止めて営業所等に同行させた者から売買契約等の申込み等を受けて行う商品の販売等をいう。

  (3)アポイントメントセールス

     販売業者等が「営業所等」において、政令で定める方法により営業所等に誘引した者から売買契約等の申込み等を受けて行う商品の販売等をいう

     政令で定める方法とは?

    ①販売目的隠匿型(政令1条1号) 販売目的を隠して、営業所その他の場所への来訪を要請すること

    ②有利条件型(政令1条2号) 他の者に比して著しく有利な条件で営業所その他の場所への来訪を要請すること

     来訪要請手段について(政令1条1号、2号)

     ①販売目的隠匿型(政令1条1号)

       電話、郵便、信書便、電報、ファクシミリ、法12条の3第1項の電磁的方法ビラ、パンフレット、拡声器で住居の外から呼びかける、住居を訪問する。

     ②有利条件型(政令1条2号)

       電話、郵便、信書便、電報、ファクシミリ、法12条の3第1項の電磁的方法、パンフレット、住居を訪問する

      ※法12条の3第1項の電磁的方法 

        ⇒省令11条の2

         ①ショートメール(SMS)(1号)

         ②電子メール(2号)

         ③「その受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信を送信する方法(SNS)(3号)   

 2 特定権利(法2条4項) ※電話勧誘販売、通信販売共通

   かっては、政令指定商品、指定役務、指定権利制

                ↓

   平成20年改正で、指定商品、指定役務制は廃止されたものの、指定権利制は残った

                ↓

   平成28年改正は、指定権利を特定権利として適用対象を広げるとともに、これまで権利か役務か疑義のあった取引(CO2排出権など)については、役務提供と解釈するとされた。これによって法適用の隙間は生じないとされる 

 3 書面交付義務(法4条、5条)

   (1)申込みを受けた時の書面交付義務(法4条) ⇒申込書面

   (2)契約締結時の書面交付義務(法5条) ⇒契約書面

     申込書面、契約書面を法定書面と言い、これが消費者に交付された時が後述のクーリング・オフの起算日とされる。法定書面の要件を満たさない書面は不備書面として、それが交付されてもクーリング・オフの起算日とはされない

 4 クーリング・オフ(法9条)

  (1)制度の概要

    ①特商法7類型では通信販売を除いてクーリング・オフの規定あり。

    ②理由不要、無条件の申込みの撤回又は契約の解除

    ③原状回復など消費者に有利な規定あり

  (2)要件

    訪問販売により、商品等の売買契約・役務提供契約の申込みを受け又は締結したこと

  (3)権利行使障害要件

    ①法定書面交付から8日間を経過したとき

     ※契約書面受領日の前に申込書面を受領していた場合は申込書面受領日が起算日

     ※要件を満たした法定書面の交付がない場合、8日間の起算日は進行しない

     ※初日参入

     ※クーリング・オフの通知は書面で(2021年改正で電子メールOK)

    ②クーリング・オフ妨害があったときは改めて告知書面を受領してから8日間経過したとき

     ※クーリング・オフ妨害があつたときは、8日間の起算日は進行しない

     ※事業者が、省令の規定に基づいて、クーリング・オフができる旨の書面を交付した場合は、その交付を受けた日から8日間を経過するとクーリング・オフはできない。

    ③法26条以下の適用除外

     ※営業のために若しくは営業として締結(1項1号) ※小規模零細事業者 名古屋高裁平成19年11月19日判決参照

     ※即時給付型役務(3号)

     ※自動車(4項1号、政令6条の2)

     ※消耗品(5項1号)

     ※3000円以下の現金売買(5項3号、政令7条)

  (4)効果

    ①書面発信時に効果発生(2項)

    ②事業者は、クーリング・オフに伴う損害賠償又は違約金の請求ができない(3項)

    ③引き渡された商品の引き取り、返還に関する必要は事業主負担(4項)

    ④事業者は、消費者が商品、役務によって得た利益の返還を求めることができない(5項)

    ⑤役務提供業者は、速やかに代金を返還しなければならない(6項)

    ⑥消費者は、事業者に対し、無償で原状回復を求めることができる(7項)

    ⑦強行規定(8項)

 5 過量販売解除(法9条の2)

   (1)事業者が、訪問販売によって、消費者の日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える(過量な)売買契約、役務提供契約(1項1号)

   (2)事業者が、訪問販売によって、過去の消費者の取引から、自分の契約を履行することによって過量となることを知っていた場合、または、既に過量となっていることを知っている場合の売買契約、役務提供契約(1項2号)

   ⇒これらについて、申し込みの撤回、契約の解除を認めた

   ⇒消費者の側に契約締結を必要とする特別の事情があったときは解除等をすることができない

   (3)行使期間(2項)   契約締結から1年以内 ※クーリング・オフとの違いに注意

   (4)効果(3項)     クーリング・オフの規定を準用

 6 取消権(法9条の3)

   (1)事業者が、法6条1項に違反して不実のことを告げ、消費者がそれが事実であると誤認した場合

   (2)事業者が、法6条2項に違反して故意に事実を告げず、消費者が当該事実が存在しないと誤認した場合

         ⇒消費者は、意思表示を取り消すことができる(1項)

   (3)取消は善意無過失の第三者には対応できない(2項)

   (4)取消権の時効は、追認できる時より1年、契約時より5年

第3 通信販売

 1 通信販売とは(法2条2項、省令2条)

    郵便、信書便、電話機、ファックスその他の通信機器又は情報処理の用に供する機器、電報、預金又は口座に対する振込による売買契約、役務提供契約で電話勧誘販売に該当しないもの

    ※通信販売にはクーリング・オフはない

 2 通信販売における契約の解除(法15条の3)  2021年改正で取消権

    購入者は、商品の引渡、特定権利の移転を受けてから8日間は申し込みの撤回又は契約の解除をすることができる(1項)

    引き取り、返還に関する費用は購入者負担(2項)

    ⇒広告で返品特約を表示すると特約が優先する

 

第4 電話勧誘販売

 1 電話勧誘販売とは(法2条4項)

    ⇒訪問販売とほぼ同じ

 2 書面交付義務(法18条、19条)

 3 クーリング・オフ(法24条)

 4 過量販売解除(法24条の2)

 5 取消権(法24条の3) 不実の告知等 禁止行為は法21条1項、2項

 6 適用除外(法26条)

第5 連鎖販売取引

 1 連鎖販売取引とは(法33条)

    ※無限連鎖講に防止に関する法律で禁止(刑事罰)

 2 書面交付義務(法37条)

  (1)契約締結前に「概要書面」の交付義務

  (2)契約締結後に「契約書面」の交付義務

 3 クーリング・オフ(法40条)  20日間  ※店舗等によらない個人に限る

 4 中途解約(法40条の2)

  (1)クーリング・オフ期間経過後でも中途解約は可能

  (2)損賠賠償額の制限(法40条の2第3項、4項)

 5 取消権(法40条の3)

    不実の告知等  禁止行為は法34条1項、2項に規定

第6 特定継続的役務提供

 1 特定継続的役務提供とは(法41条、政令11条)

    ※エステ、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パスコン教室、結婚紹介サービス

    ※期間+金額

 2 書面交付義務(法42条)

  (1)契約締結までに概要書面の交付義務(1項)

  (2)契約締結後は契約書面の交付義務(2項、3項)

 3 クーリング・オフ(法48条)

  (1)契約書面を受領してから8日間行使可能

  (2)本体の契約とともに関連商品(エステの化粧品等)もクーリング・オフが可能(政令14条、別表5)

  (3)推奨品とされていても、実態から本体の契約と一体といえる場合は関連商品と解するべき

 4 中途解約(法49条)

  (1)クーリング・オフ期間後でも中途解約は可能

  (2)損害賠償額の制限(法49条2項、4項)

 5 取消権(法49条の2)

    不実告知等 禁止行為は法44条1項、2項に規定

第7 業務提供誘引販売取引

 1 業務提供誘引販売取引とは(法51条)

    内職商法(在宅で書面を作成する内職に応募してきた消費者に対し、その書面を作成するのに必要だとの理由でパスコンやパソコンソフトを購入させる)が典型的

    提供した業務によって得られる利益(報酬)を「業務提供利益」といい、パスコンやパスコンソフトの購入代金を「特定負担」という。特定負担には取引料、登録料等も含まれる

 2 書面交付義務(法55条)

 (1)契約締結までに概要書面の交付義務(1項)

 (2)契約締結後は契約書面の交付義務(2項)

 3 クーリング・オフ(法58条)

   契約書面を受領した日から20日間行使可能 ※事業所等によらないで行う個人に限る

 4 取消権(法58条の2) 

   不実告知等 禁止行為は法52条1項に規定 ※中途解約権はない

第8 訪問購入

 1 訪問購入とは(法58条の4)

   物品の購入を業として営む者が営業所等以外の場所で行う物品の購入を訪問購入と定義

   貴金属の買取業者による高齢者等に対する被害(不当に安く買い取る)が多発したことから平成24年改正で導入

 2 書面交付義務

  (1)申込書面(法58条の7)

  (2)契約書面(法58条の8)

 3 クーリング・オフ(法58条の14)

  (1)法定書面受領日から8日間行使可能(1項)

  (2)クーリングオフは善意・無過失の第三者に対応できない(3項)

     クーリングオフ後の第三者は即時取得(民法192条)の問題

     ※訪問購入には取消権の規定はない

 4 第三者への引渡

  (1)購入業者は、クーリング・オフ期間内に購入した物品を第三者に引渡したときは遅滞なく売主に通知しなければならない(法58条の11) ※売主がクーリングオフをした際に誰に返還請求すればよいか分かるようにするため

  (2)購入業者がクーリングオフ期間内に購入した物品を第三者に引き渡すときは、訪問購入に関する売買契約がクーリングオフされたこと又はクーリングオフされる可能性があることをその第三者に通知しなければならない(法58条の11の2) ※これにより、第三者は善意無過失ではなくなる

第9 ネガティブオプション

 1 売買契約に基づかないで送付された商品(法59条)

  ⇒2021年改正されている。

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(笠松山・火災後)

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