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2025年10月 6日 (月)

【建築・不動産】不動産登記の困難要因と実務対応

 新日本法規の担当者から購入した「不動産登記の困難要因と実務対応」です。

 稀にご相談やご対応させていただくケースについてもいくつか取り上げられており、参考になります。

 ケース1は、時効により取得した所有権の相続登記をしたいが、登記名義人及び時効完成時点の占有者も既に死亡している場合です。

 これについては、原告(時効援用権者)から被告(登記名義人)への訴状送達をもって、時効援用の意思表示となるため、訴訟の当事者となる相続人を特定する必要があります。

 被告に相続が生じている場合、時効援用権の行使である意思表示は、相続人全員に対して行う必要があります。

 債務名義(確定判決の内容)には、時効による所有権移転の原因日付となる「起算点」及び「登記権利者」「登記義務者」が明確にされている必要があり、また、時効の登記の前提として、被告(登記名義人)の相続登記が必要であるため、相続登記を原告が代位して行える内容(登記手続を命じる給付判決)とすることにも留意が必要です。

 なお、「実務では、原告又は訴訟代理人から被告に対し、訴訟提起前に「本件土地について時効取得した事情」「共同申請により登記を行うことが難しく訴訟手続を行いたい理由」「そのため訴状が送られてくること」「訴状の内容に異議がない場合は、答弁書を提出する等一切の手続は不要であること」といった、訴訟手続及び登記手続を説明するための通知を行うことが重要とされています」(P127)ですが、1回結審のためにはこのような手紙は不可欠です。

 ケース2は、相続人が不存在の共有者の持分を他の共有者へ移転させる場合です。

 民法255条(共有者の一人が死亡して相続人がいないときは、その持分は、他の共有者に帰属する)との関係で問題となります。

 共有者が死亡した場合、一般的には相続人が当該共有持分を相続しますが、相続人がいない場合には相続財産は法人となり、相続財産清算人による相続財産の清算をすることになります。清算後に残った残余財産については、特別縁故者は財産分与請求をすることができますが、財産分与の請求がなかった場合等に、ようやく他の共有者に帰属することになります。また、相続財産清算人は、「相続人のあることが明らかでない場合」に裁判所により選任されますが、戸籍上相続人が存在しているが、その者が行方不明である場合又は生死不明である場合は、民法951条でいう「相続人の不存在」に該当せず、不在者の財産管理手続や失踪宣告手続によることになります。

 相続財産清算人の選任手続までが必要とうことですね。相続人が不存在の死亡した共有者の持分を他の共有者へ移転する登記申請書もひながたが収録されています。

 ケース3は、解散した法人が登記名義人である土地の所有権を移転する場合です。

 会社の解散により、当該会社は清算事業のみを行う清算会社となり、取締役はその地位を失い、代わって清算人が就任し会社を代表することになります。

 ケース4は、遺言書作成後に一部の相続人が所在不明である場合です。

 平成30年の民法改正により従前の遺言執行者は相続人の代理人とみなすとされていた規定が変わり、遺言執行者に法的に明確な権限が与えられ、その地位において相続手続を進めることができるようになりました。 

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(リーガロイヤルホテル広島)

 

 

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