東京労働大学講座 労働法部門 労働委員会と不当労働行為 森戸英幸慶応大学教授です。 不当労働行為って経験したことがありませんので、大変勉強になりました😅
(冬の楢原山)
Ⅰ 不当労働行為救済制度の意義と目的
※労働組合の結成とかその自主的な活動を妨げる可能性のある使用者の行為(不利益取扱、団交拒否、支配介入)=不当労働行為(労組法7条)の禁止
※過去の後始末をする裁判所とは別に、「未来を見据えた手打ち」「将来に向けての労使関係の正常化」のために行政(労働委員会)による救済手続きを法定 労組法27条以下 目的が違う!
Ⅱ 不当労働行為救済システムの全体像
※不当労働行為救済制度の目的は、議論がある。 団結権侵害説 VS 立法政策説(⇒裁判所は労組法7条を使えない)
判例は、団結権・団体行動権を保障するための規定 基本は、団結権侵害説か(医療法人新光事件) 他方、救済措置の中身は労働委員会が独自に決定してよい(第二鳩タクシー事件)
※(救済申立)都道府県労働委員会⇒(再審査申立)中央労働委員会
Ⅲ 不当労働行為法上の「使用者」
※第1義的には労働契約の相手方当事者だが、それ以外の者でも基本的な労働条件等について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にある場合には、その限りにおいて、労組法上の使用者に該当(朝日放送事件)
労働契約に隣接ないし近似した関係がある場合を含む
※グループ会社の中核企業、親子関係における親会社?
※労働者派遣における派遣先会社は?
Ⅳ 不利益取扱い 総説
※不利益取扱い一般の禁止 労組法7条1号本文前段
※黄犬契約の禁止
※過半数組合とのユニオンショップ協定を許容
※報復的不利益取扱いの禁止
※7条1号違反の効果
Ⅴ 不利益取扱いの成立要件
※労働者、労働組合、「組合員であること」、「加入し・・・結成しようとしたこと」
※労働組合の正当な行為
※「故をもって」
組合活動を嫌悪する取引先からの要求で組合員を解雇した使用者に不当労働行為意思はあるといえるのか(山恵木材事件)
※不利益な取扱い
採用拒否 判例は原則として否定(JR北海道・JR貨物事件) 例外 特段の事情があれば、・・・雇止め、定年後再雇用拒否、事業譲渡時の譲受会社での不採用等
Ⅵ 団体交渉拒否
※団交拒否のほか、不誠実交渉
※団交拒否の正当理由(使用者でない、義務的団交事項でない、誠実に交渉した、交渉が行き詰まりに達した、組合側の交渉態度・条件が不合理)
Ⅶ 支配介入
※使用者との対等な交渉主体であるために必要な自主性、団結力、組織力を損なうおそれのある使用者の行為の類型(組合結成・運営に対する干渉、組合弱体化行為)
※意思連絡なしでも利益代表者に近接する職制上の地位にある者が使用者の意を体して支配介入行為を行っている(JR東海新幹線科長脱退干渉事件)
Ⅷ 労働委員会
※公・労・使三者構成
※審査 和解もある 救済内容は独自(申立主義ではない)
※申立期間 1年 但し、紅屋商事事件
※審問 和解 合議 命令
※確定した救済命令の不履行⇒過料
※再審査手続(高裁みたいなもの)
※行政処分なので、取消訴訟 被告は、都道府県、国になる
※取消訴訟(①労働委員会の事実認定の当否、②不動労働行為の成否、③救済命令が発せられている場合はその内容が適法かどうか)
※取消となれば、命令を再出発 棄却判決⇒命令に違反した者は刑罰
※救済命令(お願い) ←私法上の権利義務確定権限はなし(裁判所ではない)
原職復帰、バックペイ、団交応諾命令、誠実交渉命令、具体的支配介入行為の禁止滅入れ、再査定命令、ポストのノーティス、文書交付など
著しく不合理な命令は裁量権濫用 第二鳩タクシー事件
Ⅹ 不当労働行為の司法救済
※7条1号違反の法律行為 ⇒無効
※7条各号の行為 不法行為の違法性を具備
※7条2号違反 団体交渉請求権は認められるか?
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