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2025年7月31日 (木)

【労働・労災】東京労働大学講座 労働法 労働契約4(配転、出向、転籍、昇進、降格) 小西康之明治大学法学部教授

 東京労働大学講座 労働法 労働契約4(配転、出向、転籍、昇進、降格)をWEBで受講しました。

 視点は、A日本の雇用システム全体での位置づけを意識する、B①権限があるか、②権限が認められても濫用と評価されないか、をチェックする。

一 配転

※包括的合意説VS契約説(テキストの立場)

※配転命令の制限

(1)契約による制約  ★就業規則に定めがあっても、労働契約のチェックも必要 労契法7条但書

 職種・職務内容の限定 専門職

 滋賀県社会福祉協議会事件 最高裁令和6年4月26日判決 職種や業務内容を特定のものに限定する旨の合意

 アナウンサーのケース 九州朝日放送事件 福岡高裁平成8年7月30日判決 格別の特殊技能があるとまでいえない

 裁判所は、職務・職務内容の限定を認めない傾向。職務内容がなくなった場合に、退職、解雇ということになる。

 勤務地の限定 ケースバイケース 海外勤務は?

  労基法15条、労基則5条 書面の交付等において明示すべき事項に、24年4月~ 就業規則・業務の変更の範囲が含まれる

(2)権利濫用法理による制約

 東亜ペイント事件 最高裁昭和61年7月14日判決 業務上の必要性と労働者の不利益を考量

 当該転勤につき業務上の必要性が存しない場合

 業務上の必要性が存する場合であっても、当該転勤命令が他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき

 労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき

 業務上の必要性についても、当該転勤先への異動が余人をもつて容易に替え難いといった高度の必要性に限定することは相当ではなく、企業の合理的運営の寄与する点が認められる限りは

 ※ 労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき

 育介法26条 養育又は介護に対する配慮

 ネスレジャパンホールディング事件(第1審)神戸地姫路平成17年5月9日判決

二 出向(在籍出向)

 ※出向と労働者派遣

 ※民法625条1項 承諾(同意)が必要  同意とは? 個別的同意説、包括的同意説、包括的同意プラスα

 新日鐵(日鐵運輸)事件 最高裁平成15年4月18日判決 出向命令を発令できるし、権利濫用にも当たらない

 興和事件 名古屋地裁昭和55年3月26日 包括的同意

 ※出向命令権の濫用 労契法14条

  リコー事件 東京地裁平成25年11月2日判決

 ※出向中の労働関係 権利義務の分配は? 労働保護法の適用は?  

三 転籍(移籍出向)

※移籍元との労働契約の合意解約と移籍先との労働契約の締結

 又は、労働契約上の使用者の地位の譲渡

※転籍の要件

四 企業組織の変動

※労働契約の承継が強制される(つれていかれる)か、承継から排除される(おいていかれる)かという観点から整理

1 合併   合併会社に当然に承継される 合併の前後に労働条件の統一が行われることが多い → 労働協約、就業規則変更

2 事業譲渡 

  譲渡企業と譲受企業の個別の合意に基づいていかなる権利義務を移転するかを決定する

  労働者の承諾 民法625条1項の適用あり

  東京日新学園事件 東京高裁平成17年7月13日判決

3 会社分割  部分的包括承継

   労働契約承継法 異議 7条措置 5条協議

五 昇進・昇格、降格・(降職)

 人事管理制度は企業によってさまざま

 これまで多くの企業は職能資格制度をとってきた

 職能資格制度と役職位との区別 基本給は職能資格に連動する

 昇進・昇格には使用者の裁量が広く認められる

 降職の場合には相対的に使用者の裁量大 これに対して、職能資格上の降格にあたっては就業規則などによる規定が必要 いずれも、①権限チェック、②濫用チェックが必要

 アーク証券事件 東京地裁平成12年1月31日判決

六 休職

 解雇時の取り扱いを意識する

 近年問題となることが多い、精神的不調を理由とする休職の場合も意識

 休職の終了 

 独立行政法人N事件 東京地裁平成16年3月26日判決 解雇猶予のために設けられた 

 当該従業員の職種に限定がなく、他の簡易な職務であれば従事することができ、当該軽易な職務へ配置転換することが現実的に可能であったり、当初は簡易な職務に就かせれば程なく従前の職務を通常に行うことができると予測できるといった場合には、復職を認めるのが相当

 20250126_144825                              (東京大学駒場)

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