【金融・企業法務】 取締役の競業取引・利益相反取引をめぐる諸問題
判例タイムズNo1532号の新類型別会社訴訟35で掲載された論文です。
競業取引・利益相反取引ですが、田舎弁護士が受験した平成8年の商法の口述試験で質問を受けた分野になりますが、途中で頭が混乱して、支離滅裂な回答をしたことを覚えております。
そのため、特に、利益相反は今でもなぜか苦手意識を持っております。
例えば、設例の第15では、基本的な質問が掲載されています。
(1)から(3)の場合において、利益相反取引についての株主総会等の承認を得ることを有する株式会社は、どれか?
(1)甲社と乙社の代表取締役であるAが、甲社・乙社間の取引をする場合。
⇒甲社、乙社共に必要
(2)Aは甲社と乙社の代表取締役であるが、甲社の代表取締役Bと乙社の代表取締役Cとの間で両社間の取引をする場合。
⇒甲社、乙社いずれも不要
(3)Aは甲社の代表取締役、乙社の取締役であるところ、Aが甲社の代表取締役として乙社の代表取締役C社との間で両社の取引をする場合
⇒本問における甲社・乙社間の取引は、(乙社の取締役である)Aが甲社の代表取締役として乙社(代表取締役C)との間で行うものである(従って、甲社からみると、その取引の相手は甲社の取締役ではない)から、Aは、当該取引が乙社との関係においてのみ会社法356条1項1号の「取締役が・・・株式会社と取引をしようとするとき」に当たるため、乙社においてのみ総会等の承認を得る必要がある。
甲社(代A) ⇔ 乙社(代C) 取締役A
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