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2025年7月 5日 (土)

【離婚】 最新事例にみる婚姻関係の破綻原因

 令和7年2月に新日本法規から出版された「最新事例にみる婚姻関係の破綻原因」です。著者は高裁の部総括判事であった赤西芳文弁護士です。

 第1例から、なかなか強烈なケースでした。

 【1】 妻が「犬は我慢させられないが、夫は我慢すべきとして同居を拒否し、犬の死亡後も同居しないことなどから、離婚請求が認められた事例(東京地判平16・6・23)

    ⇒夫は、犬以下のような発言ですね😵

 【4】 有責配偶者(不貞)からの離婚請求であるが、クレジットカードを取り上げる、携帯電話やメールを使えなくする等のことをした相手方配偶者にも破綻の責任があるとして、離婚請求が認められた事例(東京高判H26・12・24)

    ⇒第1審は、離婚請求を棄却しています。微妙なケースですが、このような判断もあり得るということでしょう。

 【10】 妻に不貞の疑いをかけ、ボイスレコーダーやGPS機器設置による監視をし、攻撃的追及・非難をしたことにより夫婦関係が破綻したことを理由に離婚及び妻の慰謝料が認容された事例(大阪公判H28・7・21)

    ⇒第1審は、離婚請求を認め、慰謝料については否定されています。根拠無き嫉妬に基づく典型的なモラハラと評価されたようです。

 【19】 夫が、妻が家事育児を担うという婚姻当初の役割分担を変更する必要を認めることができず、流産の際の冷淡な対応、無配慮な言動、育児に対する非協力等から、妻と夫の気持ちは大きくすれ違うようになったとして、離婚請求が認められた事例(東京高判H29・6・28)

    ⇒第1審は、破綻を認めずに、離婚請求を棄却しております。第2審の段階では別居期間が3年を超えているので、それも大きな原因になったのだと思います。

 【28】 夫が妻の不貞行為を一旦宥恕した場合、その後夫婦関係が破綻するに至った時は、夫が既に宥恕した不貞行為をもって有責配偶者からの離婚請求と主張することは許されないとして、妻からの離婚請求が認められた事例(東京高判H4・4・24)

    ⇒第1審は、妻の離婚請求を認めませんでした。宥恕した場合には、先の不貞と後の破綻原因とは因果関係がないということなのでしょう。

 【45】 別居期間が9年近くに及ぶ有責配偶者である夫からの離婚請求について、離婚すれば、婚姻費用の支払いがなくなり、妻が経済的に苛酷な状況に置かれ、精神疾患に罹患している三男の監護・福祉に著しい悪影響が及ぶ、夫の離婚給付の提案は不確実であるとして、離婚請求が棄却された事例(東京高判令和元・8・28)

    ⇒第1審は離婚請求を認めましたが、第2審は否定しました。第2審は、夫の有責性の程度が高く、離婚によつて妻が経済的に苛酷な状況におかける可能性が高いこと、そして、精神障害のある三男の監護福祉に悪影響を及ぼすことを理由にしております。

     有力な政治家のようですが、自分の妻子を大事にできない方はどうかと思いますね😵 

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(清澄白河・松平定信のお墓)

 

 

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