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2025年7月23日 (水)

【労働・労災】東京労働大学講座 「労働契約2(解雇、退職、雇止め)」 長谷川珠子岡山大学法学部教授

 今回の東京労働大学講座「労働契約2(解雇、退職、雇止め)」は、長谷川珠子岡山大学法学部教授が講師です。 

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(高縄山の案内板)
1 労働契約の終了場面は、①辞職、②合意解約、③解雇、④契約期間満了(雇止め)、⑤定年の5つがありますが、今回は、この5つについての説明です。
2 辞職
 ※実態として、トラブルは多い。
 ※労働者辞める自由(辞職の自由)は尊重されている。
 ※労働契約が無期の場合は、2週間の予告期間を置く必要がある。民法627条は強行規定。
 ※労働契約が有期の場合は、やむを得ない事由(理由)が必要。予告期間は不要。
  →やむを得ない事由が労働者の過失で生じた場合は?
    民法628条は損害賠償できるように見える。但し、ほとんどない。悪質な場合に限定されている。
3 合意解約
 ※両当事者の合意
 ※退職勧奨自体は、違法ではない。度を超えた場合(何度も言う、屈辱的な言動をする)は不法行為(下関商業高校事件・最高裁昭和55年7月10日判決
 ※退職の意思表示の欠缺・瑕疵
  →真意に基づく確定的な意思表示
4 解雇
 手続・時期に関する規制
  (1)解雇予告義務
     ※解雇の30日以上前に労働者に予告(特別法【労働基準法】が一般法【民法】に優先)
     ※解雇予告手当(解雇予告に代えて)
     ※即時解雇(労働者に相当重大な責任がある場合、天変地変等の場合)  
  (2)特別に解雇が制限される時期
     ※労災や産休  →これらの休業期間+その後の30日は解雇が原則禁止
 理由に関する規程
  (1)法律による特別な規制 ※差別的な解雇の禁止、法律上の権利行使を理由とした解雇の禁止
  (2)判例(労働契約法)による一般的な規制
    
 解雇権濫用法理
  ※判例法理(高知放送事件・最高裁昭和52年1月31日判決)→労契法16条
  ※ルールの具体的な内容 (客観的に合理的な理由があるか、社会通念上の相当性があるか)
   客観的に合理的な理由があるか
    労働者に仕事に対応する力がない(→解雇権濫用法理)、規律違反行為(→解雇権濫用法理)、経営上の理由(→こちらは整理解雇法理で判断)
   社会通念上の相当性があるか
    労働者の能力不足
    労働者の問題行動  改善可能性がないのか
     高知放送事件 寝過ごして放送事故を2度起こしたアナウンサーに対する解雇 
      →最高裁判決・労働者側に有利な事情もピックアップして判断
       (背景)長期雇用慣行 →雇用を維持する上での判断 
       他方で、長期雇用を前提としない場合は、相当性が認められやすい。フォード自動車事件 東京高裁昭和59年3月30日判決
 
  解雇無効=労働契約関係の継続 
 ※解雇紛争における留意点  
   解雇期間中の賃金
 ※整理解雇(普通解雇とは異なる)に関するルール
   労働者側の事情を直接の理由にした解雇ではないので、より厳しくチェックされる。
   整理解雇の4要件(4要素) あさひ保育園事件・最高裁昭和58年10月27日判決
   ①人員削減の必要性、②解雇回避義務、③人選の合理性、④手続きの妥当性
   安易な整理解雇は認められない 実際の訴訟では1つでも欠ければ解雇権濫用とされている   
5 契約期間満了(雇止め)
 ※有期契約の期間途中の解雇(中途解雇)
   →解雇権濫用でないという事情に加えて、期間満了まで待てないような事情が必要
     プレミアライン事件・宇都宮地栃木支決平成21年4月28日
     訴訟コストにみあわないために訴訟に至る例は少ない
   契約期間の上限 原則3年
 ※雇止め
   雇止め法理 → 労契法19条
    労働者が雇止めに異議を述べた場合、次の①②のどちらかにあてはまれば、雇い止めが制限される可能性がある
    ①実質無期契約型(労契法19条1号)
      東芝柳町工場事件 最高裁昭和49年7月22日判決
    ②期待権保護型(労契法19条2号)
      日立メディコ事件 最高裁昭和61年12月4日判決
       →雇用継続の期待に合理性がある場合 業務の客観的な内容、当事者の主観的な態様、更新の手続を総合考慮
  →第1ラウンド ①または②か → 第2ラウンドへ  → 労契法19条を当てはめて、雇い止めが濫用か否かの判断を行う
   労働者からの更新の申込みが必要。   
 ※無期転換と雇い止め
   →有期契約が更新等で通算5年を超えた場合、労働者は無期契約への転換を使用者に申し込むことができ、使用者は拒否できない
   (Q)無期転換に至らないように通算5年を限度として有期契約を締結・更新することは許されるか?
     不更新条項を盛り込む
   →一般論として、5年の限度を設けること自体が許されないわけではない 
   →但し、不更新条項が契約書等に盛り込まれただけでは、それらを超える期待の合理性が否定されるとは限らない
    使用者によって説明等の手続が尽くされているかもあわせて考慮
    なお、労働者がすでに合理的な期待を有するに至った後に、新たに上限等を設ける場合は、労働者が自由な意思で受け入れたといえるか、さらに慎重に判断  
6 定年
 ※高年法のポイント
   定年年齢        60歳以上
   高年齢者雇用確保措置  継続雇用制度、定年制の廃止、定年年齢の引き上げ
 ※継続雇用制度の法的なポイント
   定年でそれまでの労働契約は終了し、継続雇用の労働契約を新たに締結
   形式的には別の契約なので、労働条件を再設定できる
     九州惣菜事件・福岡高裁平成29年9月7日判決 フルタイムの労働者に対し、パートタイムで賃金月額が定年前の25%となる継続雇用を提示したことが不法行為に当たるとした
   継続雇用の有期労働者と定年前の無期労働者の間で、いわゆる同一労働同一賃金の問題が生じうる
 ※70歳までの高年齢者就業確保措置の努力義務 →就業の確保
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                             (7月の高縄寺山門)
 

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