判例タイムズNo1531号で掲載された「取締役の会社法に基づく損害賠償責任をめぐる共通問題(2)」です。
3名の裁判官が執筆されています。
役員等の株式会社に対する任務懈怠責任を定めた会社法423条1項及び役員等の第三者に対する損害賠償責任を定めた会社法429条1項に関して、責任の主体に関する問題を取り上げています。
(北三方ケ森・しゃくなげ)
各論は、賛成取締役の推定、業務執行取締役、使用人兼務取締役、社外取締役、名目的取締役、登記簿上の取締役、事実上の取締役について論じています。
昔の司法試験の商法の論文試験を思い出しました。
田舎弁護士の時代にはなかった「社外取締役」についての解説を見てみます。
「会社法2条15号所定の社外取締役は、①業務執行者から独立した立場で、業務執行者による業務執行全般の評価に基づき、取締役会の決議における議決権を行使すること等を通じて業務執行者を適切に監督すること、②株式会社と業務執行者等の間の利益相反を監督する機能を果たすこと等が期待されている。
社外取締役についても、株式会社の取締役であるから、会社法423条1項の責任又は同法429条1項の責任を負うことがある。
もっとも、具体的事案において社外取締役がこれらの責任を負うか否かについて、常勤と非常勤の社外取締役の職務に携わる状況の質的差異に配慮して弾力的に判断すべきであるとの見解も有力である。」
田舎弁護士が知りうる限り、社外取締役が責任を負った例はきいたことがないのですが、あるんでしょうかね😅
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