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2025年6月

2025年6月30日 (月)

【法律その他】 水産業法務のすべて

 民事法研究会から令和7年7月6日発行の「水産業法務のすべて」を購読しました。

 普段あまり意識していないことがわかりやすく解説されています。

 例えば、「漁業権」とは、「漁業を営む権利」について、行政機関からの免許によって付与される権利という意味です。漁業権が設定されている区域に対する所有権ではありません。

 卸売市場についても、これまで禁止されていた民間業者による卸売市場の開設、仲卸業者が生産者等から直接商品を仕入れること、卸売業者から市場外の小売業者等への直接販売、自己買受けが原則可能になったことなど、平成30年の改正以降は、かなりイメージも変わってきております。

 水産エコラベルという表示もあり、わが国でも、MSC認証、ASC認証、MEL認証の3つの認証が活用されています。

 漁業協同組合は、独占禁止法の適用除外とはされているものの、不公正な取引方法または一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることになる場合は、独占禁止法が適用されます。

 水産業においては労働基準法の規定のうち、労働時間、休憩および休日に関する規定については、適用外とされています。

 海難事故においても陸の事故とは異なりかなり特殊性があります。 

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(清澄庭園)
 東京出張の時間を使ってななめ読みしました😅

  

 

2025年6月28日 (土)

【金融・企業法務】 雇用主(会社)が全役員及び従業員を被保険者として加入した傷害総合保険契約に基づき、従業員に保険事故が発生したことによって雇用主が保険会社から受領した保険金は、当該従業員に引き渡さなければならないとされた事例 大阪高裁令和5年4月14日判決

 判例時報No2621号で掲載された大阪高裁令和5年4月14日判決です。

 Yは、従業員Xに対して、80万円を貸し付けました。その際に強制執行受諾文言付きの公正証書を作成しました。

 Xの労災事故により114万円の保険金をYが受領しました。

 Xが、貸金の分割払を怠ったために、給料の差押えをしました。

 Yは、請求異議訴訟を提訴して、保険金につき不当利得返還請求権を自働債権として貸金と対当額で相殺しました。

 第1審、第2審とも、Xの勝訴です。

 このような相談はたまにあります。

 Yは、114万円の保険金は自社のものとして、Xに渡したくなかったのでしょうか?

 80万円の貸付はよしとしても、もう少し労働者に配慮があってもよいように思われる案件でした。

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                              (竜神平) 

2025年6月27日 (金)

【子ども】 当時3歳2か月の児童のホットドックの誤嚥事故に関し市立保育所の管理職員の職務上の注意義務が認められた事例 東京高裁令和6年9月26日判決

 判例時報No2621号に掲載された東京高裁令和6年9月26日判決です。

 第1審は、保育所勝訴、第2審は、保育所敗訴となった事案です。

 第2審は、①X1(児童)に提供された本件ホットドックについては、パンは、その表面に唾液が付いてたり、牛乳などを飲ませたりすると、表面だけが粘性が高くなり、付着性が高くなって口の中や咽頭の中に残りやすく、ウインナーも、表面がなめらかで丸味を帯びている上、男性も強いため、表面に皮が付いていると相応の咀嚼能力が必要であり、いずれも、誤嚥による窒息の危険性が高かった、②X1には知的障害があり、食べ物をよく噛まないで細かくなる前に飲もうとしたり喉に詰まらせることがあったとした上で、X1が本件ホットドックをよく噛まないままこれを飲みこもうとして誤嚥し窒息したと認定しました。

 そして、Yの保育行政に当たる公務員に職務上の法的義務に違反があるかの検討において、本件保育所の所長などの管理職員としては、食事中の誤嚥事故防止対策として、窒息のおそれがあるパンとウインナーを食材とするホットドックの危険性について、調理担当者や保育士に十分認識させるとともに、小さく切り分けるなど、ホットドックの提供方法について十分に配慮をするよう調理担当者や保育士に周知し実践させるよう職務上の義務を負っていたと指摘し、かかる義務違背がなければ調理担当者や保育士において咀嚼を容易にするための措置を講じることが期待でき、X1の誤嚥は高度の蓋然性をもって避けられたから、当該管理職員に過失も認められるとして、Yの損害賠償責任を認めました。

 第1審と第2審とでは、ホットドックの誤嚥の危険性についての把握の仕方、X1の発達の遅れの内容の把握の仕方で、相違がありました。 

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(皿が嶺・ヒマラヤケシ)

2025年6月26日 (木)

【金融・企業法務】 特別委員会の設置に係る実務対応ー知っておきたい7つのポイント

 旬刊商事法務No2393号に掲載された「特別委員会の設置に係る実務対応」です。

 経済産業省が公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針」(2019年6月28日 公正M&A指針)及び「企業買収における行動指針」(2023年8月31日 企業買収指針)や東京証券取引所の企業行動規範といったソフトローの進展もあって、上場会社を対象とするM&Aに関して特別委員会の利用が広まっております。

 田舎弁護士も、複数回特別委員会の委員を経験したことがあります。

 今回は、特別委員会を設置した場合における実務対応の7つのポイントです。

 第1は、MBO等に限らず、買収提案を受けた場合には設置の要否等の検討をすることが望ましいこと。

 第2は、特別委員会はすみやかに設置し、検討・交渉の初期段階から特別委員会に関与させることが重要であること。

 第3は、独立役員であっても、委員としての独立性の確認が必要であり、報酬や日程確保に関する検討も必要であること。

 第4は、アドバイザー等の独立性の確認も怠らないこと。

 第5は、利害関係のある取締役その他の役職員は取引の検討に関与させないこと。

 第6は、特別委員会設置に係る取締役会の決議の内容は事前に吟味が必要であること。

   ※特別委員会への諮問事項は、おおむね、ⅰ当該M&A取引は企業価値の向上に資するか、ⅱ取引の条件は適切であるか、ⅲ手続は公正であるかを検討の上、ⅳ当該M&A取引を承認すべきか、およびⅴ少数株主にとって不利益かどうかの意見を問う内容とされることが多いですね。

 第7は、常設の特別委員会がある場合にはそれとの関係整理も必要であること。 

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(皿が嶺・風穴)

2025年6月25日 (水)

【法律その他】 外国人材の育成就労制度

 以前、技能実習制度が解消されて育成就労制度が創設されたというお話を耳にしたことがあります。令和6年6月21日から起算して3年以内に施行されることになつているようですが、現時点では未定のようです。

 田舎弁護士の地域でも、外国の方が働きに来られていることが増えております。そこで、最低限のことは知っておく必要があると思って、「すぐに使える!事例でわかる!外国人実習・雇用実践ガイド 第4版」を購入しました。

 日本では、外国人の出入国を管理する方法として、在留資格制度を採用しております。現在は29種類の在留資格が定められており、大きく分類すると、A雇用企業との契約や学校への入学などを在留の基礎とするものと、B国際結婚などの身分事項を在留の基礎とするものに分類されています。

 Aは、特定技能、技能実習、留学等です。Bは、日本人の配偶者等です。

 また、在留資格を雇用可能かどうかという視点で分類すると、(あ)就労可能な在留資格、(い)就労が認められない在留資格、(う)就労に制限がない在留資格、(え)就労可能かが内容により判断される在留資格です。

 日本人の配偶者等は、(う)就労に制限がない在留資格になります。

 離婚した場合には、在留資格がなくなるため、配偶者ビザが失効するため、他の在留資格の申請をしなければなりません。

 技能実習は、A+(あ)に該当します。 

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(皿が嶺・山頂)

 さて、育成就労制度とは、従来の技能実習制度を発展的に解消し、外国人材の確保とその人材の育成を目的とする制度です。具体的には、育成就労制度で原則として3年間の受け入れを行い、その結果として「特定技能」1号に該当する水準の人材を育成するものです。制度の目的は、明確に「人材確保」と「人材育成」とされ、外国人材は「経済社会の担い手、国内企業等の貴重な労働力」と位置付けられました。外国人労働者の受け入れ策として数々の具体的な措置が講じられており、この育成就労制度の創設をもって従来の技術実習1号、2号、3号の制度は廃止となります。

 要は、初期段階は、育成就労、ステップアップとしての特定技能1号、そして、2号への移行、最終的には、永住権が得られるという仕組みとなっております。

 雇用企業からすれば、各種の在留資格の変更を経ることで、実質的には定年退職まで雇用することができることとなり、生涯を通じたキャリアプランの構築やそれを伴ったスキル育成も可能ということになりました😇

 

2025年6月24日 (火)

続 愛媛大学農学部附属演習林自然観察会(春季)に参加しました 😊

 5月17日に、松山市米野にある愛媛大学農学部附属自然観察会(演習林383㌶)に、参加しました。

 コロナのために当分の間休止となっており、今回、数年ぶりの実施のようです(秋季にも開催されるようです😊)

 この観察会は、愛媛大学の役職員を対象に10名ほどの募集があり、以前から演習林には興味を持っておりましたので、参加させていただきました。

 なお、男性の参加者は私1名だけでした😅 

 集合場所は、「愛媛大学米野々森林研究センター」でした。

  まず、「米野々森林センター」は、どこにあるのか、皆様ご存じでしょうか?

 松山市大井野町乙145-2という場所に所在しています。

 大井野ってどこ?となると思いますが、おおざっぱにいえば、国道317号線の水ケ峠トンネルの手前近くと思っていただければと思います。

 自然観察会は、森林研究センターから、ジェラシックパークに出てくるような車に乗り、水ケ峠トンネル手前の道に入り、そこから、右側に、「林道桧皮田線」に入ると、ガッタンガッタン凸凹がある度に身体宙に浮きながら、約10分程して、愛媛大学の作業所近くに着きます。

20250517_101158                   (演習林作業所)

 ちなみに、左側の林道は、「林道水ケ峠線」で、本当の「水ケ峠」の真下にまで通じています。

 自然観察会では、本来は、「林道桧皮田線」にある作業所を起点(演習林入口標高530㍍)として、林道の奥の別の作業所(830㍍)まで、徒歩で訪ねるというものです。

 もっとも、今回の自然観察会は、雨天のため、「100年杉」のところまでとなり、本来の3分の1程度ですが、それでも大変楽しめながら勉強になりました。 

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(100年杉)

 具体的には、自然観察会では、案内役の3人の先生方から、樹木や植物の観察だけではなく、日ごろの愛媛大学の教育や研究についてもごくごく一部ではありますが、歩きながらご説明していただきました。

 Photo_20250614194601                 (防獣ネットー愛媛大学方式)

 例えば、防獣ネットの内側と外側ですが、顕著な違いが明確にわかります。内側は、草に覆われていますが、外側は、草がありません。草は鹿やウサギなどが食べてしまうようです。

 20250517_111232_20250614194801              (単木ガード)   

 例えば、3回生には、「森林科学Ⅲ実習(植林)」という科目があり、植林をして、1つ1つに単木ガードをかける内容のものです。楽しそうですね😅

Photo_20250614195301                (エビフライ)

 松ぼっくりですが、リス🐿がおいしいところを食べた後は、エビフライ🦐になるようです。本当にエビフライの味がするかもしれません。

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                (嫁ちゃんランチ🍙🍙)

 正午前には、集合場所の森林研究センターに戻り、各自解散ということになりました。田舎弁護士は、せっかくの機会ですので、厨房の横の休憩室?で、嫁ちゃんランチをいただきました。エビフライは入っておりません。

 ほとんどの方はランチをとらずに帰ってしまった方が多かったですが、田舎弁護士は、武田大作先生とランチをとりながらお話をさせていただきました。

 ランチの際に、案内をして下さいました他の先生方から、武田先生は、日本におけるボード競技の第一人者で、オリンピックにも5回も出場されていることを教えていただきました。

 ランチの後は、センターの施設の内外を武田先生に案内していただきました。

 20250517_123704               (森林研究センター)

 森林研究センターは、4階建ての建物で、内は、図書館、実験室、厨房、浴室、宿泊室、外は、作業所、木工室、五右衛門ぶろなどがあり、武田先生に、全てを案内していただきました。

 図書館では、戦前の蔵書も多数積まれていました。また、実験室や作業所等での研究の内容についても教えていただきました。

 いろんな研究や教育をされていることを教えていただきました。

 植林についても、外国で取り入れられた方式等も導入して、2~30年程をかけて様子をみたりしているようです。

 また、木の伐採の方法や植林の方法などについても教えていただきました。

 研究成果は、演習林報告等にまとめられているということでした。

 武田先生曰く 学内でも目立たない研究所ですが、研究に、教育に、また、地域貢献に日夜頑張っていますとのことでした。

 さて、演習林報告をみてみると、例えば、杉森正敏先生(森林資源利用システム)をはじめとする先生方が、木材住宅の分別解体の実践というテーマの研究もされていることを知りました。

 木材住宅の炭素貯蔵量を把握するための研究であり、今で言うサスティナビリティな内容のものでした。

 演習林報告は、ポチッとしていただけますと、そこに飛びますよ😅

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                (五右衛門ぶろ)

 五右衛門ぶろは学生にとっても大変人気のあるようです。田舎弁護士自身は、田舎人でありながら、初めて見ました。

  さて、6月17日の愛媛新聞によれば、愛媛県は、16日、2024年度の野生鳥獣による県内農作物被害額は、5億845万円(前年度比47%増)となり、被害を正確に把握できる11年度以降で始めて5億円を超え最高だったと公表したとの報道がされていました。

 ニホンジカなどによる森林被害面積は277ヘクタール(26%増)で過去最大を更新した。被害額は8852万円(6%増)。県森林整備課は生息区域が広がっているのではないかと推測しているとのことです。    

 南海放送においても、渡り鳥の観察からニホンジカの調査まで~ 愛媛の自然を守る人を育てる「西条自然学校」に対して南海放送賞を授与し、 愛媛大学の職員とともにニホンジカの痕跡調査を行っていることが、1月21日に放送されていました。         

 鳥獣被害については、例えば、演習林報告の田内公規先生の「愛媛県における農作物被害の要因と今後の対策に向けて」などが参考になるのではないかと思います。

 すこし話が難しくなってしまいました。

 愛媛新聞様や南海放送様においても、是非とも、演習林の活動に興味を持っていただけたらと思います。

 愛媛大学の関係者の皆様であれば、愛媛大学農学部附属演習林自然観察会に参加が可能です。今度は、秋に実施するようです。

 次回も参加したいです。

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                (ウメノキノタオへの登山口)

 ここから、魚谷森(1005㍍)、南三方ケ森(1156㍍)、白潰(1150㍍)、明神が森(1217㍍)(松山市最高峰)へ行けそうです😅 

 自然観察会で案内をしていただきました先生のお一人(エビフライの手の方)は、なんと、ヤマップ(登山家の共有アプリ)のフォロワーさんでした。

 後で、お互いに、挨拶をさせていただきました。 😇 

 毎週土日曜日の昼間は、森林の中で過ごしていることが多いため、森林に興味を持ちました。

 せっかくですので、もっと知りたくなり、 民事法研究会の「森林業法務の全て」と、朝倉書店の「森林林業実務必携(第2版補訂版)を購入しました。

2025年6月23日 (月)

1997年オープンの「フジグラン今治」が来年1月末頃閉店という報道がされました😵

 フジグラン今治がオープンしたのは、1997年(平成9年)です。

 田舎弁護士が司法試験に合格したのが1996年ですので、翌年は、ちょうど、高松で司法修習生をしていたことです。

 今治に帰省したときに初めてフジグラン今治を夜に訪ねた時には、なんと豪華なとても大きなショッピングモールができたと驚いたものです。

 当時は電化製品も置いていたような記憶があります。

 なお、フジグラン今治の出店に際しては地権者である今治タオル工業組合との交渉があったようですが、その当時、田舎弁護士の父親(タオル会社の社長)が今治タオル工業組合の副理事長をしておりその交渉の担当者の1人だったようです。その後、かなり時が経過した後に、田舎弁護士がフジの社外役員に就任したころだったと思いますが、フジ側の担当者だった方から「先生はYタオルさんと関係があるの?」を尋ねられて、「はい。父親です」と説明したら、「やっぱりそうだったんですね。(Y)社長からは息子が弁護士と医者になつたとうかがったので」とおっしゃられて、世の中は狭いなと思ったことがあります。

 平成11年に田舎弁護士が今治に弁護士として開業し、子どもが小学校にあがったころからは、長女とは時折お買い物&喫茶店での喫茶をしていましたが、長女が中学校にあがると、長女とのデートは少なくなり、今度は、やんちゃな小学生だった長男からはフジグラン今治のゲームセンターでの車を運転するゲームをせがまれてほぼ毎日のようにフジグラン今治を訪ねていました。

 ボーリングも懐かしいです。

 長男が中学校になった以降は、子どもたちも誘ってくれることが次第になくなり、家族連れのときは、「すし水軍」、「じゃんじゃか」、カレー屋さん(ナマステ食堂)での食事がメインとなりました。

 じゃんじゃかは、食べ放題コースをいつも頼んでいましたね😅

 それ以外は、フジグラン今治の映画館は、少しマイナーですがよい映画を上映されていることが多くて、夜、(夫婦割りで)家内と映画を観にいくことが増えました。 Original_24f4da5b5abe4685a4f5d9e9809b29b                              (室町無頼)

 また、事務所の20周年記念の際には、顧問先様のお客様へのお土産をフジグラン今治の方と相談しながら用意したこともあります😄

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                             (ナマステ食堂)

 嫁ちゃんは、ほぼ毎日フジグラン今治を訪ね、フジグラン今治では何でもそろうために便利でした。

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 このように沢山の素敵な思い出の詰まったモールでしたが、残念ながら、来年1月に閉店ということになりました。

 長女からも長男からもネットニュースで見たようで、「寂しいね」というメールが届きました。

 長い間、子どもたちや嫁ちゃんとの素敵な思い出を共に作ってもらえて、ありがとうね😇

2025年6月22日 (日)

【交通事故】後遺障害の認定と異議申立 第2集

 むち打ち損傷事案に関する後遺障害獲得のための必携の書として、「後遺障害の認定と異義申立 第2集」をご紹介させていただきます。

 著者は、加藤久道先生です。

 

 

2025年6月21日 (土)

【金融・企業法務】 公益通報者保護法の改正案の概要と実務上の留意点

 月刊監査役No776号で掲載されました「企業法務最前線」です。今回は、公益通報者保護法の改正案の概要と実務上の留意点が取り上げられました。 

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                          (松山・大井野・キグカラクサ)

 改正案の概要は、4つの観点から改正が盛り込まれています。

  ①事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上、②公益通報者の範囲拡大、③公益通報を阻害する要因への対処、④公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化です。

 まず、①事業者が公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実行力の向上については、(1)現行法の指導・助言、勧告権限に加え、勧告に従わない場合の命令権及び命令違反時の刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)、(2)現行法の報告徴収権限に加え、立入検査権限、(3)報告懈怠・虚偽報告、検査拒否に対する刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)が盛り込まれました。

 次に、②公益通報者の範囲拡大については、事業者と業務委託関係にあるフリーランス(業務委託関係が終了して1年以内のフリーランスを含む)を追加し、公益通報を理由とする業務委託契約の解除その他不利益な取扱いを禁止することが盛り込まれました。

 そして、③公益通報を阻害する要因への対処として、事業者が労働者等に対して正当な理由なく、公益通報をしない旨の合意をすることを求める等によって公益通報を妨げる行為を禁止し、これに違反してされた合意等の法律行為は無効とすること、また、事業者が正当な理由なく公益通報者の探索を禁止する規定を盛り込みました。

 最後に、④公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化について、公益通報後1年以内の解雇または懲戒は公益通報を理由とされたものと推定されること、また、公益通報を理由として解雇または懲戒をした者については6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、法人に対しても3000万円以下の罰金とする旨の規定が盛り込まれました。

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(横峰寺)
 実務上の留意点としては、まずは、内部通報規程とその運用の再確認が必要とされています。また、解雇や懲戒処分を行う場合の対応についても、記録かするなど慎重な対応が求められます。

 

2025年6月20日 (金)

【離婚】 妻である被告との離婚を実現させるために婚姻費用分担金の支払をすることなく兵糧攻めともいうべき振る舞いを続けた原告が有責配偶者に当たるとして、原告の離婚請求を棄却した事例 令和4年4月26日東京家裁判決

 「家庭の法と裁判」6月号に掲載された令和4年4月26日東京家裁判決です。

 裁判所は、原告と被告との間に婚姻の継続を困難にするほどの性格、価値観等の不一致があったと認めるには足りないとしつつも、別居期間が4年6か月を超えていることから、夫婦関係は破綻していると認定しました。

 その上で、妻である被告との離婚を実現させるために婚姻費用分担金の支払をすることなく兵糧攻めともいうべき振る舞いを続け、婚姻関係の修復を困難なものにしたことを理由に、原告を有責配偶者と認定して、離婚請求を棄却しました。

 なお、原告は、第1審の口頭弁論終結後に、被告に対して未払金の全額を支払いましたが、控訴審においても、これを考慮しても、原告の離婚請求は信義誠実の原則に反すると判断しております。

 原告ですが、離婚調停が不調になると、月額46万円の生活費の支払いをしていました、これにより被告が原告から借りていた賃料月額23万円の家賃の支払いができなくなると、今度は、未払い賃料の支払を求めて訴訟を提訴しました。他方で、被告は、原告に対して、婚姻費用分担金の請求を求めて裁判所は月25万8000円の支払いを認めましたが、第1審の口頭弁論終結時に至るまで生活費の支払いをしませんでした。 

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(宇和島・野川登山道)

 原告ですが、モラハラの極みのような対応をされています。裁判所も、身勝手な振る舞いを続けと原告の対応に非難を加えています。

 普通に婚姻費用を支払っておけば、既に離婚ができていたというケースだと思います。

 このような手段で早期の離婚を図ろうと画策することはリスクが大きくてやめた方がいいでしょう。

 また、被告には未成年の子どもも監護していたということですから、父親としてどうなんでしょうか。

 小さな子どもがいる場合は、子ども1番で考えていただきたものです。

2025年6月19日 (木)

南予アルプスの「尻割山」(宇和島)に登ってきました。

 先日、南予アルプスの一画である四本松(721㍍)、尻割山(980㍍)、毛山(1089㍍)に登りました。

 海抜0㍍近くの宇和島市街から、丸山運動公園経由で、四本松、尻割山、毛山に登ります。

 四本松はあまり眺望ありません。 

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(四本松)
 四本松には、野川コースの分岐点があります。
 
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(尻割山)
 尻割山の眺望は素晴らしいです😇
 
  
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(尻割山1)
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(尻割山2)
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(尻割山3)
 尻割山で、ランチをいただきました。今回は、残念ながら、嫁ちゃんランチではありません。
 
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(パパさんランチ😇)
 尻割山を堪能した後は、毛山へ。
 
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(毛山)
 毛山ですが、眺望はありません。帰りは、四本松から、野川コースをとりました。
 
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(野川コース)
 50年位前は、野川コースがメインだったようです。50年前は、しつかりとした登山道があったんだろうなと思いますが、今は、遺跡のようになりつつあります。また、急登が続き、大変な道でした。尻割山の由来として、野川登山道が急登なので、尻を割ってでも登るということからきたという話をどこかできいたことがあります。
 野川コースは、途中で、農園だつたような場所や、しっかりとした休憩所(今は老朽化しております)があり、往時を偲ばせます。
 愛媛県生涯学習センターのデータベースにも、昔の野川コースについての説明(昭和の3~40年ころのお話)がありました😇
 野川登山口から、なんと、滑床渓谷(鬼ケ城山系)まで訪ねていたようです。
 鬼ケ城山系の林業(昭和60年3月)についても、製炭業が発達していたことが紹介されていますが、田舎弁護士がみるかぎり、トロッコ道らしきものは確認できましたが、炭焼き小屋のようなものは確認できませんでした。 

2025年6月18日 (水)

父の日で、子どもたちから、プレゼントをいただきました。(●^o^●)

 先日の父の日で、成人した子どもたちからサプライズがありました。 

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(ずっしり重たいです😅)
 父の日にプレゼントを贈ってくれました。
 
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(フルーツコンポート)
 若桃入りフルーツコンポートが4つ入っていました(●^o^●)
 
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(感謝状)
 感謝状までいただきました。😊
 ありがた山です😅

2025年6月17日 (火)

笠松山に登ってきました。

 笠松山(357㍍)は、南北朝時代に、北朝と南朝との間で大きな戦があった山城であり、太平記にも登場しております。

 その歴史ある里山が、先般、大きな山火事に被災しました。

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                             (山火事の跡)

 田舎弁護士は、笠松山・世田山をホームグランドにしており、本日で、120回くらい登りました。 山頂の観音堂から、今治市街を一望できます。

 観音堂では、いつもの嫁ちゃんランチをいただきました。

 Photo_20250615224801                            (嫁ちゃんランチ)

 今治の名店のパン屋さん「パンピープル」でパンを購入して、その中に、嫁ちゃんがフジグラン今治で買ってきたハムや卵をいれています。もちろん、地元のらくれん牛乳も、フジグラン今治で購入しました。

 えみか(※愛大のキャラクター)の缶バッチをつけた、サイ(※フジのキャラクター)の着ぐるみをきたキティちゃんも、嫁ちゃんランチを欲しがっております😇 

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(キアゲハ)
 観音堂では、キアゲハや黒い大きな蝶が飛び交い、戯れているようにみえました😅
 
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(山桃)
 焼失を免れた山桃からは、美味しそうな実がなっていました。 
 
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(ガメラ岩)
 ガメラ岩も元気そうでした。
 
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(モウセンゴケ)
 愛媛県では絶滅危惧種に登録されているモウセンゴケも、無事でした。 大変な火災でしたが、みんな一生懸命生きていることが伝わりました。

 

2025年6月15日 (日)

【労働・労災】 長期間にわたる自宅待機命令が実質的な退職勧奨であるとして不法行為の成立が認められた一方、その後の懲戒解雇が有効とされた事例 東京地裁令和6年4月24日判決

 判例時報No2620号で掲載された東京地裁令和6年4月24日判決です。

 本件事案は、銀行であるYにおいて銀行員として勤務していた労働者であるXが、Yから勤務態度を問題視されるなどして、約4年半の自宅待機命令を受け、その後自宅待機命令は解除されたものの、Yからの連絡を無視し業務命令に従わず欠勤を繰り返したことから複数の懲戒処分を受けた末に懲戒解雇された事案です。

  この事案ですが、Xにそもそも勤務態度に問題があったという事案でしたが、自宅待機命令の期間が約4年半もあるということは、通常想定しがたい異常な事態とまで評価されています。

 退職勧奨に応じない姿勢を示している場合には長期化させるのではなくて、次の手段を早期に講じるべきだったという事案でした。

 なお、Y銀行ですが、自宅待機命令期間中にも、Xに賃金を支払っていました。 

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                           (双海のシーサイド公園)

 双海のシーサイド公園で、嫁ちゃんと、嫁ちゃんお勧めのアイスをいただきましたよ😅

 

2025年6月14日 (土)

【弁護士考】 弘文堂 条解 弁護士法 第5版

 日本弁護士連合会調査室編著の「条解弁護士法」(第5版)を購入しました。1万4000円+税のなかなかの高額な書籍です。 

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(宇和島尻割山)
 弁護士法自体は、92条までの比較的薄い法律です。第1章の弁護士の使命及び職務から始まり、第2章弁護士の資格、第3章弁護士名簿、第4章弁護士の権利及び義務、第4章の2弁護士法人、第5章弁護士会、第6章日本弁護士連合会、第7章資格審査、第8章懲戒、第9章法律事務の取扱いに関する取締り、第10章罰則、そして、附則から構成されています。
 実務家の弁護士がお世話になる弁護士法の条文は、圧倒的に弁護士法第23条の2ですね。
 弁護士法第23条の2は、「弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があった場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。2 弁護士会は、前項の規定による申出に基づき、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。」と規定しております。
 いわゆる弁護士会照会と呼ばれているものです。
 そのほか、弁護士としては気になるのが、懲戒手続のところでしょうか。
 第8章懲戒から始まる第56条以下の部分です。第1節 懲戒事由及び懲戒権者等から始まり、第2節 懲戒請求者による異議の申出等、第3節 懲戒委員会、第4節 綱紀委員会、第5節 綱紀審査会となっております。
 日常はあまり縁がないことが多い弁護士法ですが、田舎弁護士にとっては本来的には一番関係する法律といってよいでしょう🐼

2025年6月13日 (金)

【金融・企業法務】 有価証券報告書の総会前開示に関する動向と実務対応上の注意点ー2025年3月期決算短信を踏まえて

 旬刊商事法務6/5号で掲載された論文です。

 有価証券報告書を株主総会前に提出する場合の留意点として、3項目に分けて分析されています。

 第1は、有価証券報告書作成の注意点です。

 つまり、定時株主総会前に提出される場合、有報に記載される事項のうち、株主総会やその直後の取締役会で決議される予定の事項の書き方が問題となりますが、決議予定の情報、内容等を記載するので足りるとされています。

 仮に、否決されたとしても、有報の訂正は求められず、臨時報告書の提出で足りるとされています。

 第2は、日程上の留意点です。

 これは、スケジュールの調整をどのように行うのかということに尽きると思います。

 第3は、総会当日の留意点です。

 つまり、有報に開示されている内容について、株主から質問を受けることが発生するがこの点に対しては、会社上の説明義務はないとして回答するよりも、対応可能な範囲で有報の内容も回答にもりこむ工夫が必要ということです。 

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(宇和島・毛山)

2025年6月12日 (木)

【金融・企業法務】 応訴者の訴訟活動に係る主張立証と裁判所が最終的に認定した事実との相違を不法行為の成否の前提として取り上げることは必ずしも相当とはいえないとした事例 東京高裁令和6年1月31日判決

 旬刊商事法務5/25号の新商事判例便覧に掲載されている裁判例です。

 Xは、Yに対して訴訟を提訴して、Xの主張は全て認容されました。

 ところが、この裁判では、Yは、Xの主張は事実ではないといろいろと反論したのですが、これにより、Xは、精神的苦痛を受けたとして、Yに対して、慰謝料請求を求めたところ、第1審は、Yの訴訟活動の一部は客観的事実に反することを知りつつなされたものであり、正当な訴訟活動の範囲を逸脱して社会的相当性を欠く違法なものとして、慰謝料55万円の範囲でXの請求を認めました。 

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                             (松山・でんぷん)

 民事訴訟を提訴した者が敗訴の確定判決を受けた場合において、訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは、当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係が事実的、法律的根拠を欠くものである上、提訴者が、そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たのにあえて訴えを提起したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られると解するのが相当である(最高裁昭和63年1月26日判決)。

                                ↓

 訴えの提起については、応訴すること自体が相手方の負担となるから、事実的法律的根拠を検討の上ですることを求めるとしても提訴者に酷ではないのに対して、

 応訴の場合は、①自ら裁判による紛争解決を求めた場合ではなく、提訴への対応として開始されるものであること、②このような応訴の性格上、応訴者としては提訴者の主張をまずは争いつつ、提訴者の訴訟活動に応じた対応を検討するということが、社会通念上許容されることが多いこと、③応訴した者の対応次第で提訴者の訴訟活動の負担は大きくなるが、それは自ら裁判による解決を求めた者に生ずる一般的負担として受忍すべきであることといった訴え提起の場合と異なる事情を考慮すべきである。

                                ↓

 したがって、応訴した者の訴訟活動が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くとして違法となるのは、例えば、相手方を困惑させたり、訴訟による紛争解決を徒に遅延させたりするなどの不当な目的をもって、およそ裁判所に認められる余地のない場合が想定される(応訴者が訴訟活動においてする事実についての主張立証と、双方当事者の主張立証活動を踏まえて裁判所が最終的に認定した事実との相違を不法行為の成否の前提として取り上げることは必ずしも相当とはいえない。)

                               ↓

 本件各陳述は、いずれもXに対する不法行為を構成するものではないとして、Xの請求を棄却しました。

 訴え提起が不法行為になる場合についての最高裁判例はあるのですが、応訴した者の訴訟活動が違法な行為になる場合についての最高裁判例はないことから参考になります😅

2025年6月11日 (水)

【金融・企業法務】 2025年株主総会想定問答のポイント

 旬刊商事法務5/5ー15合併号が届きました。

 この号では、2025年株主総会想定問答のポイントというテーマの解説が掲載されていました。

 田舎弁護士が関与している企業では、株主数が多いところもありますので、そのような企業の場合には、想定問答集というものを作成されていることが多いように思います。

 近海のポイントは、昨今の世界情勢や市場環境などを反映されているものが紹介されていました。 

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(松山・でんぷん)
 第1に、株主アクティビズムです。質問例としては、「投資家から、株価向上に向けて、水面下で、増配・自己株式の取得、非公開化、非中核部門の売却、事業ポートフォリオの見直し等について提言を受けているか」というものです。
 第2に、トランプ政権発足を受けた国際情勢・動向関連です。質問例としては、「トランプ政権発足後、特に米国を中心として、多様性への取組みが後退する可能性が指摘されている。貴社の対応方針を教えて欲しい」というものです。
 第3に、サステナビリティ関連です。質問例としては、「世界的にサステナビリティ規制が強化される中、わが国でも制度や基準の公表が相次いでいる。サステナビリティ情報開示に関する貴社の対応はどうなつているか」というものです。
 第4に、有価証券報告書の総会前提出関連です。質問例としては、「金融担当大臣が、今年の株主総会については、有価証券報告書を株主総会前に提出するよう要請していたが、貴社の来年度の取組み予定について説明してほしい」というものです。
 最後は、バーチャル株主総会関連です。質問例としては、「貴社ではバーチャルオンリー株主総会の採用を検討しているか。また、今後の開催方針について教えて欲しい」というものです。
 これ以外に限られるわけではありませんが、今年度のトピックはこのような質問でしょうね。
 

2025年6月 8日 (日)

【交通事故】 日本賠償科学会第85回研究会に参加しました😇

 6月7日、AP浜松町で開催されました日本賠償科学会第85回研究会に参加しました。

 今回は、東大に在学中の息子と共に参加しました。

 むち打ち損傷問題の現在というテーマでした。

 まずは、「超高齢化社会での、外傷後の首下がり、頑固な頸部痛みに関する最近の知見」と題して、遠藤健司東京医科大学教授の発表がありました。

 次に、「むち打ち損傷の治療経過に関わる要因」と題して、三木健司大阪行岡医療大学教授の発表がありました。損害保険料率算出機構の協力を得て、1年間で日本で発生する外傷性頸部症候群のほぼ全例を調査した上での発表です。治療期間の最頻値が医療類似行為無しでは1日であるのに対して、医療類似行為があると29日となり、治療期間が不自然に延長化していることを指摘されています。

 3番目が、臨床医からみたむち打ち損傷の現状と題して、山下仁司医師の発表がありました。治療の必要性・相当性を判断するのは第一に医師であることから、損保会社として治療費立替払いを打ち切る場合には、患者との医療機関の十分な説明が必要だと指摘されています。

 以上は、医師からの発表ですが、

 4番目は、むち打ち損傷をめぐる近時の状況として、古笛恵子弁護士が発表されていました。息子は、この発表が全体を理解する上でわかりやすかったので、一番先にあればよかったのにとコメントしていました。

 5番目は、むち打ち損傷後遺障害に関する近時の裁判例の状況についてと題して、島田浩樹弁護士が発表されていました。

 この中で、「平均週2回以上かつ6か月以上」の受診実績があり、特段の頸部既往症や治療期間中の症状増悪や不信事由等が存しないケースについては、基本的に14級9号が認められているという状況については、高野真人弁護士から本当にそういえるのか画像所見等の見落としがないのかもう少し精緻な分析が必要ではないかというコメントが入りました。

 自賠責の後遺障害等級認定が確認し得たものは、61件で、その中で、①自賠責の等級認定が判決におても維持されたのは45件(74%)であり、②等級が上がったのは9件(15%)、③等級がさがったのは7件(11%)と紹介されています。

 また、局部の神経症状として14級が認定されるためには、医学的な説明で足りると言われていますが、それって、証明でないのになんで14級認定できるんか?という質問が医師からされていました😅 

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(AP浜松町)

 

2025年6月 4日 (水)

【金融・企業法務】 判タ 取締役の会社法に基づく損害賠償責任をめぐる共通問題(2)

 判例タイムズNo1531号で掲載された「取締役の会社法に基づく損害賠償責任をめぐる共通問題(2)」です。

 3名の裁判官が執筆されています。

 役員等の株式会社に対する任務懈怠責任を定めた会社法423条1項及び役員等の第三者に対する損害賠償責任を定めた会社法429条1項に関して、責任の主体に関する問題を取り上げています。 

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(北三方ケ森・しゃくなげ)
 各論は、賛成取締役の推定、業務執行取締役、使用人兼務取締役、社外取締役、名目的取締役、登記簿上の取締役、事実上の取締役について論じています。
 昔の司法試験の商法の論文試験を思い出しました。
 田舎弁護士の時代にはなかった「社外取締役」についての解説を見てみます。
 「会社法2条15号所定の社外取締役は、①業務執行者から独立した立場で、業務執行者による業務執行全般の評価に基づき、取締役会の決議における議決権を行使すること等を通じて業務執行者を適切に監督すること、②株式会社と業務執行者等の間の利益相反を監督する機能を果たすこと等が期待されている。
 社外取締役についても、株式会社の取締役であるから、会社法423条1項の責任又は同法429条1項の責任を負うことがある。
 もっとも、具体的事案において社外取締役がこれらの責任を負うか否かについて、常勤と非常勤の社外取締役の職務に携わる状況の質的差異に配慮して弾力的に判断すべきであるとの見解も有力である。」
 田舎弁護士が知りうる限り、社外取締役が責任を負った例はきいたことがないのですが、あるんでしょうかね😅

2025年6月 3日 (火)

【法律その他】 森林業法務のすべて という書籍を購入しました😅

 田舎弁護士ですが、毎週のように、山に登っています。そのため、森林にはとても興味があります。

 なんと、昨年12月に、「森林業法務のすべて」という書籍が出版されましたので、さっそく購入しました。

 今まで知らないことがとてもたくさん書かれていました。

 その中では、「林道の管理」については、林道はとてもお世話になっているので、熟読しました。

 林道(路網)は、林道・林業専用道・森林作業道の3区分に大別されています。

 まずは、「林道」。

 森林設備や木材生産のための主要な「幹線」であり、林道規程に定める不特定多数者が利用する恒久的公共施設です。国有林林道の場合は国が民間林林道にあっては地方公共団体や森林組合等の長が開設または管理します。

 大型トラックの通行が想定された構造とされていますが、一般車両の通行も想定されてアスファルト舗装されたものが多く、また、電柱が設置されることも珍しくありません。 

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(林道・鳴畑線・松山流域森林組合)
 次に、林道専用道です。
 林道専用道は、支線・分線に該当する林道であって、林道を補充し、森林作業道と組み合わせることにより森林作業道の機能を高め、木材輸送機能を強化・補完するものです。主として特定の者が森林施業のために利用する恒久的公共施設です。
 
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(林道・三石支線)
 第3に、森林作業道です。
 森林作業道は、林道・林業専用道と一体となって、間伐・主伐といった森林施業を推進するための開設されます。ハーバスタやフォーワーダなどの林業機械や、2トン程度のトラックの通行を想定した構造とされています。
 最後に、作業路です。
 作業路とは、伐採区域において、林内走行車両等により木材の伐採・集積・搬出を行うための幅2m程度の道ですが、その実態は道というよりも、伐採区域全体を伐採するために、最初のルートをつけて伐採したところです。
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(林道木地線から)
 この写真の右側に伸びる道は、作業路です。ただ、現時点では、作業路に植林はされていません。
 林道以外にも、山にいけば目にする「保安林」についても学ぶことができます。保安林って、森林法に根拠があって、11種の種別があります。
 よくめにするのは、水源涵養保安林、土砂流出防備保安林ですね😄
 執筆者の品川尚子弁護士は、よい書籍を世に出してくれました。
  

2025年6月 2日 (月)

【金融・企業法務】 監査役のお仕事 No1

 月刊監査役4月号(臨時増刊号)(監査役/監査等委員/監査委員 新任ガイド2025年版)を頭の整理のために読んでいます。新任ガイドなので、監査役に就任される予定の方や既に就任されている方は、一読されることをお勧めいたします。 

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(愛大演習林)
Q21 監査役としての標準的な年間スケジュールのアウトラインを教えてください。
A  監査役は、定時株主総会で就任の後、総会直後の監査役会・取締役会への出席から始めて、期中監査・期末監査に取り組み、監査報告を作成し、次回の定時株主総会の無事終了を見届けて、1年を終わります。期末後は、繁忙な時期になります。
  例えば、3月決算の監査役会・会計監査人設置会社の例で言えば、
① 6月中・下旬 定時株主総会
  ⇒常勤監査役、議長、委員長等選任、報酬協議等
   新任監査役のある場合、監査計画の見直し
② 7月~翌年3月 会計監査人の報酬案作成、四半期決算短信開示(8、11、2月)、半期報告書等提出(11月)、期末日(3月末)
 
  ⇒会計監査人の報酬同意
  ⇒期中監査(日常監査)(7月~翌年3月) 
    監査環境の整備、取締役等との意思疎通・情報収集、会議出席、書類閲覧、本社・事業所等の調査、会計監査人・内部監査部門との連携(監査計画、期中レビュー報告書等検討、監査立会)、会計監査人の評価再任の適否検討
③ 4月~5月  計算関係書類・事業報告書等提出、決算承認取締役会
 
  期末監査  ⇒計算関係書類・事業報告・会計監査報告、決算短信、総会招集通知・議案等検討、監査立会
        ⇒監査役監査報告・監査役会監査報告提出
  会計監査人の適否決定
  翌期の期中監査
④ 6月    招集通知発送、定時株主総会、有価証券報告書等提出
        
        ⇒監査計画の策定 有価証券報告書・内部統制報告書等検討 総会事前準備 総会口頭報告 総会終了後の☑
  翌期の期中監査

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(愛大演習林)
Q30 期中監査とはどのようなもので、具体的には何をすればよいのでしょうか。
A 期中監査は、事業年度中に行う日常的な監査活動です。具体的には、監査環境の整備に加えて、取締役等との意思疎通重要な会議への出席重要な書類等の閲覧本社・事業所等の調査法令・定款違反の監視内部統制システムの監視等を行います。実施後は、監査調書を作成し、関係者にフィードバックします。
 ⇒具体的には、Aでも記載されているとおり、①監査環境の整備、②会社や子会社の取締役等との意思疎通・情報収集、内部監査部門・会計監査人・子会社の監査役との連携、③取締役会その他重要な会議への出席、④重要な決裁書類等の閲覧、⑤本社・事業所・子会社等の業務・財産の調査、⑥法令・定款違反の監視・検証、⑦内部統制システムの監視・検証、⑧買収防衛策の検討、⑨半期報告書等の検討、会計監査人の監査状況の監視・検証、⑩中間配当の適正性の検討、⑪臨時決算を行った場合の、臨時計算書類の監査です。
Q31 期末監査とはどのようなものですか? 具体的にはなにをすればよいですか
A 期末監査は、期末前後から定時株主総会までの特定の監査活動です。具体的には、事業報告書等や計算関係書類の監査、監査報告の作成、定時株主総会関連の対応などを行います。関係者ともよく打ち合わせの上で、注意深く実施します。
 ⇒期末監査の時期は、新年度の期中監査と並行になるので、常勤の監査役の方はとても多忙です😅
 

2025年6月 1日 (日)

【弁護士考】 民事訴裁判IT化(フェーズ3)への対応 というFAXが愛媛弁護士会から送られてきました😟

 民事裁判のIT化に関する民事訴訟法、民事訴訟規則の全面施行(フェーズ3)が、いよいよ令和8年5月までに行われます。

 フェーズ3移行は、民事訴訟の電子申立て、提出書類の電子提出等が義務付けられ、これまでのように紙の訴状を提出したり、FAXで準備書面を提出したりすることができなくなります。

 そのため、今後は、裁判所の構築したシステムに電子申立て等に対応できなければ、民事裁判業務を取り扱うことができなくなるため、フェーズ3移行への対応は、弁護士にとっての死活問題となります

 参考までに最高裁のHPのYouTubeを一部紹介いたします。

 ① 民事裁判手続のデジタル化に関する最高裁判所のホームページ

 ②電子申立、③手数料・費用納付、④送達、⑤証拠提出

  これで、1人事務所の、長老の先生は、かなりのところが廃業してしまうんじゃないかな😵

  医療機関でもマイナカードの導入でかなり多くの医院が廃業されました。。。同じことがおこるんじゃないかな😟

  最後に、mints操作説明動画ーアップロードです。

 なお、7月中頃にmintsアカウント登録のためのハガキが送付される予定とのことです😖

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