【労働・労災】 フレックスタイム制
フレックスタイム制は、昭和62年の労基法改正により導入された制度で、平成30年にも改正がなされています。
田舎弁護士のころは、司法試験の受験科目には、労働法は選択科目という位置づけで必須科目とはされていませんでした。田舎弁護士は、国際公法を選択し、それはそれなりにおもしろい科目ではあったのですが、実務に有益かどうかという点からすれば、国際公法はまず使わないので、労働法や破産法、あるいは両訴訟法を選択していた方が役立っていたと思います。
フレックスタイム制のおさらいのために、菅野労働法P466以下を適宜引用しながら、解説したいと思います。
「フレックスタイム制とは、労働者が、1か月などの単位期間のなかで一定時間数(契約時間)労働することを条件として、1日の労働時間を自己の選択する時に開始し、かつ終了できる制度である。」
単位期間は、当初は、1か月以内でしたが、平成30年の法改正では、3か月以内に拡張しました。
「通常は、出退勤のなされるべき時間帯(フレキシブルタイム)が定められる。また、全員が必ず勤務すべき時間帯(コアタイム)を定めるものが多い。」
「要件 (ア)始業・終業時刻自主決定の就業規則上の保障
フレックスタイム制の第1の要件は、一定範囲の労働者につき始業・終業時刻を各労働者の決定に委ねることを就業規則で定めることである(労基法法32条の3第1項)。」
使用者は、コアタイムの時間帯を除き、労働者に対して、ある時刻までの出勤や居残りを命ずることができないことになります(これらは労働者の同意を得てはじめて行うことができます)
「(イ)労使協定の締結
第2の要件は、一定の事項を定めた事業場の労使協定を締結することである。」
単位期間において働くべき「総労働時間」は、いわば当該期間の総所定労働時間であり、労働者はその時間分の労働義務を負うので、単位期間を通じての総実労働時間がそれに不足する場合は、不足分は欠勤時間として取り扱われ、超過する部分は、超過分は所定外労働時間として取り扱われます。総労働時間は、平均して週の法定労働時間を超えないものであることが要求されています。
「法的効果 1か月以内の期間のフレックスタイム制
「上記の要件を満たせば、使用者は、1か月以内の清算期間のフレックスタイム制をとる労働者について、清算期間を平均し週法定労働時間(40時間)を超えない範囲内において、1週または1日の法定労働時間を超えて「労働させる」(つまり、本人が自らの選択で労働することを放任する)ことができる。いいかえれば、上記のフレックスタイム制をとる場合は、1週および1日については法定労働時間を超えても時間外労働とならない。」
⇒1か月以内の清算期間のフレックスタイム制において時間外労働が成立するのは、労働者が自らの選択で労働時間を按配した結果、当該清算期間における労働時間の合計が清算期間における法定労働時間の枠を超えた場合ということになります。
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