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2024年9月13日 (金)

【労働・労災】 いわゆる内定者アルバイトとして入社前に内定先から雇用されていた新卒採用内定者が自殺したことについて、業務起因性が否定された事例

 判例時報2595号で紹介された東京地裁令和4年10月14日判決です。

 事案の概要は以下のとおりです。

 Xの子である亡Vは、経営コンサルティング業を営むE社から採用内定を受け、平成28年4月から正社員として入社予定であったが、これに先立ち、平成27年10月6日から、いわゆる内定者アルバイト制度に参加して、E社の東京本社において、内定者アルバイトとしてコンサルティング補助業務に従事していたところ、同年11月14日頃、自宅にて自殺したという事案です。

 なお、内定者アルバイト制度とは、入社までにある程度仕事に慣れておくことを希望する内定者について、内定者アルバイトとして、先輩社員のコンサルティング業務の補助業務に従事させる制度です。

 本件は、Xが、亡Vの自殺は本件事業場における業務に起因するとして、処分行政庁に対して労災法に基づく葬祭料を請求したところ、処分行政庁から、亡Vの自殺は業務に起因するものとは認められないとして、これを支給しない旨の処分を受けたことから、国を相手に本件処分の取り消しを求めた事案です。 20240817_133243

                             (高知・工石山)

 本件事案の争点は、亡Vの自殺の原因となった精神障害に業務起因性が認められるかでした。

 Xは、亡Vの本件疾病の発病に関連して、亡Vが、その指導担当である社員Aから依頼された作業を終業時刻までに終えられない見込みであったため、社員Aから「お前は解雇だ」と言われた又は自らの立場を不安にさせられる言葉を投げかけられた、

 亡きVが内定者アルバイトであったにもかかわらず、Xは、亡Vが期限を守ることが困難である業務を指示され、

 また、実際に期限を守れなかった作業があつたこと

 内定者アルバイトの業務が、亡Vが学生時代に行ったアルバイトの業務が、亡Vが学生時代に行ったアルバイトとは質的に異なり、E社での将来に直結するものであったことなどから

 本件疾病の発症には業務起因性が認められると主張しました。

 これに対して、本判決は、平成23年12月26日基発代1226号第1号「心理的負荷による精神障害の認定基準について」と題する通達に照らして、本件疾病に業務起因性は認められないと判断して、

 Xの請求を棄却しました。

 原審の認定した事実関係からすると、業務起因性を認めるのは困難な案件であったと思います。

 大変不幸なケースですが、労災に該当するかどうかはさておき、採用した企業においても、このような不幸な事案に至らないよう、採用の段階においてから配慮が必要ではないかと思います。

 田舎弁護士が過ごした昭和、いや、平成前半の感覚のままの対応では、お互いにリスクが大きいと感じました。

 

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