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2024年8月17日 (土)

【金融・企業法務】商人間の売買事案において、売主が目的物の引渡しに際し当該目的物に瑕疵が存在することを知らなかったことにつき重過失がある場合は、商法526条3項が規定する売主悪意の場合と同視できるとの解釈を採った上、当該事案の事実関係の下では売主に重過失があるとして損害賠償責任を認めた事例 東京高裁令和4年12月8日判決

 判例タイムズNo1521号で掲載された東京高裁令和4年12月8日判決です。

 事案の概要は以下のとおりです。

 衣服の製造加工等を業とするX社は、他社に対して納入する従業員用ユニフォームに縫い付けるためのバーコードネームをY社から購入することにしました。このバーコードネームは、13桁の数字列を表す1次元バーコードなどを印刷した布製ラベルであり、各従業員が着用するユニフォームを識別して管理することを目的とするものであって、Y者は令和元年6月から同年11月にかけて80万枚以上のバーコードネームをX社に納入しました。

 ところが、各バーコードネームに印刷されたバーコードは所定の識別番号数字と異なるため管理のように供しない瑕疵があり、同年12月にY社の担当者がこれに気付いたが、社内で情報が共有されなかったためX社には連絡されず、同2年5月になってX社が瑕疵を認識するに至り、Y社に通知しました。

 この時点で、X社は海外の業者を使ってバーコードネームをユニフォームに縫い付けさせた上でユニフォームを日本に送らせるなどしていたため、改めてユニフォームに瑕疵のないバーコードネームを縫い付けさせる補修作業などが必要となり、その費用相当額等の損害が生じました

 そこで、X社がY社に対して債務不履行等に基づく損賠賠償請求をしたのに対し、Y社は、X社が商法526条2項の所定の期間内に検査義務を履行して通知していないからX社は損害賠償ができないとして争いました。

 商法526条(現行)は以下のとおり定めています。 

  商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。
2 前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないこ とを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。売買の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないことを直ちに発見することができない場合において、買主が六箇月以内にその不適合を発見したときも、同様とする。
3 前項の規定は、売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことにつき売主が悪意であった場合には、適用しない。

 第1審は、商法526条2項は所定の場合に買主が6か月以内に瑕疵を発見したときは直ちに売主に対してその旨を通知しなければ売主は保護される旨を定めているところ、買主が通知を発することと売主の悪意は等価値であるから、上記の場合において買主が目的物を受領して6か月間及び通知を発するに必要な期間内に売主において瑕疵につき悪意になったときには売主保護規定の適用は排除されるとした上で、本件の事実関係の下では、最初の引き渡しから6か月以内の時点でY社の担当者が瑕疵を認識しており、その時点でY社が悪意になったといえるから、Y社は保護されないと判断しました。

 第2審も結論とは第1審と同じですが、重過失がある場合には商法526条3項の売主悪意と同視できるとして、商法526条2項の規定を排斥して、損害賠償責任を認めました。 

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(徳島眉山)

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