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2024年7月 3日 (水)

【金融・企業法務】吸収合併消滅株式会社の株主が吸収合併するための株主総会に先立って前記会社に委任状を送付したことが、会社法785条2項1号イにいう吸収合併等に反対する旨の通知に当たるとされた事例 最高裁令和5年10月26日判決

 判例時報2589号で掲載された最高裁令和5年10月26日判決です。

 本件は、A株式会社の株主であるXが、利害関係参加人であるB株式会社を吸収合併存続株式会社、A社を吸収合併消滅株式会社とする吸収合併についての会社法785条2項の所定の株主であると主張し、A社に対し、Xの有する全株式を公正な価格で買い取ることを請求したが、その価格の決定につき協議が調わないため、同法786条2項に基づき、価格の決定の申立をした事案です。

※(反対株主の株式買取請求)
第七百八十五条 吸収合併等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
一 第七百八十三条第二項に規定する場合
二 第七百八十四条第二項に規定する場合
2 前項に規定する「反対株主」とは、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める株主(第七百八十三条第四項に規定する場合における同項に規定する持分等の割当てを受ける株主を除く。)をいう。
一 吸収合併等をするために株主総会(種類株主総会を含む。)の決議を要する場合 次に掲げる株主
イ 当該株主総会に先立って当該吸収合併等に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)
ロ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主

※(株式の価格の決定等)
第七百八十六条 株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。
2 株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる

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(木漏れ日の橋)
 事実関係の概要は、以下のとおりです。
 A社は、本件吸収分割に係る契約の承認を決議事項とする株主総会に先立って、Xに対し、宛先として「A社御中」と印字され、「賛」または「否」のいずれかに〇印を付けて本件議案に対する賛否を記載する欄が設けられた委任状用紙を送付して、議決権の代理行使を勧誘した。
 Xは、前記勧誘に応じ、A社の代表取締役を代理人に定める旨記載した上、本件賛否欄の「否」に〇印を付け、その欄外に「合併契約の内容や主旨が不明の上、数日前の通知であり賛否表明ができませんとの附記をするなどして委任状を作成し、これをA社に返送した。
 本件委任状の送付が、会社法785条2項1号イにいう、吸収合併等をするための株主総会に先立って消滅株式会社等に対してされる吸収合併等に反対する旨の通知に当たり、本件申立てが適法であるかどうかが争点となっております。
 原々審、原審とも、本件申立ては不適法却下しております。
 理由は以下のとおりです。
 本件委任状は、代理人となるべき者に対して本件総会における議決権の代理行使を委任する旨の意思表示をした書面であって、本件賛否欄の「否」に〇印を付けた部分は、前記の者に対する指示であってA会社に向けられたものであるということはできない上、本件附記(賛否表面ができません)があることからすると、本件吸収合併に反対する旨のXの意思が本件委任状に表明されているということもできず、本件委任状の送付は反対通知に当たらず、本件申立ては不適法であって却下すべきものとされました。

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(笠松山)
 本決定は、①A社が、Xに対し、宛先をA社とし本件賛否欄を設けた本件委任状用紙を送付して議決権の代理行使を勧誘した、②Xは、前記勧誘に応じて、本件賛否欄の「否」に〇印を付けて本件委任状を作成し、これをA社に対して返送したという事実関係の下では、
 XがA社に対して本件委任状を送付したことは反対通知に当たると判断し、原決定を破棄し、原々決定を取消、更に審理を尽くさせるため、本件を原々審に差戻をしました。
 余り詳しくありませんが、最高裁の結論の方が妥当な気がしますが、原々審、原審も、反対だったんですね。

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