【学校】県立高校の野球部の活動中、河川へ落下したボールを回収しようとした生徒が同河川に転落して死亡した事故に関し、被告である県に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を肯定し、3割の過失相殺をした損害の賠償を命じた事例 金沢地裁令和4年12月9日判決
判例時報2591号で掲載された金沢地裁令和4年12月9日判決です。
本件の主な争点は、①ボールの回収を中止させるべき注意義務違反又はその回収に関する指導等をすべき注意義務の有無及び②過失相殺の可否であるところ、本判決は、①につき、担当教員らにボールの回収に関する指導をすべき注意義務違反があったと認定し、②につき、3割の過失相殺をした上で、Xらの請求を一部認容しました。
まず、争点①については、本判決は、本件河川及び法面の状況や、指導担当教員が過去にボールを回収しようとして本件河川に転落した経験があること等の事情を前提とすると、ガードレールを越えて法面に下りた場合、大勢を崩して本件河川に転落し、生命・身体に対する危険が生じ得ることは予見できたとして、担当教員らにおいて、ガードレールを越えてボールを回収しないよう生徒に指導すべき注意義務があったことを認定し、従前の指導状況や指導担当教員らの認識に照らして、同義務の違反を認定しました。
また、争点②については、本判決は、本件河川の川幅等の状況及び法面の形状に加えて、そもしもガードレールは河川への転落事故を防止するために設置されていることからすれば、ガードレールを越えてボールを回収することに転落の危険を伴うことは、当時高校1年生のVにとっても予見可能であった上、事故当時、生命身体の危険を冒してまでボールを回収しなければならないとVが考えざるを得ない状況にあったとはいえないこと等の事情を考慮して、3割の過失相殺をしました。
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