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2024年7月15日 (月)

【行政】 県議会議長が全国都道府県議会議員軟式野球大会に参加する議員に対して旅行命令を発したことに伴い知事の補助職員がした旅費の支出負担行為及び支出命令が違法ではないとされた事例 平成15年1月17日最高裁判決

 県議会の議員派遣決定を前提としてされた議員に対する旅費支出に関する財務会計上の行為の違法性についての裁判例として、平成15年1月17日付最高裁判決を挙げることができます。

 判例解説から説明を概ね引用します。

 本判決は、まず、最初に、「地方自治法242条の2第1項4号に基づき当該議員に損害賠償責任を問うことができるのは、先行する原因行為に違法性がある場合であっても、上記原因行為を前提にしてされた当該議員の行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られる」(平成4年12月15日最高裁判決)という判例理論を引用した上で、

 「議会がその裁量により議員を派遣することができることは前示のとおりであるところ、予算執行権を有する普通地方公共団体の長は、議会を指揮監督し、議会の自律的行為を是正する権限を有していないから、議会がした議員の派遣に関する決定については、これが著しく合理性を欠きそのために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある場合でない限り、議会の決定を尊重しその内容に応じた財務会計上の措置を執る義務があり、これを拒むことは許されないものと解するのが相当である」と判示し、

 議会における議員の派遣決定とこれを前提にしてされた旅費の支出に関する財務会計上の行為との関係についても、上記判例法理が当てはまることを明らかにしました。

 その上で、本件判決は、「これを本件についてみると、県議会議長が行った議員に対する旅行命令は違法なものではあるが、前記の事実関係及び原審の適法に確定した旅行命令の経緯等に関するその余の事実関係の下において、県議会議長が行った旅行命令が、著しく合理性を欠き、そのために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとまでいうことはできないから、知事としては、県議会議長が行った旅行命令を前提として、これに伴う所要の財務会計上の措置を執る義務があるものというべきである。

 そうすると、徳島県事務決済規程12条、別表第三に基づく、知事に代わって専決の権限を有するY2が議員に対する旅費についての支出負担行為及び支出命令をしたことが、財務会計法規上の義務に違反してされた違法なものであるということはできない」と判示しました。

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(広島・鬼ヶ城山)
 実務住民訴訟P184以下の説明をみてみたいと思います。
 同一人に対する原因行為とそれに続く財務会計行為とがそれぞれ異なる独立した機関の権限に属し、原因行為により財務会計行為が直接義務付けられる関係にある場合(教育委員会の公立学校の教頭を校長に昇格させ同日退職処分を承認する行為と知事の同人に対する昇給後の号給を基礎とする退職手当の支給、県議会議長の議員に対する旅行命令と知事の旅費の公金の支出)
 この場合、原因行為が著しく合理性を欠きそのためこれに予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があると認められる場合でなければ、財務会計行為者は財務会計行為をする義務があり、このような瑕疵があるのに、原因行為者と協議する等して瑕疵の解消に努めることなく漫然と財務会計行為に及んだ場合でない限り、当該財務会計行為は財務会計法規上の義務に違反する違法なものではないとされています。

 

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