【金融・企業法務】 監査役監査の実務と対応 第8版 No3
昨日の続きです。
第3章 監査役監査を巡る重要論点と実践
Ⅰ.意思疎通を図るべき者との連携
(要点)
〇 監査役は独任制の下で、自ら監査することが要請されているが、一方で、円滑な監査を進めるためにも、代表取締役や内部監査部門、会計監査人等意思疎通をはけるべき者との連携が欠かせない
〇 このために、意思疎通を図るべき者との定期的な会合をあらかじめ設定しておき、意見交換を行うことは意味がある
→監査役は代表取締役との日頃から監査を通じて得た会社のリスクや内部統制システム上の課題などの意見交換等により意思疎通を図り、信頼関係を醸成
監査計画については、前年度の監査結果を踏まえて、監査方針や重点監査ポイントを説明
今後のリスク管理上注意を要する点、内部統制上の懸念事項などを率直に報告すべき
Ⅱ.監査役と内部統制システム
(要点)
〇 監査役としては、日常の監査活動を通じて、内部統制システムの機能状況を監査する重要な役割を担っている
〇 会社法および金商法に、内部統制関連規程が定められている
〇 内部統制システムの対象範囲や罰則規定の有無等、両法の規定ぶりが異なる上、監査役と会計監査人の位置付けなどで、相互に交錯する点も存在する
〇 実務的には、少なくとも監査役と会計監査人との間で内部統制の評価が異なることがないように、従来以上に相互の前広かつ緊密な連携を行うことが重要である
→財務報告に係る内部統制システムにおいては、監査役監査も統制環境の一環として、監査人の監査の対象とされている。監査人から、監査役監査活動に対するヒアリングや監査役会議事録の閲覧等があるかもしれないが、基本的には、監査人から監査されているという意識ではなく、監査役としては、会社法上の監査役監査活動をきちんと遂行していれば問題がない
Ⅲ.株主代表訴訟への対応
(要点)
〇 取締役の責任を追及する株主代表訴訟において、株主からの提訴請求の対応は、監査役の役割である。
〇 提訴請求書受領後、60日の限られた期間内で、適切な調査体制を決定し、実効性のある調査を行う必要がある
〇 会社法で新たに導入された不提訴理由制度は、監査役の調査期間の調査の実態を示すことになるため、監査役の役割を高め、結果とそ居てコーポレート・ガバナンスの基盤強化にもつながるとの期待もある
〇 平成26年会社法では、新たに多重代表制度が創設された
→取締役の責任を追及する株主代表訴訟の提訴請求先は、監査役であるため、60日間の調査期間は、監査役の大きな業務である

(宮島・仁王門)
Ⅳ.監査役の責任
(要点)
〇 監査役にも、取締役と同様に、民事責任と刑事責任が存在する
〇 民事責任は、会社と監査役との間の委任規定により、債務不履行の一般原則が適用となり、連帯して損害賠償責任が発生する。また、刑事責任としては、特別背任罪や贈収賄罪等により、懲役や罰金刑が発生する
〇 取締役と同様に、監査役に対しても、責任軽減制度が適用となり、監査役は報酬等の2年分を限度とした責任を負えばよいという責任免除措置がある。
〇 もっとも、責任軽減制度は、善意かつ無重過失が前提であり、また、取締役会で承認決議したとしても株主総会において3%以上の株主の反対があれば適用にならないなど、運用上のハードルは高い。
→監査役(監事)の責任が認容された裁判例としては、ダスキン株主代表訴訟事件、大原町農業協同組合事件、セイクレスト事件、エフオーアイ事件、会計限定監査役の責任事件があります。
Ⅵ.コーポレートガバナンス・コードと監査役
(要点)
〇 平成26年6月1日から実施されたCGコードは、会社のガバナンスの在り方に関する重要な原則を示しており、金融庁と東京証券取引所が事務局となって原案を作成した
〇 GCコードは、上場会社を対象にしており、合計83の基本原則、原則、補充原則から構成されており、法令と異なりソフトーローに位置付けられるもので強制力はないが、実施するか、さもなければ説明 という手法を採用している
〇 GCコードは、法令ではないので、直接監査役監査の対象ではないが、執行部門の実施状況や説明内容を注視しておくことが重要
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