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2024年7月19日 (金)

【行政】 市が土地開発公社に対し土地の先行取得を委託する契約が、私法上無効とはいえず、また市にその取消権又は解除権があるとはいえないものの、著しく合理性を欠き、そのためその締結に予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存する場合であっても、市が上記公社の取得した上記土地を上記委託契約に基づく義務の履行として買い取る売買契約を締結したことが違法とはいえないとされた事例 平成21年12月17日最高裁判決

 昨日執筆の平成20年1月18日最高裁判決によって差し戻された控訴審判決は、本件委託契約は著しく合理性を欠き、そのためその締結に予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存するものというべきであるとした上で、本件においては、客観的にみて市が本件委託契約を解消することができる特殊な事情があったというべきであるとして、Xの請求を認容しました。

 この点を少し詳しく検討したいと思います😄

 平成20年1月18日最高裁判決は、①当該委託契約が私法上無効であるとき(違法事例1)、先行取得の委託契約が私法無効ではないものの、②これが違法に締結されたものであって、当該普通地方公共団体がその取消権又は解除権を有しているとき(違法事例2)③当該委託契約が著しく合理性を欠きそのためその締結に予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存し(前段要件)、かつ、客観的に見て当該普通地方公共団体が当該委託契約を解消することができる特殊な特殊な事情がある(後段要件)とき(違法事例3)の場合には、公社が取得した当該土地を買い取る売買契約を締結することが違法となると判断しているところ、

 前記差戻後の控訴審判決は、違法事例1や違法事例2には該当しないものの、違法事例3の前段要件を満たすとした上で、3つの理由を述べて、本件では、違法事例3の後段要件である特殊な事情が認められると判断しました。

 (1)本件委託契約の内容に看過し得ない瑕疵が存する場合にまで市に本件区域外土地の取得を義務付けることは不合理である

 (2)市において本件売買契約の締結を拒否した場合に被る損害等については別途当該職員に対する損害賠償請求により填補されるべきである

 (3)本件委託契約は、Yが市と本件公社の双方の代表者として締結したものである

                            ↓

  しかしながら、この判断に対して、市が上告受理申立てをしたところ、控訴審判決とは反対に、Xの請求を棄却しました。

  以下、判決要旨を引用します。

 市が土地開発公社に対し土地の先行取得を委託する契約が,私法上無効とはいえず,また市にその取消権又は解除権があるとはいえないものの,著しく合理性を欠き,そのためその締結に予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存する場合であっても,次の(1),(2)など判示の事情の下では,客観的にみて市が上記委託契約を解消することができる特殊な事情があったとはいえず,市が上記公社の取得した上記土地を上記委託契約に基づく義務の履行として買い取る売買契約を締結したことは,違法とはいえない。


 (1)市長は公社の理事長を兼務していたものの,理事長として上記委託契約の解消の申入れに応ずることは,公社に損害を与え,職務上の義務違反が問われかねない行為である上,市は公社の設立団体の一つにすぎず,出資割合も基本財産の約14%を占めるにとどまっていたことなどから,市長が理事長として上記解消につき他の設立団体や理事の同意を取り付けることは困難が予想された。

 (2)上記土地を公社に売却した者が公社との間で契約の解消に応ずる見込みが大きいとか,公社がこれを第三者に上記売買契約の代金額相当額で売却することが可能であるなどの事情は認められない。

 この判例は、本判決にいう、客観的にみて当該普通地方公共団体が当該委託契約を解消することができる特殊な事情について具体的な判断を示したものであつて、実務上参考になるとコメントされています😄

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