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2024年6月12日 (水)

【建築・不動産】 サンドエロジョーン現象にまつわる案件 東京高裁平成16年12月22日判決

 横浜地裁平成15年9月12日判決の控訴審判決です。裁判例については、「東京平河法律事務所」の最近の判例から引用させていただきました。

 横浜地裁は、本件給水管が「公の営造物」(国賠法2条1項)に該当するとの判断をしましたが、東京高裁は、「公の営造物とは,国又は地方公共団体その他これに準ずる行政主体により直接公の目的に供せられる有体物ないし物的施設をいうところ,当該国,地方公共団体等がこれに対して法律上の管理権を持たない場合であっても,事実上管理しているものであれば足りるが,直接公の目的に供せられることが必要である。これを本件についてみると,本件配水管を含む配水管はそこから給水管を分岐させて市民一般に水を供給するという公の目的を有する公の営造物ということができるが,本件給水管を含む給水管は配水管から分岐して,個々の水需要者のみに水を供給するための設備であって,直接市民一般に水を供給するという公の目的に供せられているものとはいい難いものである。後に述べるように,本件給水管について控訴人の占有を認めることができるほか,本件給水管の破裂部分が本件配水管から約15センチメートルしか離れていないものではあるが,これらの点をもって本件給水管を配水管の延長部分にすぎないとして公の営造物とみることは,上記配水管と給水管の機能ないし役割の違いを無視するとともに営造物の範囲をあいまいにするもので相当ではないというべきである。」と判断して、「公の営造物」に該当することを否定しました。

 もっとも、東京高裁は、以下の理由により、本件給水菅が横浜市が占有する「土地の工作物」(民法717条)に該当することを認めました。その上で、事故は本件給水菅の老朽化による破裂が原因であり、工作物の保存に瑕疵があったと判断しました。

 ガス管と給水菅との離隔距離が短かったこと(なんと1センチメートル)については、本件事故は給水菅の老朽化による破裂に基づく漏水によるものであって、本件ガス管の本件給水菅との離隔距離の一事をもって本件給水菅の瑕疵を否定する根拠にはならないと判断しております。 

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(北三方ケ森・階段地獄)
 なお、令和元年9月13日作成の水道局の資料によれば、平成27年1月に発生した水道管漏水事故について、横浜市は、東京ガスに対して、約900万円の賠償を支払っております。
 
 賠償を行う理由が明記されていましたので、引用します。
 「水道管の敷設にあたっては、事故防止等の観点から、他の埋設菅に対して、一定の離隔距離を確保するなどの対応を行う必要があります。しかし、昭和60年に、下水道工事に伴う水道管の移設工事を施工した際、道路内において他企業菅がふくそうしている状況にあったことから、一部の水道管(給水菅)で既に埋設されているガス管との離隔距離を確保するなどの措置を講ずることができませんでした。このため、今回の事故については、本市に責任があることを認め、東京ガスに対して、損害賠償を行うものです。」
 なお、支払の原資については、「このたび、東京ガスから提示された請求内容について、加入している保険会社の鑑定人と協議、検討した結果、妥当と考えられることから」とされていますので、保険でカバーされるのでしょう😅
 そして、いよいよ東京高裁判決に言及している下りです。
 「なお、お客さまの所有である給水菅の漏水事故について水道局が賠償責任を負う理由につきましては、過去の同様の事故について、本市が被告となった事件の判決(東京高裁判決)において、市は公道下の給水菅について「事実上支配し、その瑕疵を修補することができ、損害の発生を防止し得る関係にあった者ということができ、」民法717条第1項の土地の工作物であるところの給水菅の占有者であると判断されました。公道下の給水菅については、これまで事実上、本市が維持管理を行ってきたことから、本市が民法第717条第1項の土地の工作物の責任者として賠償責任を負うものです。」
 昭和47年にガス管が敷設され、昭和60年に水道管が敷設、そして、離隔は、17㎝という事案だったようです。
 他方、平成19年5月に発生した水道管漏水事故については、上と事情が異なっております。
 平成24年作成の資料によれば、昭和43年に水道管が敷設され、昭和56年にガス管が敷設、そして、離隔は、2㎝という事案だったようです。
 このときは、横浜簡易裁判所で協議が行われましたが、横浜市が認めている30%の賠償の範囲で東京ガスに支払ったようです。

 

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