先月、民事法研究会から、全訂六版書式借地非訟・民事非訟の実務が出版されました。非訟事件に属する事件としては、非訟事件手続法に規定される民事非訟事件、公示催告事件、過料事件、会社法に規定される会社に係る非訟事件のほか、借地非訟事件、家事審判事件、家事調停事件、民事調停事件があり、また、民事執行事件、破産事件、会社更生事件、民事再生事件等も非訟事件に含まれるとされています。
非訟事件の特徴ですが、その手続は、公開の対審構造をとらず、職権探知が可能で、決定の方式で裁判がなされ、不服申立ては抗告の形式で、抗告審でも公開の対審は行われず、裁判状況に応じて不当と認めれば取消・変更ができ、既判力がないとされています。
本書では、当事者の利害の対立があり争訟的性格が強い借地非訟事件と、非訟事件手続法第3編に規定されている民事非訟事件が取り上げられています。
(世田山展望所)
もっとも、本書を購入したのは、所有者不明土地管理命令の概要を知るためでした。令和3年の民法改正において、裁判所は、所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができない土地について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、その請求に係る土地または共有持分を対象として、所有者不明土地管理人による管理を命ずる処分をすることができるとされました。
請求権者は、利害関係人であり、例えば、対象となる土地が適切に管理されていないために不利益を被るおそれがある隣接地所有者や、土地の共有者の一部が不特定または所在不明である場合の他の共有者、その土地を取得してより適切に管理しようとする公共事業実施者などが、利害関係人にあたるとされています。なお、国の行政機関の長又は地方公共団体の長は、適切な管理のために特に必要と認めるときは、同様の請求ができます。
また、申立人は、「申立ての原因及び申立てを理由付ける事実」の一内容として、必要とされる管理行為の具体的内容を申立書で明らかにすることが必要になります。
そして、本書は、申立書等の書式が収録されています。
登記の嘱託ですが、管理命令の対象となる土地について、所有権の登記はされているものの、登記簿上の所有者が被相続人名義のままとなっている場合、管理命令の登記の全訂として、選任された管理人において相続登記を行う必要があります。裁判所書記官としては、管理人による相続登記の完了後に嘱託登記を行うことになります。
取消決定についてですが、例えば、所有者であると主張する者が、所有者不明土地等の所有権が自己に帰属することを証明した場合(所有者であると主張する者が、所有者不明土地管理人に対して所有者不明土地の所有権確認訴訟を提起し、勝訴判決を得た場合など)は、裁判所は、その者の申立てにより、所有者不明土地管理命令を取り消さなければならない。この場合、管理人は、その者に対して事務の経過および結果を報告し、所有者不明土地を引き渡すことになります。
以上、簡単に気になる点を引用しました😅
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