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2024年5月21日 (火)

【労働・労災】免許取得の費用を巡る労使のトラブル 東亜交通事件 大阪高裁平成22年4月22日判決

 運送会社を中心に、免許取得の費用を巡る労使のトラブルについての相談は、散見されます。

 東亜交通事件もこの論点が問題となりました。

 タクシー会社Y社が、入社を希望したXら2名に対し、2種免許取得のための教習費等を800日の乗務完了を返還義務免除の条件として貸し付けたと主張し、上記乗務未完のまま退社した同人らにその返還を求めたというケースです。 

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(東黒森)
 裁判所は以下のとおり判断しました。
 まず、本件教習費等のうち、教習費及び就職支度金については、
 
 Xらがみた新聞広告や看板の記載はこれらの金員が賃金であるとの誤解を招きかねないものであり、Y社は社内教習のときまでに、Xらに実際の労働条件が上記記載とは異なることを明確に説明していないから、労働条件明示義務(労基法15条1項)を尽くしていないといわざるを得ない
 さらに、これらが給与支給明細書上は手当欄に記載され必然的に諸々の控除の対象となっていることからすれば、教習費および就職支度金は賃金的性格を有するものであるとされ、就職後4ヶ月以上経過後に徴求した自動車教習所明細書の記載をもって、これが貸付金であると主張することは信義則上も許されない
 他方、本件教習費等のうち、教習所の授業料及び交通費については、
 教習受講はXらの自由意思に委ねられ、Y社の指揮監督下にもないから業務といえず、また2種免許取得は固有の資格としてXらの利益になることであるから、本来Xらが負担すべき費用であって、もともと賃金的性格を有するものとはいえず、これらの費用についてはY社が消費貸借の対象とすることも許されると判断しました。
 いずれにせよ、前提は、借用書等があることが必要なようです。借用書がなければ、そもそも貸付なのかどうかというところから争われることになるでしょうね。
 

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