判例タイムズNo1515で掲載された論文です。
基礎~応用までQ&A方式で解説がされています。田舎弁護士の場合は、基礎的な部分のチェックで読みました😅
Q 株主総会決議により選任された者は、当該株主総会決議をもって直ちに取締役に就任することになるか、それとも、被選任者が就任を承諾することが必要か。
⇒ 取締役の就任には、株主総会の取締役選任決議だけでなく、これに加えて、被選任者の就任の承諾が必要であると解される。
この点に関し、通説は、取締役の地位は、取締役選任決議及び取締役任用契約の締結におり、会社と取締役の間に生じる法律関係であると解しており、このような見解(通説)によれば、取締役選任の株主総会決議は、株式会社の内部的意思決定又は被選任者に対する取締役任用契約(委任契約)の申込みにすぎず、取締役選任の株主総会決議に基づき被選任者との間で取締役任用契約(委任契約)が締結されることにより、被選任者が取締役に就任することになる。
ただし、例えば、事前に株式会社が取締役候補者との間で株主総会の取締役船員決議を停止条件とする取締役任用契約を締結した場合は、株主総会の当該取締役選任決議と同時に、取締役任用契約の効力が発生することになると解される。
(楢原山霧氷)
Q 株主総会の取締役解任決議がされた場合、取締役の解任の効果が生じる時期は、いつか。
⇒ 会社法339条1項は、「役員は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる」と規定し、株主の解任の自由(任意解任制)を保障している。株主総会の取締役解任決議は、原則として、普通決議による(会社法309条1項。ただし、ア議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、イ出席した当該株主の議決権の過半数をもって行わなければならないとされている。同法341条)。
⇒ 株主総会の取締役解任決議がされた場合において、その解任の効力が生ずるために解任の対象となった取締役に対する告知を要するか否かは、学説上争いがある。
会社法339条1項の規定に照らすと、株主総会における役員を解任する旨の決議は、株主総会の役員としての地位を剥奪するものであるから、解任の対象となった取締役に対する告知をするまでもなく、その効力を生ずると解する見解が相当である。したがって、取締役は、株主総会において当該取締役を解任する旨の決議がされた場合には、当該決議の時に当該取締役の解任の効果を生ずることになると解される。
Q 取締役の任期の始期と終期はいつか。
⇒ (1)取締役の任期の始期について
会社法332条1項は、「取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。」と規定している。同項が「選任後」と規定したのは、取締役の任期の始期につき、株主総会のコントロールが及ぶこととした趣旨である。
そこで、取締役の任期の始期は、「選任後」、すなわち、原則として、取締役選任の株主総会決議の時であり、例えば、当該株主総会決議において特に取締役選任の効力の発生時点を就任の時等と定めたときは、そのような定め方も有効であり、その定めた時になると解されている。
⇒ (2)取締役の任期の終期について
取締役の任期の終期は、定款又は株主総会の決議に別段の定めがない限り、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時である(会社法332条1項)。任期が2年ではなく、2年以内に終了する事業年度のうち最終のものという規定になっているのは、定時株主総会の開催が遅れた場合、新たな取締役が選任される前に取締役の任期が満了し、不在又は欠員の事態が生ずることを避ける趣旨である。
Q 任期途中で退任した取締役の補充として選任された取締役の任期の始期はいつか。
⇒ 会社法は、任期途中で退任した取締役の補充として選任された取締役の任期について、特段の規定を設けていない。したがって、当該取締役の任期は、定款又は株主総会の取締役選任決議において特に任期を定めない限り、当該選任時が始期になる(そのため、その任期は、任期途中で退任した取締役の在任期間とはならない。)と解される。
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