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2023年11月12日 (日)

【金融・企業法務】 裁判所の許可に基づく株主総会の招集

 中村直人弁護士の株主総会ハンドブック第5版です。同族会社で株主間や取締役間で紛争が生じるという事態は、弁護士であれば散見されると思います。同族会社の紛争なので、本来は家裁が望ましいのですが、会社法からみの紛争になるために、闘う舞台は地裁になります。そういえば、東京地裁商事部は、家事部という異名があるやにきいたことがあります😅

 裁判所の許可に基づく招集については、以前のブログにても執筆しておりますが、中村弁護士の説明がコンパクトでわかりやすいので引用したいと思います(P712以下)。 

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(笠松山・ガメラ岩)
 「①招集請求後遅滞なく招集の手続が行われない場合、または②請求のあった日から8週間以内の日を会日とする株主総会の招集通知が発せられない場合には、請求株主は、裁判所の許可を得て、自ら株主総会を招集することができる(法297条4項)。①については、株主総会の招集を決定する取締役会の開催、基準日の設定・公告、招集通知の発送等の株主総会の開催に必要な手続のいずれかの段階で遅滞があれば、要件を充足すると解される。
 
  裁判所への許可の申立ては、会社の本店所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する(法868条1項)。招集許可の申立てをする場合、申立人は、その原因となる事実を疎明しなければならない(法869条)。裁判所は、職権で事実の調査をし、かつ申立てによりまた職権で必要と認める証拠調べをしなければならない(非訟事件手続法49条1項)。当事者は、事実の調査および証拠調べに協力することとされている(同条2項)。陳述の聴取は義務付けられていないが(法870条参照)、裁判所の運用上、会社の意見を聴取する機会が設けられている。裁判は決定をもってなされ、許可決定に対する不服申立ては許されない(法874条4号)。許可決定に際しては、6週間程度の招集期間が定められることが多い。却下決定に対しては申立人のみが即時抗告することができる(非訟事件手続法66条2項)。
  裁判所は、請求が形式的要件を充足している場合、権利濫用であると認められる場合を除き、招集を許可しなければならない。」
 「許可決定を得た株主は、自ら、株主総会を招集する(法298条1項括弧書参照)。明文の規定はないが、総会の開催に当然附随する事項(基準日の設定・公告など)を行う権限を有すると解される。」
 「少数株主により招集された総会では、総会の議長に関する定款の規定は効力を有さず、議場であらためて議長を選任する。取締役等の説明義務の規定(法314条)の適用はあるが、会社側からの議案を提案した場合でない限り、提案者としての説明義務は負わない。決議をすることができるのは、裁判所が許可した目的事項に限定され、許可の範囲を超える決議には瑕疵がある。」
 「少数株主が招集した総会の議事録を誰が作成するのか、必ずしも会社法上は明確ではないが、施行規則では議事録の記載事項として「議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名」が規定されている(施72条3項6号)ことから、取締役が作成することが想定されているものと解される。」
 一般的な書籍にはここまでの説明はありませんので、参考になると思いました。

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