【労働・労災】 労働者の就業環境が害されるもの
パワハラ防止法で定義されるパワハラの3つめの要件である「労働者の就業環境が害されるもの」についての解説です。
「労働者」とは、いわゆる正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する労働者の全てをいいます。
従って、短時間の学生アルバイトも、パワハラの対象労働者に該当します。
また、「労働者の就業環境が害される」とは、当該言動により労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指します。この判断にあたっては、平均的な労働者の感じ方、すなわち、同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じる言動であるかどうかを基準とすることが適当であるとされています。(パワハラ指針2・(6))。
なお、最近出版されたハラスメント対応の実務必携Q&AP31は、控訴審では結論として請求が否定されてしまったものの、第一審では、平均的な労働者ではない障害者への配慮を示した裁判例(岡山地判平24・4・19)が紹介されています。この裁判例は、上司の叱責について、「健常者であっても精神的にかなりの負担を負うものであるところ、脊髄空洞症による療養復帰直後であり、かつ、同症状の後遺症等が存するXにとっては、さらに精神的に厳しいものであったと考えられること、それについて支店長代理が全くの無配慮であったことに照らすと・・・パワーハラスメントに該当する」と判断されています。
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