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2023年10月 1日 (日)

【金融・企業法務】 四国生産性本部・2023年度企業会計研究会 第4例会 ESGへの取組と情報開示について~TCFDを中心に~

 先日、四国生産性本部2023年度企業会計研究会第4例会に参加しました。講師は、ET新日本有限監査法人の江口安浩先生(英国在住)です。 

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(高知神田・和霊神社)
 ESGへの取組と情報開示について~TCFDを中心についてです。なお、英国ロンドンからの発信です。眠気防止のために以下のとおりメモをとりました。😅
 (メモ)
第1部 非財務情報開示の動向
  ※非財務情報とはそもそも何か?
    ⇒経営成績等の財務情報以外の情報 
     環境、社会資本、人的資本
  ※なぜ非財務情報を開示しなければならないのか?
    ⇒ステークホルダーが企業の長期的な価値を財務情報だけでは測ることができなくなっているため
     社会環境の変化、自然環境の変化
     環境の変化に柔軟に対応できない企業は苦境が立たされている 
     トヨタはタイ洪水で被害はないが、仕入れ先が洪水で影響を受け、部品を納入できない状況
     富士フィルム 事業転換(写真フィルム⇒化粧品や医薬品分野に活用)
  ※非開示情報開示はどのように拡がってきたのか?
    ⇒投資家・金融機関の意識の高まりが大きく影響
      2006年 国連責任投資原則(UNPRI)(ESGを重視した投資の契機)
      2015年 イングランド銀行総裁(マークカーニー)によるスピーチ(気候リスクは金融リスクの認識の拡がり スピーチの後TCFDが発足)
    ⇒投資家・金融機関にとっては現状認識・変革のない企業・事業への投融資はリスクが大きいが大きいとの認識
     企業にとっては投融資が受けにくくなるリスクを高める要因
     企業変更への事業影響に比して変革の度合いが低いと判断された投資先に対する投資引き上げの例がある(英リーガル・アンド・インベント)
    ⇒投資家サイドの要請に応えて近年様々なフレームワークが登場しているが、乱立状態が続いている
     TFCD(金融安定理事会のタスクフォース、NY、提言、2017年、投資家等、原則主義) IIRC(民間の非営利組織) SASB(民間の非営利組織) CDSB(民間の国際的なコンソーシアム) GRI(NGO団体) 他
  ※今何が起きているのか?
    ⇒2023年6月、IFRS財団が設置した審議会(ISSB)によるサステナビリティ情報開示のグローバルベースライン基準(全世界共通の最低遵守水準 1F部分)が発表
      S1号 サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項
      S2号 気候関連開示
  ※今後どうなっていくのか
    ⇒ISSB基準を基に今後各国・各地域の基準が2F部分として検討
     日本では、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)により現在審議中 2024年度中に確定見込み
    ⇒どの国・地域の非財務情報開示基準もISSB基準を最低遵守水準として同等もしくはそれ以上のものを検討中
     なお、米国は、混乱中
    ⇒ISSBは、TCFD提言の開示フレームワークの主要4要素(がバンス、戦略、リスク管理、指標と目標)を気候変動以外の非財務情報開示へ拡大 TCFD主要4要素を今理解しておくと、ISSBの効率的な理解につながる

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   (浅尾の沈下橋)    
第2部 TCFD実務対応を通して学ぶ4つのピラ
  ※TCFDの4つのピラーと開示推奨項目
    ⇒重要性のある非財務情報は4つのピラー(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿って開示することが求められる
    ⇒ISSB基準において、企業は重要性のある非財務情報を開示する必要がある
      重要性の定義は基準・フレームワークにより異なる。これから学ぶ方には手始めにISSB基準の定義の理解からはじめることを推奨
      重要性のある情報について開示しない選択肢はない 
      取り組んでいない/取組み途中の場合も、課題認識と現状、今後の取組予定を開示する
      サステナビリティ関連財務情報開示の文脈において、情報は、その情報を省略したり誤表示したり覆い隠したりしたときに、一般目的財務報告の主要な利用者が特定の報告企業の企業報告に基づいて行う意思決定に影響を与えることが合理的に予想しうる場合に、重要性がある
    ⇒いわゆる「漏れなくダブりない」観点から理解しようとすると困難な印象 ステークホルダーが情報を知りたい切口として捉えることを推奨
  ※ガバナンス
    ⇒サステナビリティ関連のリスク・機会を経営者自らが管理・モニタリングできていることを示す
      「現場が勝手にやってます」ではだめ 経営者が「自分ごと」としてとらえる
      本業のガバナンスの一部として内部で有機的に機能する体制(インセンティブ設計含む)
      外部環境は常に変化、知見・方針・体制等の定期的なアップデート
      性悪説 出していないだろう 出してもやっていないのではないか
  ※戦略
    ⇒リスク・機会に対処するための戦略を示す
     戦略にはリスクに対処し、機会を活用することによる経営・事業のレジリエンス(柔軟性)を含める必要がある
    ⇒リスクだけでなく機会も特定 他社に先んじてリスクに対応することも機会となりうる
    ⇒目先だけでなく中長期・今後起こりうるのリスク・機会も視野に入れる
    ⇒単線的でなく複線的な将来想定に基づく影響分析(シナリオ分析)で柔軟性を開示
      脱炭素と災害の多発は併存
    ⇒特定・分析して終わりではだめ、必要な資本支出計画等を含む対応策
      分析を踏まえて、対応(見積もりはつくっているか?)
  ※リスク管理
    ⇒リスク・機会が全社的統合リスク管理プロセスによって識別・評価・管理されていることを示す
    ⇒サステナとサステナ以外でリスク機会が別管理になってはだめ
    ⇒各社に従来からある網羅的全社的なリスク管理システムに取り込んでいく
  ※指標と目標
    ⇒リスクへの対処・機会の活用を推進するための管理指標目標値の設定進捗状況を示す
    ⇒取組の進捗を定量的に測れる指標の設定(参考 政府の新型コロナウィルス対応)
    ⇒設定した指標における現状把握科学的根拠に基づく目標の設定

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(南嶺・えぼし山)
第3部 新たに求められる非財務情報開示
  ⇒いかに社会課題・環境課題を自分ごとに落とし込むか
   ①国際社会の動向(国際社会は何をどのように課題視しているのか 課題に対してどのように取り組んでいるのか)⇒②ステークホルダーの関心(課題にとりくむために自社に何を期待するのか)⇒③自社の視点(課題認識、どのように取り組んでいくのか) の3段階での把握を推奨 
  ※気候変動
   ⇒パリ協定を理解(気温上昇を2℃未満、可能な限り1.5℃に抑える、2050年までに温室効果ガス排出量を実質〇)した上で自社への影響を分析し対応策を検討する
   ⇒企業は企業変動によるリスク機会とその影響の度合いをどのように整理分析
    環境分析対応策の計画・管理を経営者が管理・監督
    温室効果ガス排出量の現状把握・目標設定をどう整理ているか
   ⇒4つのピラーにそった開示に向けた取組推進 排出量算定・削減目標設定 リスク機会の特定
  ※生物多様性
   自社事業が生物多様性に与える影響と自社事業が生態系から受けている恩恵の両面からリスク機会を整理する
   ⇒生態系の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性が年々喪失
    資源開発等の人間活動、自然に対する働きかけの低下、生態系のかく乱が喪失を引き起こしている
   ⇒企業は生物多様性によるリスク機会とその影響の度合いをどのように整理分析
    影響分析対応策の計画管理を経営者が管理監督
   ⇒自社事業は生物多様性の保全に悪影響を与えていないか
    自社事業がどのような自然からの恩恵に成り立っているのか
    その恩恵の喪失による事業の喪失
   
  ※人権
    自社従業員だけではなく、契約社員や派遣社員、お客様、取引先社員、地域社会の全ての人々の人権リスクを洗い出して整理する
   ⇒世界人権宣言、国連ビジネスと人権に関する指導原則
   ⇒企業はバリューチェーンを含む事業に関わる全ての人の人権リスクを特定しているのか
    特定した人権リスクの低減策や個別の人権事案の通報窓口等の体制は整備されているか
   ⇒自社事業(バリューチェーンを含む)に関わる全ての人の人権リスクを特定
    自社の人権リスクに即した人権方針を策定する
    事業ではなく人のリスクを評価する
    すべての人が声を上げられ、適切に処理される環境の整備
  ※人的資本
    自社の経営戦略に最適化された人材戦略の再構築と、従業員一人一人の多様性・キャリア志向を踏まえた対話型の検討・継続的改善が必要
   ⇒社会的視点 多様性の尊重、従業員エンゲージメント 経済的視点 みえざる資産 戦略的視点 産業構造の転換と挑戦的な経営
    世代価値観の視点 ミレニアル世代、Z世代
   ⇒人材戦略は経営戦略に最適化されているか 多様性やキャリア志向は尊重されているか
   ⇒人材戦略を経営戦略を最適化するためのギャップは何
    従業員一人一人の多様性(属性、能力、キャリア志向)を尊重しつつ、どのように経営戦略に最適化するか 
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(えぼし山&ヤマガラ)
  最近、非常に耳にする、目にする話ですが、全体的な理解を深めることができました。

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