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2023年7月10日 (月)

【金融・企業法務】 内部監査のコーポレートガバナンスへの貢献

 月刊監査役7号で掲載された「内部監査のコーポレートガバナンスへの貢献」です。執筆者は、蟹江章青山学院大学教授です。 20230707_080331

                             (月刊監査役7月号)

 「内部監査」は、組織体の業務に影響を及ぼすリスクを識別・評価しこれに対応した上で、客観的意見の表明や助言等を通じて、組織体の価値を保全し、更に高めるために行われる活動として理解されています。

 「コーポレートガバナンス」は、多々説明が分かれていますが、執筆者によれば、様々なステークホルダーに配慮しながら、会社経営の方向性を示した上で、これに従って経営業務の内容を決定し、その執行を制御・誘導する仕組みと解釈されています。

 そして、コーポレートガバナンスの中核は、取締役会であり、コーポレートガバナンスにおける取締役会の役割・機能に関するモデルとしては、アドバイザリーモデルと、モニタリングモデルとがあります。

 アドバイザリーモデルは、経営者に対して経営上必要なアドバイスをすることが、取締役会の主たる役割・機能であると考えるものです。監査役会設置会社は、アドバイザリーモデルと親和性があると言われています。つまり、監査役の業務監査と取締役会による監督を組み合わせれば、社内出身者が取締役会構成員の多数を占めていたとしても、ステークホルダーの利益は十分に保護される、むしろ、経営者の監査は経営業務を行わない監査役に任せ、取締役会を社内出身者が多数を占める構成にした方が、経営者に有効なアドバイスをする観点から好ましいと考えられています。

 一方、モニタリングモデルは、取締役会の中核的な役割・機能を、経営者による経営業務の執行を監視・監督・評価し、場合によっては業務執行者に対して人事権を行使することであると考えるものです。指名委員会等設置会社や監査等委員会設置会社は、モニタリングモデルに沿った会社形態です。取締役会の役割・機能は、経営者に対するアドバイスではなくて、まさに監視・監督・評価ということになります。

 このモデルによって、内部監査の位置づけや期待される役割・機能にも違いが出てきます。

 アドバイザリーモデルでは、内部監査は、経営者(社長)に直属し、経営者に対する方向はマネジメントの支援を目的とするものです。

 モニタリングモデルでは、内部監査は、その理念からすれば、取締役会にから指示を受けてということになるため、監査役会設置会社と異なり、マネジメントの枠内ではなく、ガバナンス機能を直接支援する要素として位置づけられることになります。要は、取締役会が経営者の業務執行の適法性や妥当性を判断し、効果的に監督するのに必要な情報を提供することが、内部監査に求められる主たる役割・機能となります。 

20230702_114950
(笠松山の栗)
 監査役会設置会社では、ガバナンス機関としての取締役会が内部監査をうまく活用することができなかった、そのため、業務執行取締役を監督するための有効な手段を持つことができなかったと解説されています。コーポレートガバナンスコードも補充原則4-3④、4-13③にて、内部監査の活用を促しております。
 不備ではなく、さらに効果的効率的な運用に向けた助言や提言は、攻めのガバナンスを支える要因であるといえますし、また、助言に対して適切に改善措置が執られているかどうかを確認する、フォローアップ手続きは、コーポレートガバナンスを継続的に支援する監査であるといえます。
 
 勉強になりました😅

 

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