【金融・企業法務】 会計帳簿等の閲覧謄写請求訴訟をめぐる諸問題

　判例タイムズNo１５０７号で掲載された「会計帳簿等の閲覧謄写請求訴訟をめぐる諸問題」です。　

（日浦・新田義宗公腰掛け石）

　会計帳簿又はこれに関する資料（会計帳簿等）についての閲覧又は謄写の請求（会社法４３３条１項）は、株主が取締役の責任追及の訴えの提起等（同法３６０条、８４７条、８５４条１項参照）をするために必要な調査を行う場合に、会社の業務・財産状況の調査のための検査役請求権と並び、重要な役割を果たすものとされ、株主が上記のような経営監督権を行使するための前提となります。

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　会計帳簿等の閲覧謄写請求訴訟は、被告である株式会社の主たる事務所又は営業所の所在地の地方裁判所の管轄に属し、その手続きは通常の民事訴訟（給付訴訟）と同じです。

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　会計帳簿等の閲覧謄写請求は、

①請求者（原告）が会社法４３３条１項前段所定の株主であること

②当該請求の「請求の理由」が明らかにされていること（同項後段）

③当該請求の対象となる会計帳簿等が存在すること

④当該請求の対象となる会計帳簿等（③）と請求の理由（②）との間に関連性があること

が請求の原因となり、

　これに対し、

⑤当該請求について、当該株式会社が同条１項の請求（会計帳簿等の閲覧謄写請求）を拒むことができる事由（拒絶事由）があること（同条２項）

等が抗弁となっています。

　判タの解説は、これら①から⑤の各項目について、詳しく解説されており、企業法務を携わる弁護士にとっては、必携です。

　なお、判タは、「会計帳簿等の閲覧謄写の仮処分をめぐる諸問題」についても掲載されています😅