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2023年3月 6日 (月)

【金融・企業法務】 保険会社が労災保険の代位請求に応じた事例 令和4年7月14日付け最高裁判決

 金融法務事情No2204号で掲載された最高裁判決です。

 交通事故の被害者であるXは、労災(国)から864万2146円の療養補償給付及び休業補償給付を受けました。労災保険給付を受けてもなお填補されないXの損害の額は440万1977円です。

 Xは、自賠責保険社に対して直接請求権を行使した。国も同様に直接請求権を行使した。

 自賠責保険社は、Xの損害を997万9262円と算定し、国に対して103万9212円、Xに対して16万0788円を支払った。

 Xは、自賠責保険社に対して、103万9212円の支払いを求めて提訴しました。

 第1審・第2審は、Xの請求を認めました。

 ところが、最高裁は、Xの請求を棄却しました。

 最高裁は、以前、平成30年判決で、被害者は、未填補損害について直接請求を行使する場合、他方で労災保険法12条の4第1項により国に移転した直接請求権が行使され、上記各直接請求の額の合計額が自賠責保険金額に超える場合であっても、国に優先して保険会社から自賠責保険金額の限度で損害賠償額の支払いを受けることができる旨を判示していました。

 あれ、では、Xの請求は認められるのではないの!?

 ところが、最高裁は、平成30年最判について、「このことは、被害者または国が上記各直接請求権に基づく損害賠償額の支払いを受けるにつき、被害者と国との間に相対的な優先劣後関係があることを意味するにとどまり、自賠責保険の保険会社が国の上記直接請求権の行使を受けて国に対してした損害賠償額の支払いについて、弁済としての効力を否定する根拠となるものではないというべきである。」と説明して、Xの請求を棄却してしましました。

 なんともまあ、わかりにくい判決です。

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                              (仙遊島)

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