【金融・企業法務】盗取されたキャッシュカードを用いて行われたATMによる預金の払い戻しが預金者の「重大な過失」により行われたものであるとして、当該預金者から金融機関に対する偽造カード法に基づく補填金支払い請求が棄却された事例 東京地裁令和3年2月19日付判決
判例時報2537号で紹介された東京地裁令和3年2月19日判決です。
事案は、X(当時87歳)は、自称警察官のCに対し、電話で自己名義の3つの銀行預金口座の口座番号及び暗証番号等を知らせ、自宅に訪問してきた別の自称警察官のDに当該3口座に係るキャッシュカード3枚を盗取された後、何者かによって、当該キャッシュカードを用いて、ATMにより、当該3口座から預金の払い戻しをされました。
よく耳にする詐欺事件ですね。。。
被害者救済のため、偽造カード法は、預貯金者の預貯金等契約に係る真正カード等が盗取された場合において、同法5条1項各号の所定の要件を満たしたときは、当該預貯金等契約を締結している金融機関は、
①原則として、当該預貯金者に対し、填補対象額の全額を補填する義務を負うものの、
②当該機械払預貯金払戻しが当該預貯金者の過失(重大な過失を除く)により行われたときは、補填対象額の4分の3に相当する金額を補填する義務を負い、
③当該機械式預貯金払戻しが当該預貯金者の「故意」により行われたことを証明したとき、当該機械式預貯金払戻しが当該預貯金者の「重大な過失」により行われたこと等を証明したとき等には、補填する義務を負わない旨を定めています。
本件では、過失があることを前提に、4分の3に相当する金額の支払いを求めてきたため、本件払戻しがXの重大な過失により行われたかどうかが争点になりました。
高齢者には酷な結果となりましたが、事案の内容からすれば、やむを得ない結果かなとも思います。
(笠松山鉄塔)
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