【消費者法】 給与ファクタリング
判例時報No2527号で紹介された東京地裁令和3年1月26日判決です。
事案は、以下のとおりです。
ファクタリング業(債権の買い取り業)を営む株式会社であるXが、給与債権10万円を譲渡代金6万円でXに譲渡したYに対して、Yが譲渡に係る給料債権全額の支払いを受けたにもかかわらず、受領額のうち10万円をXに引き渡さないと主張して、債権譲渡契約に由来する受取物引渡請求権に基づき、10万円及び遅延損害金の支払いを求めものの、請求を棄却された事案です。
給料ファクタリングは、社会問題となっており、このケースでも貸付金の利率は年利換算で800%を超過するものです。出資法の規制金利である年109.5%の7倍以上にも達する異常な高金利です。
金融庁においても、HPにて注意喚起されているものです。
田舎弁護士がこの取引を始めてみたときの印象は、貸金業法や出資法を潜脱する取引だと思ったのですが、業者のHPには顧問弁護士の名前が記載されており、このような業者の法律顧問をするような弁護士がいるのかと驚いたものです。
裁判所は、いわゆる給与ファクタリング取引は、取引契約上事業者が労働者の給与債権を買い取る形になっていたとしても、実質的には金銭消費貸借契約であり、債権譲渡契約を根拠として当該労働者が支払いを受けた給料債権の額面相当額の支払いを求める前記事業者の請求は成立しえないと判断しました。
当然の帰結といます。
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