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2022年8月24日 (水)

【知的財産権】 商標法のお話

 商事法務から出版された大阪弁護士会知的財産法実務研究会編の「知的財産契約の実務 理論と書式」に、商標法の概要が簡単にまとめられていましたので、引用しながらお話させていただきます。 

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(工石山)
 商標法の保護の対象ですが、商標は、自己の商品・役務と他人の商品・役務を区別するために使用される文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音等と定義されています(商標2条1項)。例えば、商品やサービスの名称となる文字やロゴマーク等がこれにあたります。
 次に、権利の帰属・移転・ライセンスについてです。商標権は、特許庁に商標登録出願をし、商標登録を受けることで発生します(登録主義 商標18条1項)。なお、商標登録には、商標法3条所定の登録要件を充たし、同条各号及び4号各号所定の登録拒絶事由が存在しないことが必要となります。
 商標権は、第三者への譲渡が可能です。指定商品・役務が2以上あるときは、指定商品・役務ごとに譲渡が可能です(商標法24条の2第1項。ただし、商標法24条の2第2項)。また、移転の登録が権利移転の効力要件となっています(商標法35条・特許98条1項1号)。
 また、商標権者は、契約によって、専用使用権(商標法30条)と通常使用権(商標法31条)を設定することが可能です。
 商標権が共有となっているとき、各共有者は、それぞれ商標を自由に使用することができます。また、各共有者は、侵害者に対する差止請求及び自己の持分にかかる損害賠償請求も可能です。これに対して、持分の譲渡、質権の設定及び使用権の設定には、他の共有者の同意が必要とされてます(商標法35条、特許73条1項・3項)。
 商標権者は、指定商品(又は指定役務)について登録商標を使用する権利を専有しています(商標法25条本文。商標権の本来的効力であり、「専用権」と呼んでいます。)。
 また、商標権者は、以下の②ないし④の範囲で商標の使用を禁止する権利(これを専用権と区別して、「禁止権」と呼んでいます。)も有しています(商標法37条1号)。
 従って、以下の①~④の行為は、いずれも商標権侵害となります。
 ①指定商品・役務について、登録商標を使用する行為 (商品等「同一」、商標「同一」)
 ②指定商品・役務について、登録商標と類似する商標を使用する行為 (商品等「同一」、商標「類似」)
 ③指定商品・役務と類似する商品・役務について、登録商品を使用する行為 (商品等「類似」、商標「同一」)
 ④指定商品・役務に類似する商品・役務について、登録商品と類似する行為 (商品等「類似」、商標「類似」)
 なお、商標の「使用」については、商標法2条3項1号から10号に定義規定があります。
 また、商標法37条2号から8号は、商標権侵害の禁止の実効性を図るために、侵害商品を譲渡の目的で所持する行為等、一定の予備的な行為も商標権侵害とみなすとしています。
 そして、商標法は、商標権侵害がある場合の救済手段として、商標権者等に、一定の要件のもと、差止請求、損害賠償請求及び信用回復措置請求(商標法36条、38条、39条及び特許法106条)等を認めています。
 最後に、商標権の存続期間は、設定登録から10年ですが(商標法19条1項)、新規な識別表示の創作ではなく表示に蓄積された信用を保護するという目的から、特許権や意匠権とは異なり存続期間の更新制度が有り、商標権は、更新する限り永久的に存続が可能とされています(商標法19条2項)。
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(サギソウ)

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