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2022年6月17日 (金)

【金融・企業法務】 会計限定監査役の責任 恐ろしい (@_@)

 判例時報No2514号の最高裁令和3年7月19日判決です。一度ご紹介したと思います。会計限定監査役の責任が問われた恐ろしい判例です。 

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(笠松山山頂から)
 本件は、株式会社であるXが、監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役(会計限定監査役)であったYに対し、Yがその任務を怠ったことにより、Xの従業員Aによる継続的な横領の発覚が遅れて損害が生じたと主張して、会社法423条1項に基づき、損害賠償を請求したという事案です。
 
 Yですが、「平成19年5月期から平成24年5月期までの各期において、Xの計算書類及びその附属明細書の監査を実施した。Yは、上記各期の監査において、Aから提出された残高証明書が偽造されたものであることに気付かないまま、これと会計帳簿とを照合し、上記計算書類等に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認するなどした。その上で、Yは、上記各期の監査報告において、上記計算書類等がXの財産及び曽損益の状況を全ての重要な点において適正に表示している旨の意見を表明した」という者です。
 原審は、会計帳簿の信頼性欠如が容易に判明可能であったなどの特段の事情がない限り、会計限定監査役は会計帳簿の内容を信頼して監査することで足りるとして、前記特段の事情はないことから、Yはその任務を怠っていないとして、Xの請求を棄却しました。
 しかし、最高裁はこのように考えませんでした。
 最高裁は、会計限定監査役は、計算書類の監査を行うに当たり、会計帳簿が信頼性を欠くものであることが明らかでない場合であつても、当該計算書類等に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認さえすれば、常にその任務を尽くしたといえるものではないとして原判決を破棄し、
 Xにおける本件口座に係る預金の重要性の弛度、その管理状況等の諸事情に照らしてYが適切な方法により監査を行ったといえるか否かにつき、更に審理を尽くして判断する必要があると判示して、原審に差し戻しをしました。
 
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(ガメラ岩)
 草野耕一裁判官は、会計限定監査役が公認会計士であったとしても公認会計士法2条1項に規定する監査を実施すべき義務はなく、特段の合意がない限り、監査役の属性によって監査役の職務内容が変わるものではないこと、また、差し戻し審での審理のポイントについても、補充意見を述べておられるのが参考になりました。

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