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2022年2月22日 (火)

【弁護士考】 弁護士業務妨害事案

 判例時報No2503号で紹介された横浜地裁令和2年12月11日判決です。

 被告は労働や貧困等の社会問題に関する活動をしてきた弁護士ですが、インタネット上のブログの運営者が被告を含む多数の弁護士に対して弁護士会に懲戒請求をするように呼び掛ける記事を掲載し、591名の者が大量懲戒請求書を提出したものの、弁護士会では懲戒すべきでないことが一見して明らかであるとして懲戒手続を進めませんでした。

 被告は、懲戒請求をした者に対して、慰謝料請求を行ったものの、その際に、懲戒請求者一覧と題する書面を提出しました。

 原告は、それがプライバシー権の侵害となるとして、被告に対して、不法行為に基づく損害賠償請求を行ったという事案です。 

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(五葉が森)
 裁判所の判断は、概要以下のとおりです。
① 民事訴訟における主張立証活動は事実の公表を目的とする行為ではないが、訴訟記録が閲覧可能な状態に置かれることなどにより、結果的に公表と同様の効果をもらたすことがあるため、プライバシーの侵害の成否が問題となり得るところ、このような場面では、その事実を公表されない法的利益と当該主張立証活動に係る法的利益とを比較考量して、前者が後者に優越する場合に不法行為が成立する
② 個人情報に係る事実を公表されない法的利益と民事訴訟における立証活動に係る法的利益とを比較考量した結果、直ちに前者が後者に優越するとまでは認められないとして、不法行為の成立が否定されました。
 懲戒請求者のリストは、別件訴訟における不法行為及び加害者の特定、当該行為と相当因果関係のある損害額の算定に影響する事情と理解することができると判断しております。
 社会的弱者の人権を取り扱う弁護士にとっては、大量懲戒請求されることは、業務にも少なくない支障が生じることが想定されます。
 弁護士の業務妨害事案の1類型とも評価されうるケースだと思います。
 裁判所の判断は当然というべきものですが、このような形での弁護士への攻撃はぜひともやめていただきたいものです。

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