月刊監査役2月号の解説会「改定監査役監査基準等の解説」です。解説は田中亘東大教授です。日本監査役協会は、監査役会設置会社、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社のそれぞれについて、監査基準として一定のモデルを作成しており、また、内部統制にかかる監査の実施基準についても、3つの機関設計について同様にモデルを作成しております。
2021年12月16日に改定監査役監査基準が公表されました。
改正内容は、大きく分けて4つあります。1つめは、会社法改正への対応、2つめは、改訂版コーポレートガバナンス・コードへの対応、3つめは、監査人の監査基準の改訂への対応、4つめが、各機関設計間の記載振り・体裁の統一です。
(五葉が森登山道)
会社法改正への対応については、まず、報酬関係があげられます。
取締役の個人別の報酬内容についての決定方針は、従来は、指名委員会等設置会社(409条1項)についてのみ求められていたことが、公開大会社で有価証券報告書提出義務を負う監査役会設置会社(361条7項1号)又は監査等委員会設置会社(2号)の取締役会においても、定めなければならないとされました。
次に、補償契約(430条の2)やD&O保険契約(430条の3)についても、取締役会の決議を要する等これらの契約を締結する際に必要な手続きを設けました。
さらに、役員等の責任を追及する訴訟においても、会社法849条の2では、取締役等の責任を追及する訴訟(株主代表訴訟等)において、会社が和解する場合には、各監査役等の同意が必要となりました。
加えて、株主総会資料の電子提供制度です。
改訂版CGコードでは、指名・報酬委員会等への監査役・監査等委員の参加、選定基準、スキルマトリックス等の開示、内部監査部門との連携、監査役会への報告体制に対応した改定がなされました。
監査人の監査基準の改定への対応は、いわゆる監査上の主要な検討事項(KAM)に対するものです。
法律だけでなく、このようなソフトローについても、目を光らせておく必要があります💦
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