金融法務事情1月10日号で紹介された東京地裁令和3年8月17日判決です。
(くるしま海峡)
受贈者に預金債権を贈与する内容の死因贈与契約において執行者とされた者が金融機関に対してした同債権の払戻しを請求したとき、
①(a)相続人には受贈者以外の者がおり、同執行者が民法554条、1007条2項に基づく通知を怠ったという本件事案のもとにおいては、同契約の契約書及び受贈者と執行者に係る本人確認文書各原本の提示ならびに同契約の執行者に就任した旨の通知をした上で行った催告時点において、金融機関の煩瑣な事務処理および過誤払いの回避の観点から同金融機関が同払戻しを拒むことを認める必要性があり、
(b)第1審口頭弁論終結時においても、相続人らに対して行われた訴訟告知の参加的効力は同時点では発生しておらず、受贈者以外の相続人が同契約に従い同預金の払い戻しを受贈者が受けることを同意したことを直接裏付ける証拠がないという本件事案のもとにおいては、上記と同様の観点から同金融機関が同払戻しを拒むことを認める必要性があり、
②本件事案において、死因贈与者は同預金債権を遺贈することが可能であり、死因贈与執行者も受贈者以外の相続人から同意を取るなどの手続をし得たことからすれば、
死因贈与契約の執行者に同預金債権の払戻しを認めるべき必要性が高いといえる事情がないといえることから、上記のいずれの時点においても、同金融機関による同払戻しの拒絶が信義則に違反するということはできない。
死因贈与契約にしてしまったのが、つまずきの始まりのようです。公正証書遺言書の作成を検討すべきだったと思います、また、相続人全員を被告として預金の名義変更手続を求める訴えの提起をすべきだったともいえます。
解説は、助言する専門家はこのような負担も含めて遺言を含めた法形式の選択をすべきだったとコメントしています。
専門家として、司法書士法人が関与していたようです。
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