経産省編著の「社外取締役の実情-15人の思想と実践ー」です。15人の社外取締役からの社外取締役を務めるに際しての眼目がコンパクトにまとめられています。
(笠松山登山口)
坂根正弘氏は、コマツの社長、会長を歴任され、武田役員や鹿島建設の社外取締役に就任されています。
坂根氏は、「企業価値とはステークホルダーからの信頼度の総和だといいましたが、ステークホルダーのうち社会と顧客、株主、金融機関、メディアの4つは企業価値を評価する人たちです。社員、協力企業、サービス代理店の3つは企業価値を自ら作る人です。そして、一番大事なのが顧客で、顧客をともに企業価値をつくる存在に取り組めたらこれほど強い味方はない。信頼度の総和をもっとわかりやすくいうと、ステークホルダーにとってコマツでないと困る度合いといってもいいと思います。」と述べています。
企業価値は多義的な言葉たと思います。論者によってその内容は異なるようにも思います。また、明確な定義づけをされずに議論されることもしばしばです。
坂根氏の、「ステークホルダーからの信頼度の総和」というのは、田舎弁護士の認識にも一致しますので、田舎弁護士も定義的なことを訪ねられましたら、ステークホルダーからの信頼の総和と説明したいと思います。
ところで、坂根氏は、「雇用問題が日本企業の最大の壁」と述べています。法律家であればよくご存じのとおり、わが国では解雇は難しい法制度になっております。
坂根氏は、「この国は雇用問題についても、きれいごとの建前論を続けている間に全員が貧困化に向かっているように思えます。雇用維持を最重要価値観として考え、コストの変動費化を困難にする仕組みの国は、結局、前述したチャタヌガ工場のように雇用を増やす投資が行われず、労働の流動性のない、高齢化の進む社内になっていくということをこの国は早く悟るべきです」と述べておられます。
まさにそのとおりだと思います。
雇用調整ができず、新規投資ができないような仕組みは、見直しがされるべきだと思います。
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