月刊監査役719号の解説です。解説者の一人は、葉玉匡美弁護士です。葉玉先生は、田舎弁護士も司法試験受験生のころに予備校で教わったことがあります。
葉玉ゼミは確か1軍と2軍とに分かれていたと思いますが、1軍のほとんど全ての受験生が司法試験の早期合格を果たしたという伝説を作った名物講師の方でした。「会社法で遊ぼう」というブログでも有名でしたね。
(今治・上木地)
会社法が求める内部統制の概要について、コンパクトにまとめられています。
① 内部統制の基本方針の決定
→ 大会社等の取締役又は取締役会は、内部統制システムの基本方針を決定しなければならない。
② 内部統制の構築・運用
→ 代表取締役や業務執行取締役は、内部統制システムを構築・運用しなければならない。
③ 内部統制の開示
→ 内部統制システムの基本方針を決定又は決議した会社は、「決定又は決議の内容の概要」及び「当該体制の運用状況の概要」を事業報告に記載しなければならない。
④ 内部統制の監査
→ 監査役等は、「決定又は決議の内容の概要」や「当該体制の運用状況の概要」が相当でないと認めるときは、監査報告にその旨及びその理由を記載しなければならない。
内部統制システムがあれば、企業の不祥事を防げるのかというとそうでもありません。
内部統制システムは、経営者が会社を効率的かつ健全に経営していくために経営をコントロール又はチェックするための体制であるため、経営者が不正を行う目的を有している場合や、経営者が部下の不正を黙認しているような場合には、有効に機能しません。
このような経営者による不正を排除するための仕組みは、内部統制システムではなく、コーポレートガバナンスです。
具体的には、①株主総会による選解任を通じた牽制、②株主による代表訴訟を通じた牽制、③社外取締役を含む取締役会による監督を通じた牽制、④社外監査役を含む監査役会による監査を通じた牽制、⑤会計監査人による監査を通じた牽制などを行うことです。
また、近時は、内部統制システムとして、
⑥ 内部監査部門が、代表取締役を含む経営者だけではなく、監査役会や監査委員会といった経営を監督する機関にも報告できる仕組み(ダブルレポーティング)を導入する、
⑦ 内部通報制度を整備する際に、通常の通報対応の仕組みの他、例えば、社外取締役や監査役等への通報ルート等、経営者からの独立性を有する通報受付・調査是正の仕組みを整備するなど、内部統制システムを構築・運用する際に、コーポレートガバナンス的な発想を取り込むケースが増えています。
さすが、葉玉先生、わかりやすい解説です💦
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